キャンピングカーでの自由気ままな車中泊旅に憧れる人は多いだろう。しかし、「本格的なモデルは大きすぎて運転が不安」「自宅の駐車場に収まらない」といった悩みを抱え、一歩を踏み出せずにいないだろうか。休日のレジャーには大活躍しても、平日の買い物や送迎などの日常使いには不便を感じてしまうことも、キャンピングカー選びの大きな壁となっている。そんな大きすぎるキャンピングカーへの抵抗感や常識を見事に覆す、画期的なモデルが存在する。コンパクトなサイズ感でありながら、大人2人がゆったりと車中泊できる充実の空間を備えた一台の全貌に迫る。
【写真】→「こんなに広いか」防音断熱加工の天井が魅力的。コンパクトワゴンがベースのキャンピングカー。
●文:月刊自家用車編集部
街乗りも車中泊もこなす絶妙なパッケージング
近年、車中泊ブームが加速する中で、軽自動車から大型のキャブコンバージョンまで様々なキャンピングカーが登場している。しかし、軽自動車ではパワーや就寝スペースに物足りなさを感じ、ハイエースなどの大型モデルでは日常使いに支障が出るという声は決して少なくない。
そこで今、大きな注目を集めているのが、スズキのコンパクトハイトワゴンである「ソリオ ハイブリッド」をベースにした車中泊モデルだ。ソリオといえば、高めの車高による室内空間の広さと、コンパクトカーならではの取り回しの良さで絶大な人気を誇る名車である。
全長3,790mm、全幅1,645mmというボディサイズは、狭い路地やスーパーの駐車場でも一切持て余すことなく、運転に自信がない人でも軽快に扱うことができるジャストサイズだ。それでいて室内高は十分に確保されており、キャンプなどのアウトドアユースにも見事にマッチするポテンシャルを秘めている。
さらに、ハイブリッドモデルである強みを活かし、優れた燃費性能と静粛性を両立している点も見逃せない。街中でのストップ&ゴーから高速道路を使った長距離のクルージングまで、走りの安定性に優れているため、遠方のキャンプ場や車中泊スポットへの移動も疲労感なくこなすことができる。
あえて大型家具を置かない引き算の空間設計
一般的なキャンピングカーといえば、車内に豪華なキャビネットやシンク、大型のテーブルなどが所狭しと配置されているイメージが強いかもしれない。しかし、今回紹介するモデルの最大の特徴は、あえて無駄な装飾や大型家具を設置しない「引き算の空間設計」にある。
限られた室内スペースを最大限に広く使うため、フロアはフラットシートを基本とした極めてシンプルな作りに徹している。そして、車中泊に欠かせない大容量の高性能ポータブルバッテリーなどの電源設備は、すべてフロアの下へスマートに格納する設計が採用されているのだ。
これにより、車内には圧迫感が一切なく、ベース車両が本来持っている広大な室内空間を存分に活かすことができている。ディスプレイやスイッチ系統も使いやすい位置に機能的に配置されており、スッキリと統一感のあるインテリアが心地よいリラックス空間を演出してくれる。
大人2人が熟睡できる広大なフルフラットベッド
車中泊において最も重要となるのが、就寝スペースの広さと寝心地だ。このモデルでは、セカンドシートを倒してフラットにした状態の上に、専用設計された5枚のマットを敷き詰めることで、車格からは想像もつかないほど広大なベッドスペースが出現する。
マットのフラット感も非常に高く、段差や隙間を感じさせない極上の寝心地を実現している。大人2名が並んで横になっても十分に足を伸ばせる広さが確保されており、窮屈さを感じることなく長旅の疲れをしっかりと癒やすことができる。
さらに、リアの両サイドには専用のベースボードが設置されており、ここを橋渡しするように天板をセットすれば、あっという間に頑丈なテーブルが完成する。ベッドの上でくつろぎながら食事を楽しんだり、パソコンを開いて作業をしたりと、シーンに合わせた多彩な使い方が可能となっている。
また、オプションでアンダーベッドを追加することもでき、乗車人数や使い方に合わせた柔軟なアレンジが利くのも嬉しいポイントだ。普段使いの際には、フラットになったシートスペースに自転車や大型のレジャー用品など、大きな荷物を積み込む際にも非常に重宝する。
防音断熱加工とサーキュレーターが創る快適な室内環境
夏の暑さや冬の寒さ、そして車中泊の天敵とも言える外部からの騒音。このモデルは、そんな過酷な環境を乗り切るための対策も抜かりない。天井部分には本格的な防音断熱加工が施されており、車外の気温変化の影響を受けにくく、雨音などのノイズもしっかりとシャットアウトしてくれる。
さらに、後方の5面のガラスにはすべてUVカットフィルムが施工されており、強い日差しから乗員を守ると同時に、車外からの視線を遮るプライバシー保護の役割も果たしている。
そして特筆すべきは、ベース車両に標準装備されている「スリムサーキュレーター」の存在だ。車内の空気を効率よく循環させるこの機能と、防音断熱加工が相乗効果を生み出し、季節を問わず常に快適な室内環境をキープすることができる。
ルーフキャリアの活用とファミリー層からの熱い支持
室内空間を居住性や就寝スペースとして最大限に広く取っている分、どうしても犠牲になりがちなのが荷物の収納場所だ。しかし、このモデルではルーフ部分に大型のルーフキャリアを取り付けることで、その問題を鮮やかに解決している。
かさばるキャンプギアや遊びの道具、車中泊用の大きな荷物などはすべてルーフキャリアに積載することで、車内を常にスッキリと保つことができるのだ。広い居住スペースと圧倒的な積載量を両立するための、まさに必須装備と言えるだろう。
これほどまでに充実した車中泊装備と快適性を備えながら、価格は295万円からと非常にリーズナブルな設定となっている。キャンピングカーショーの会場でも、小さな子どもを持つ若年層のファミリーを中心に大きな話題となっていたというのも頷ける話だ。
週末の非日常を存分に楽しみつつ、平日の街乗りでも一切の妥協を強いないこのモデルは、まさに完璧と思わせるほどの完成度を誇っている。好みのキャンプギアを載せて、自分だけの自由な旅に出かけてみてはいかがだろうか。
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