現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「マクラーレン」の量産ハイブリッド・モデル登場! 「0~100km/h」を3秒で駆け抜ける「アルトゥーラ」の全容

ここから本文です

「マクラーレン」の量産ハイブリッド・モデル登場! 「0~100km/h」を3秒で駆け抜ける「アルトゥーラ」の全容

掲載 更新 10
「マクラーレン」の量産ハイブリッド・モデル登場! 「0~100km/h」を3秒で駆け抜ける「アルトゥーラ」の全容

マクラーレン初の量産プラグインハイブリッドモデル

 F1GPに参戦を続ける一方で、スーパースポーツカーのメーカーとしても知られるマクラーレン。新たに登場したアルトゥーラ(Artura)を発表しました。早速その中身を紹介していきましょう。

「ガルウイング」は序の口? 「バタフライ」「顔面ドア」など不思議なドアをもつ衝撃のクルマたち

 発表会ではF1GPドライバーとして新たにチームに加わったダニエル・リカルドがブランズハッチ・サーキットでアルトゥーラをドライブする映像が配信されるなど、マクラーレンならではのプロモーション展開となっています。

 映像の中でリカルドは、ドリフトを駆使して自在にアルトゥーラを操りながらサーキットを周回した後、ホームストレートでは完全なEV走行に切り替え「これが一番好きなところ」とコメント。そして「凄いだろう、この静寂」と笑顔で語っています。

 アルトゥーラは2012年に登場したマクラーレンP1、19年にリリースされたスピードテールに続くハイパフォーマンス・ハイブリッド・スポーツの第3弾。そして同社初の量産プラグインハイブリッド(PHEV)モデルです。カーボンニュートラルに向けて大きく加速しているトレンドに則ったモデルということになります。

 メカニズム的にはカーボンファイバーで成形されたモノコックに、アルミニウムで成形されたフロントのクラッシュビームと、同じくアルミニウム製のリアサブフレームを組み合わせたシャシー。

 そして電動化や自動運転などを進めるうえで多くのメーカーにも採用されるようになった、ドメインと呼ばれる機能別領域ごとにECUを束ね、ドメインコントローラーで各ECU間の通信や協調性行を行う“ドメイン集約型アーキテクチャー”を核とする全く新しいマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)が大きなポイントとなっています。

 このMCLAは、今後のマクラーレン製品の基盤となる技術であり、それを使用する第1弾がこのアルトゥーラということになります。ハイブリッドのパワーユニットを使用するだけでなく、こうした最新のアーキテクチャーを使用することからも、アルトゥーラが新世代のスーパースポーツと呼ぶに相応しい1台ということになります。

0~100km/hの加速は3秒ジャスト

 パワーユニットは、M630と呼ばれる新型の3リッターV6ツインターボのガソリンエンジンとアキシャル・フラックスEモーターを組み合わせたもので、それぞれ585PSと95PSの出力を生みだす。ユニットとしての最高出力は680PSとなり、0~100km/hの加速がジャスト3秒という、猛烈なパフォーマンスを実現しています。

 エンジンに加えてモーターもミッドシップに搭載し、シンプルに後輪をドライブする駆動レイアウトとなっていますが、8速のツインクラッチトランスミッションに、マクラーレンとしては初となる電子制御ディファレンシャル(eデフ)を採用、左右のドライブシャフトに配分するトルクを精密に制御しています。

 サスペンションは、基本的には前後ともにダブルウィッシュボーン式ですが、リアのロワアームにはマルチリンクを採用。そもそも、こうしたスーパースポーツやレーシングカーでは、ジオメトリーの設計の自由度が高いことを理由にダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用しているケースが多いのですが、アルトゥーラでもまたホイールセンター前方のタイロッド(トーコントロールアーム)やアップライトの位置を最適化することなどによって、思い通りのジオメトリーを実現しているのです。

V8エンジンに比べて50kgも軽量になった

 マクラーレンのロードカーが代々追求してきた軽量化について、アルトゥーラの状況に関しても紹介しておきましょう。そもそも、カーボンファイバーを成形したモノコックをベースとして、新たに開発されたMCLA自体で軽量化が実現されています。ミッドシップに搭載される3リッターエンジンは、アルミ製で重量も僅か160kgに抑えられていますが、これは同社のV8エンジンに比べて50kgも軽量に仕上がっています。

 またV6レイアウトを採用したために、V8に比べるとサイズ的に随分コンパクトに仕上がっていますが、ドライサンプ仕様としたことでエンジンの高さが抑えられ、パッケージの面でも低重心化に大いに効果がありました。そして軽量化は電気系統で使われる配線の重量(10%の削減に成功)にまで及び、ハイブリッドコンポーネントの総重量もわずか130kg。

 車両本体の重量も1.4tを切るレベルで、ハイブリッド・パワートレインを搭載していないコンベンショナルなスーパーカーと同程度に抑えらえれています。3リッターのハイブリッド・パワートレインを搭載したスーパースポーツであることを考えるなら、この車重は圧倒的です。

 そしてその結果、パワーウェイトレシオは約2kg/PSとなり、0~400m加速が10.7秒、0~100km/h加速が僅かに3秒、そして最高速は電子制御で制限されていながら330km/hを実現しています。

日本円に換算すると約2739万円!

 気になる価格ですが、英国では18万5500ポンドから。日本円に換算すると約2739万円。実際に買うことができるかどうかは別にして、技術的な内容とパフォーマンスを考えるなら、リーズナブルな価格設定だということは間違いないでしょう。

 ちなみに、マクラーレンにとって最初のロードゴーイングカーは、F1コンストラクターとしてまだまだ黎明期だった60年代に計画されたマクラーレンM6GTでした。チーム(コンストラクター)を創設したブルース・マクラーレンの夢の一つが、彼の名を冠したロードゴーイングカーを完成させることだったのです。末裔の活躍を天国から見つめているブルースに、アルトゥーラはどのように映っているのでしょうか?

こんな記事も読まれています

東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
レスポンス
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
月刊自家用車WEB
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
motorsport.com 日本版
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
くるまのニュース
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
バイクのニュース
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
レスポンス
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
日刊自動車新聞
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
レスポンス
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
AutoBild Japan
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
くるまのニュース
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB
ロイヤルエンフィールド「INT650」 ブラックアウトされたエンジンを採用したDarkグレードを追加し発売
ロイヤルエンフィールド「INT650」 ブラックアウトされたエンジンを採用したDarkグレードを追加し発売
バイクのニュース
【RVRはどうなる?】三菱自動車、コンパクトSUV「ASX」を大幅改良。6月から欧州で販売を開始
【RVRはどうなる?】三菱自動車、コンパクトSUV「ASX」を大幅改良。6月から欧州で販売を開始
driver@web
佐藤琢磨が日本人初のインディカーウイナーとして殿堂入り。初優勝の地ロングビーチに記念板が埋め込まれる
佐藤琢磨が日本人初のインディカーウイナーとして殿堂入り。初優勝の地ロングビーチに記念板が埋め込まれる
AUTOSPORT web

みんなのコメント

10件
  • トミカなら買える。
  • この内容で1400キロを切るのは凄い!
    マクラーレンは、車重の軽さに拘るところがとってもスマートで好感が持てます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村