現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「D1GP黎明期を盛り上げたロータリースライダー」アペックスFD3S、メーカーワークスの威信【OPTION back number】

ここから本文です

「D1GP黎明期を盛り上げたロータリースライダー」アペックスFD3S、メーカーワークスの威信【OPTION back number】

掲載 更新 13
「D1GP黎明期を盛り上げたロータリースライダー」アペックスFD3S、メーカーワークスの威信【OPTION back number】

初期のD1GPを大いに盛り上げた名チューンドの登場だ。アペックスFD3S、2002年の第4戦(筑波ラウンド)から実戦投入され、その翌年にシリーズチャンピオンを獲得した最強のロータリースライダーだ。ここでは、今村陽一選手のドリフトスタイルに合わせて進化を続けた至宝のマシンメイキングに迫っていく。(OPTION誌2004年2月号より抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「D1GP黎明期を盛り上げたロータリースライダー」アペックスFD3S、メーカーワークスの威信【OPTION back number】

D1GP2003年シリーズ“最強”の称号を手にしたFD3S

優勝の秘訣は絶対に壊れないマシンメイク

蓋を開けてみればワークス勢初のシリーズチャンピオン獲得。ポイントランキング初の100ポイントオーバー達成。D1初のシリーズ3勝という、前人未踏の記録を連発することになった今村選手擁するアペックスワークス。

その走りを支えるFD3Sは、徹底した耐久性重視のメイキングがポイントだ。D1GPでトップクラスの成績を収めるマシンの中には、戦闘力はあるが耐久性に難ありというマシンも少なくない。「走り続けなければ勝てないですからね。戦闘力が多少落ちてでも壊れない方が良い」と今村選手は愛機を眺めながら語る。細部を見ていこう。

バンパーを外すと、ワンオフパイピングによってVマウント化されたラジエターとインタークーラーが現れる。オイルクーラーは純正2基がけだが、効率を重視してマウント位置を変更している。エンジン本体はサイドポート拡大加工とシール類のWPC加工のみで特別なことは特に行っていないという。

タービンはアペックスのAX75F82キットをそのまま装着。ノーマルポートではブースト1.0キロが限界で440psほどの出力だったそうだが、ポートチューンを施した現在のエンジンでは1.2キロまでブーストを上げることが可能となり、その最高出力は500psに到達した。

ロータリーエンジンの泣き所ともいえる中低速でのトルク不足を解消するべく、導入されたのはNOSのドライショット。最高出力こそ変わらないものの、中低速域での爆発的なトルクアップを実現している。

足回りは一般ユーザーレベルと言っていい。N1ダンパープロは完成度が高く、今シーズンはバネレートすら前後16kg/mm固定のままだったという。ブレーキに至っては純正の16インチ用キャリパーとローターをそのまま使用している。フロントにはアペックスの調整式スタビライザーも装備。

FRPリヤゲートを開けると、追加燃料ポンプとコレクタータンクが納められたカーボンボックスとNOSボンベが顔を出す。パーコレーションを防止する燃料クーラーも装備。

ワンオフ製作のアンダーカバーは、空力のためというよりもVマウント化したラジエターの保護がメインの目的だ。

インテリアはセッティングに必要なメーター類をセットした程度で、ほぼストック状態。シフトレバーの側には、ブレーキバランサーとスタビ調整の油圧コントローラーがセットされている。ロールケージは6点式でサイドバーを追加、さらに各開口部にはスポット増しを行いボディを補強。

エアロパーツはVERTEXのフルエアロ。フロントフェンダーはサンアイワークスで、リヤフェンダーは20mmの叩き出し加工を行う。ホイールはグラムライツ57F-PROの18インチでフロントが9J+18、リヤが10J+22というサイズ構成だ。

「ワークスの看板車である以上、トラブルで走行できないなどということは絶対に許されません。マイナートラブルが起こらないよう徹底的に拘って製作しています」とはアペックスメカニックの弁。実際、そこから生まれるマシンとドライバーの信頼関係こそが、アペックスワークスの強さの秘密なのかもしれない。

●取材協力:アペックス TEL:0544-65-5061

こんな記事も読まれています

フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
AutoBild Japan
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
くるまのニュース
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB
ロイヤルエンフィールド「INT650」 ブラックアウトされたエンジンを採用したDarkグレードを追加し発売
ロイヤルエンフィールド「INT650」 ブラックアウトされたエンジンを採用したDarkグレードを追加し発売
バイクのニュース
佐藤琢磨が日本人初のインディカーウイナーとして殿堂入り。初優勝の地ロングビーチに記念板が埋め込まれる
佐藤琢磨が日本人初のインディカーウイナーとして殿堂入り。初優勝の地ロングビーチに記念板が埋め込まれる
AUTOSPORT web
【お出かけ情報】GWは“もてぎ”が熱い!!「働くクルマ大集合‼」など家族で一日楽しめるイベントが盛り沢山!
【お出かけ情報】GWは“もてぎ”が熱い!!「働くクルマ大集合‼」など家族で一日楽しめるイベントが盛り沢山!
carview!
ボルボ EX30【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
ボルボ EX30【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
ヤマハ「XSR900」もマルボロ(っぽい)カラーに! ブラックも新色でXSR900 GPと同時発売
ヤマハ「XSR900」もマルボロ(っぽい)カラーに! ブラックも新色でXSR900 GPと同時発売
WEBヤングマシン
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
ホンダが「新型SUV」発表!  トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」採用! 斬新デザインがカッコイイ「e:NS2」中国で予約受付開始へ
ホンダが「新型SUV」発表! トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」採用! 斬新デザインがカッコイイ「e:NS2」中国で予約受付開始へ
くるまのニュース
ホンダの“原付二種”スポーツネイキッド「CB125R」に2024年モデル登場! 新設計メーターは視認性抜群!! 新色のブルーがさわやかです
ホンダの“原付二種”スポーツネイキッド「CB125R」に2024年モデル登場! 新設計メーターは視認性抜群!! 新色のブルーがさわやかです
VAGUE
「マジでカッコいい!」トヨタの大型SUV「新型フォーランナー」に高評価の声! 超タフな「次期型ハイラックスサーフ」のデザインに寄せられた反響とは
「マジでカッコいい!」トヨタの大型SUV「新型フォーランナー」に高評価の声! 超タフな「次期型ハイラックスサーフ」のデザインに寄せられた反響とは
くるまのニュース
サーキットはもちろん、日常のアシとしても魅力的! 「ヒョンデ・IONIC 5 N」試乗インプレッション
サーキットはもちろん、日常のアシとしても魅力的! 「ヒョンデ・IONIC 5 N」試乗インプレッション
月刊自家用車WEB
スズキ「バーグマンストリート125EX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「バーグマンストリート125EX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ

みんなのコメント

13件
  • 当時アルテッツァからFDに変わって、走りが変わっていくのが印象的でした。
  •  この時代のD1は、頑張ればまだ真似出来そうだったな。その分身近な感じがした。(この頃は植尾のファンだった)今の車からしたら良くてリーガル(ライツ)レベルだろうな。イカ天レベルのドライバーも多かったw

     ヨーイチって、花屋でレギュラー番組持ってたけど、今もやってるのかなーw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村