現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ついに「GT-R」が引退! 超人気レース「スーパーGT」クラス最多優勝マシンの偉大すぎる足跡とは

ここから本文です

ついに「GT-R」が引退! 超人気レース「スーパーGT」クラス最多優勝マシンの偉大すぎる足跡とは

掲載 14
ついに「GT-R」が引退! 超人気レース「スーパーGT」クラス最多優勝マシンの偉大すぎる足跡とは

惜しまれつつも最高峰GT500クラスでの参戦を終了

 2008年の登場以来、14年間にわたりスーパーGTシリーズのGT500クラスで活躍し、計113戦で歴代車両最多となる41勝を挙げ、5回のドライバーズタイトルを獲得してきたNISSAN GT-Rが、先月富士スピードウェイで行われた最終戦でスーパーGTシリーズでの活動を終了した。しかしこの強さの秘密はどこにあったのだろう。

一世を風靡した「グループA」終焉の原因はGT-R? 大人気レースなのに復活しない「もっともな理由」

前身の全日本GT選手権は1993年からスタート

 わが国を代表するツーリングカーレースであり、海外のファンも惹きつけるスーパーGTシリーズは、トヨタ、日産、ホンダの3メーカー系チーム車両で争われるGT500クラス、プライベートチームで争われるGT300クラスの混走で、毎戦45台ほどの車両が戦い、コロナ禍以前は3万人前後のファンを集めるレースシリーズだ。

 このGT500クラスを代表する車両が日産(スカイライン)GT-Rであり、当初はGT-Rのために創設されたシリーズとも言われたほどだ。R32GT-Rが連勝しレースイベントによっては10万人ものファンを集めたグループA(全日本ツーリングカー選手権)が1993年に終了すると、その後の活躍の場として全日本GT選手権が1993年にスタート。1994年からは統括する団体としてGTアソシエーションができ、トヨタ・スープラも参戦。その後ホンダもNSXを参戦させ人気のレースシリーズに育った。

 GT-RもR32型からR33、そしてR34へと進化していったが、市販車のスカイラインGT-Rが消滅すると、2004年にはフェアレディZが代わって登場。しかし2007年に日産GT-R(R35)が市販開始されると、日産/ニスモは2008年からGT-RをスーパーGTに登場させることを計画した。

R35のデビューイヤーで王座戴冠!

 2008年に登場したR35GT-Rは、翌年から導入される予定であった新規定を前倒しして投入された。GTレースにおいては、参戦車両は自動車メーカーのPRの場でもあり、もちろんGTシリーズを牽引してきたのはGT-R人気だった。そのため、ライバルであるトヨタ、ホンダ陣営も前倒しの投入を受け入れた。ただし2009年規定エンジンの搭載は許されず、また開幕2戦でのタイム差などを考慮し、性能を調整するためのウエイトを搭載することとした。

 しかしながら、車両規定の前倒しは大きな効果があった。2008年は9戦中7勝と圧倒的な強さを見せ、うち3勝を遂げたNISMOの23号車(本山哲/ブノワ・トレルイエ)がドライバーズチャンピオンを獲得した。

 しかし2009年になるとライバルたちも新規定の車両を投入し、タイトルを奪われてしまう。09年規定は2013年まで続き、GT-Rは6シーズンを戦うことになった。

 2010年には従来のV8 4.5L のVK45DEエンジンに代え、V8 3.4LのVRH34Aを搭載する。空力面でも改良が加えられると同時にNISMOがミシュランタイヤを開発。結局翌年にはブリヂストンに戻ったが、この開発されたミシュランタイヤが2011年と2012年に実力を発揮。MOLAの46号車(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)がミシュランを履き連覇を遂げた。この6年間、49戦で22勝という驚異的な数を稼いでいる。

ドイツのDTMと共通化を目指したマシンへ進化

 2014年からはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と共通のモノコックを使用して戦うことになった。エンジンは2LターボのダウンサイジングNR20Aを搭載。空力ではダウンフォースの効く車両となった。ヘッドライトやフロントグリルの位置も高くなって市販車に近いスタイリングとなり、印象は大きく変化した。

 そしてこの年、翌年とNISMOの23号車(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が連覇。2016年もGT-Rだけで8戦中5勝を挙げる活躍を見せたが、3連覇はならなかった。

 2017年からはDTMとの共通モノコックの新規定となった。速くなったGT500車両のスピードを抑えるために、ダウンフォースが25%OFFとされた。これにGT-Rは対応できなかった。さらにホンダがF1で鍛えたプレチャンバーエンジンを投入すると、トヨタも開発&投入。GT-Rは2019年までの3年間でわずか3勝しかできなかった。

2022年の新マシンはどんな走りを見せつけるのか

 2020年、DTMが消滅することで新たなモノコックはGT500規定とされた。GT-Rは新たなNR20Bエンジンを投入。今年は改良型のNR4S21エンジンとし、全体的な性能向上と燃費の向上を図り、2020年は2勝、今年も2勝を挙げてシリーズを盛り上げた。ライバルたちが前面投影面積の小さい空力に優れた車両で参戦するのに対し、GT-Rはよくここまで頑張って戦ったといえるだろう。

 来季からの参戦車両は数日後に発表される予定(本稿は12月2日時点)だが、車両の名前は変ろうともGT-RのDNAは受け継がれるはず。いつかまたスーパーGTシリーズにGT-Rの名前が戻ってくることに期待したい。

こんな記事も読まれています

ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ベストカーWeb
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
くるまのニュース
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
ベストカーWeb
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
ベストカーWeb
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
Merkmal
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
ベストカーWeb
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
AUTOSPORT web
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
ベストカーWeb
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
AUTOSPORT web
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
ベストカーWeb
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
グーネット
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
グーネット
レクサス 新型「GX550オーバートレイル+」抽選販売スタート!通常販売は2024年秋開始
レクサス 新型「GX550オーバートレイル+」抽選販売スタート!通常販売は2024年秋開始
グーネット
マツダ 新型3列シートSUV「CX-80」初公開 2024年秋に欧州で発売
マツダ 新型3列シートSUV「CX-80」初公開 2024年秋に欧州で発売
グーネット
プリウス後席ドアに13万台のリコール! 暫定的に手動開閉に! ところでプリウス後席ドアって手動でどう開けるの?
プリウス後席ドアに13万台のリコール! 暫定的に手動開閉に! ところでプリウス後席ドアって手動でどう開けるの?
ベストカーWeb

みんなのコメント

14件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1444.33061.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

578.823000.0万円

中古車を検索
NISSAN GT-Rの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1444.33061.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

578.823000.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村