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良い点、そして気になる点。新型アウディ「A5セダン」のベースグレード、購入前に知っておきたい本音レビュー

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良い点、そして気になる点。新型アウディ「A5セダン」のベースグレード、購入前に知っておきたい本音レビュー

新型アウディA5セダンのベーシックグレードは買いか?

アウディのDセグメントセダン/ワゴンとして名称も新たに登場した「A5」。そのベースグレードであるガソリンエンジンモデル「TFSI 110kW Sライン」を東京近郊で試乗。その走りのほどをお届けしたいと思う。

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ICEモデルもしっかりと進化させてきた

新型A5は、従来のA4およびA5を統合して誕生したモデルである。PPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバスチョン)というICE搭載モデル用の新開発プラットフォームを採用し、セダンとアバントが用意される。アバントは従来のA4アバントと同様のステーションワゴンだが、セダンは4ドアの3ボックスではなく、トランクリッドとリアウィンドウが一体で開閉するので、正確には5ドアだ。つまり新型A5セダンは、従来のA5スポーツバックの後継といえる。

今回試乗したのは、新型A5セダンのベーシックグレードであるA5 TFSI 110kW Sライン。2L直4直噴ガソリンターボを搭載した、ラインアップで唯一600万円を切る599万円(税込)というプライスタグをつけたモデルである。

じつは筆者は、2024年10月に南仏ニースで開催された国際試乗会で、一足早く試乗している。その時の印象は、"ベーシックグレードとはいえ、十分にアッパーミドルクラスのプレミアムセダンらしい上質感が感じられる一台"というもの。パワフルではないが、FWDらしい軽快な走りに好印象を受けた記憶がある。

軽快なハンドリングは好感触

果たして日本の交通環境でドライブするとどう感じるのか。今回はそこを意識しながら試乗車のステアリングを握ったのだが、好印象な点とネガティブな点が同時に感じられた。

まず好印象だった点は、全長4835mm、全幅1860mm、全高1455mmと、先代A4セダンや先代A5スポーツバックから若干大きくなったボディサイズが、特に気にならなかったこと。2895mmのホイールベースも70mm伸びているが、最小回転半径は先代+0.1mの5.6mに抑えられていて、取り回し性の悪化も最小限である。

最もポジティブだったのは、軽快なハンドリングだ。A5 TFSI 110kW Sラインは、車両重量が1750kgと、ラインアップ中最も軽量であることに加え、FWDであるため4WDに特有のアンダーステア傾向が無い。だからといってステアリング操作に対して極端にシャープな動きをするわけではなく、ノーズの軽さを感じつつ、とても素直なコーナリングが楽しめるのだ。

それでいて直進性も素晴らしく、245/40R19サイズのタイヤを装着した足回りもとてもしなやか。車体は常にピタッとフラットで、十二分なボディの剛性感と、スタビリティの高さもビンビン伝わってくる。ステアリングフィールも雑味がなく、アウディのアッパーミドルクラスらしい、精緻で上質な動的質感を醸し出している。

街中では少し物足りない場面も

一方、パワートレインは少々物足りないというのが正直なところだ。新型A5には、直4ガソリンターボとV6ガソリンターボ、直4ディーゼルターボが用意されている(このほかにPHEVもあり)のだが、直4ガソリンターボのみに新開発の48Vマイルドハイブリッドシステムである“MHEVプラス”が備わらない。今回の試乗車であるA5 TFSI 110kW Sラインは、その直4ガソリンターボを搭載したモデルで、しかもエンジンスペックが低い方なのだ。

昨秋にニース近郊で試乗したときは、コースのほとんどがカントリーロードだったため、あまり気にならなかったが、東京のような都市部では、頻繁にストップ&ゴーを繰り返す。すると、最高出力150ps/3900~6000rpm、最大トルク280Nm/1400~3600rpmの2.0TFSIに7速Sトロニックを組み合わせたパワートレインでは、発進時にもたつきを感じ、その後の加速もDセグメントのプレミアムセダンとしては力強さに欠けるように感じたのだ。

これは、今どきのハイブリッド車やPHEV、BEVのハイレスポンスでスムーズな発進加速に慣れてしまった筆者の個人的な感覚ではある。だが昨今のDセグメントのプレミアムカーは電動化されているのが当たり前の状況であり、どれもスッと軽く発進して、力強く滑らかな加速を見せる。もし新型A5に余裕のある動力性能を求めるなら、204psと340Nmを発揮するA5 TFSIクワトロ150kWか、ディーゼルエンジンのTDIを選ぶべきだろう。

とはいえ今回のA5 TFSI 110kW Sラインも十分に上質な一台である。静粛性は高く、快適性の高さはA6に迫るレベルに達している。そして伸びやかでクーペライクなフォルムは、なによりスタイリッシュだ。2枚の大型ディスプレイを一体化したMMIパノラマディスプレイをはじめ、最新世代のインフォテインメントやADASなど安全・快適装備の数々も魅力的だ。このところBEV一辺倒のイメージが強かったアウディだが、ICE搭載モデルもしっかり進化させてきた。新型A5も大きな注目を集めるはずだ。

【Specification】アウディA5 TFSI 110kW Sトロニック
■全長×全幅×全高=4835×1860×1455mm
■ホイールベース=2895mm
■車両重量=1750kg
■エンジン種類=直4 DOHC 16V+ターボ
■排気量=1984cc
■最高出力=150ps(110kW)/3900-6000rpm
■最大トルク=280Nm(28.6kg-m)/1400-3600rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション形式(F:R)=5リンク:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/40R19:245/40R19
■価格(税込)=¥5,990,000

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文:LEVOLANT 竹花寿実
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みんなのコメント

11件
  • 130クラウン230グロリア♪
    さすがルボランの記事。まともなインプレッションです。十分なスペックに見えますが、これで物足りないというのは肥大化を繰り返したツケでしょう。
  • kaz********
    Sラインは599プラス44万…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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