2020年も#55 ARTA NSX GT3で戦う高木真一は、新パートナーとなる大湯都史樹に少しでも多くの経験を積ませたいと、今季に向けた意気込みを語った。
2019年に福住仁嶺とコンビを組んだ高木は、開幕戦から安定したパフォーマンスを披露し毎レースでポイントを獲得。ウエイトハンデが重くなった後半戦は苦しい戦いを強いられながらも第7戦SUGOで優勝を飾り、最終戦もてぎも4位でフィニッシュ。高木自身としては2002年以来、17年ぶりとなるGT300チャンピオンに輝いた。
■若い子たちにフォーカスを……ARTA鈴木監督、2020年体制への想い語る
「こうして17年かかってチャンピオンを再び獲らさせてもらって……『チャンピオンって、こういう感じで年末年始を過ごすんだな』という感じでしたね。特に悪いことはひとつもなかったなと思います」
GT300チャンピオンを獲得した実感を噛み締めながら年末年始を過ごしたという高木だが、早くも2020シーズンに向けた動きが始まっている。ARTAは東京オートサロンで今シーズンのチーム体制を発表し、新しい相方として大湯が加入することが明らかとなった。
「(スーパーGTは)フォーミュラカーのようにひとりで戦うレースではなく、ふたりのドライバーでタッグを組んで、さらにGT500とGT300というふたつのクラスがあるレースです」
「そのため、やっぱり速さだけではなかなかチャンピオンを獲ることができないので、そういう(速さ以外の)部分を若い子により多くのことを経験してもらいたいなと考えています」
そう語った高木。すでに大湯が持っている“スピード”に関しては心配していない様子で、それ以外の要素を重点的に学んでいってほしいと考えているようだ。
「速さに関してはみんな(どうすれば良いか)分かっていると思いますし、そういう子たちがARTAに来ています。なので、速さというよりも、他の部分でケアできたら良いのかなと思っています」
全日本F3選手権では優勝経験のある大湯だが、GTカーでのレースは初めてとなる。高木はスーパーGTでしか得られないことを、できるだけ大湯に経験させたいと語った。
「決して自分がサボろうというわけではありませんが、色々(大湯選手に)経験させたいですね。言葉で言うより、実戦で走る時間を長くした方が、より吸収できることもあると思います。そういうところも含めて、より多くのチャンスを与えてあげたいなと思います」
「その中で失敗をすることもあるでしょうし、逆に良いこともあると思います。そこをちゃんと(自分自身で)見極められるようになってもらいたいなと思います」
2020シーズンの目標はGT300連覇だという高木だが、改めて昨年も“苦しいシーズンだった”ことを強調していたのが印象的だった。そこでの経験も踏まえ、今シーズンはさらに強いチーム作りを心がけていきたいと意気込みを見せた。
「もちろん目標は連覇ですが、昨年も決して余裕どころか、第7戦のSUGOまではハッキリ言って(チャンピオンは)厳しいと思っていました。その中で雨だったりセーフティカーのタイミングだったり、色々な流れが影響していたと思います。今年は、まず強いチーム作りしていきたいですし、そこに運も呼び寄せられるようなチームを目指して頑張っていきたいと思います」
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