秋は芸術とスポーツの季節、両方を楽しんでしまおう!
3年に1度のアートの祭典『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』は、新潟県の越後妻有(えちごつまり)地域(十日町市・津南町)を舞台に、311点の作品が開催エリア内に散りばめられています。自転車で巡り、アートと山岳ライドを組み合わせてしまおう! そんな上級者向けのコースを紹介します(会期:2024年7月13日から11月10日まで)。
【画像】作品巡りと山岳コースの掛け合わせ!! 『大地の芸術祭2024』を画像で見る(11枚)
その前に、まずは「作品鑑賞パスポート」(4500円)を購入しましょう。芸術祭の作品の中には、鑑賞料金を支払う必要がある作品がたくさんあります。
パスポートを持っていれば、ほとんど全ての作品を自由に鑑賞できるので、数日間作品を見て回る人にはオススメです。また、飲食店や温泉施設の割引も受けられる、嬉しい特典付きです。
「十日町駅」や『越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)』、「清津峡」などの芸術祭のメイン会場、地域内のセブンイレブンでも購入が可能です。
もちろん、日帰りで楽しむ場合は各施設で料金を支払う形でも鑑賞できます。
オススメコース(1)「天空の快走路」と「新感覚トンネル」
十日町市の東側には魚沼丘陵があり、標高920mの「魚沼展望台」を最高地点とする「魚沼スカイライン」が通っています。魚沼丘陵を横断する「栃窪峠」や「八箇峠」、「大沢峠」など多くの峠道からスカイラインにアクセスすることができます。魚沼スカイラインはアップダウンの続く約20kmの県道で、次々と絶景が現れます。
魚沼展望台まで、急勾配で一気に登ることができるルートが、「十二峠」経由のアプローチです。このヒルクライムルートの始点に「清津峡」があります。
清津峡には、「大地の芸術祭」を代表する作品のひとつ、マ・ヤンソン/MADアーキテクツ制作の「Tunnel of Light」があります。この作品によって、清津峡渓谷トンネルは現代美術館として生まれ変わりました。
トンネルを進むと、暗闇と光、渓谷美を活かした個性的な作品が次々に現れます。そして、長さ750mを越えるトンネルを歩いた先に、クライマックスが待っています。
トンネルの縁を半円形の額縁にして抜き取られた渓谷の風景。そして、床に張られた水面にその半円が投影されて、上下が合わさり円形が生まれます。外から差し込む逆光の中、人々のシルエットが浮かび上がります。
季節や天候、時間、鑑賞者の数によっても表情を変えるこの作品は、何度でも訪れたい、絶対に外せないスポットです。
「Tunnel of Light」はパスポートの提示で、入坑料が割引となります。
オススメコース(2)「苗場山の絶景」と「秘境の美術館」
越後妻有の津南町は、長野県の栄村と県境を接しています。その県境近く、グングンと標高を上げた先にあるのが「前倉トドの展望台」です。
国道117号「逆巻」交差点から、13kmで700mに迫る標高差を登りきり、1分ほど登山道を歩いた先に、小さなウッドデッキが現れます。
ウッドデッキに立つと、壁のように大きな台地状の山が、圧倒的な存在感をもって目の前に現れます。日本百名山にも選ばれており、スキーリゾートとしても有名な苗場山です。この展望台はあまり知られていない穴場スポットです。
展望台から南方へと山奥へ進み、国道405号に向かって下ります。国道405号は清津川沿いに群馬県方面へと南へ伸びる断崖の道ですが、苗場山をはじめとする山塊を越えることはできず、山の向こう側にある「野反湖」まで到達せずに道は途絶えています。
この国道405号を遡上した津南町大赤沢丁に、『アケヤマ ‐秋山郷立大赤沢小学校‐』があります。大地の芸術祭では、廃校を利用した美術館が数多くありますが、ここもそのひとつです。
ここは秘境「秋山郷」。マタギや自然、伝承にまつわる展示が特徴です。教室の中に木々が伸び、熊の毛皮が至る所に展示されています。
『アケヤマ ‐秋山郷立大赤沢小学校‐』はパスポートの提示で自由に鑑賞することができます。
近くの食堂では山菜料理が楽しめ、食事でも山を堪能できます。こんな山奥にまで作品が点在しているのが、「大地の芸術祭」の特徴です。
他にも山岳コースは盛りだくさん!
「大地の芸術祭」を自転車で巡る、上級者向けのおすすめスポットを紹介しました。越後妻有には他にも「大厳寺高原キャンプ場」や「上野の池」などの野外作品が密集するエリアや、「深坂峠」のような本格ヒルクライムなど、たくさんの山岳コースがあります。
今回のスポットを参考にしつつ、あなただけの山岳コースを組み立てて、是非大自然の中でアートを感じてみてください!
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