50年続く日本を代表するスポーツカー
日本を代表するスポーツカー「日産フェアレディZ」。アメリカでも大ヒットし、多くのファンに愛されているモデルであり、2020年には新型モデルのプロトタイプも発表された。あらためて歴代モデルの魅力などを解説していこう。
「プアマンズポルシェ」は褒め言葉! 新型で「原点回帰」と言われる日産フェアレディZの「そもそも」の立ち位置とは
●日産フェアレディZとは?
1969年に誕生。現在発売されているZ34型で6代目となる、伝統あるスポーツカーだ。同じく日産のスカイラインとともに多くのファンに支持される。基本的に6気筒エンジンを搭載しており、2代目までは直列6気筒、3代目からはV型6気筒をベースとしている。現行モデルは、VQと呼ばれる日産車に多く搭載されるV型エンジンを採用。3.7リッターという大排気量の自然吸気NAエンジンは、最高出力336馬力/7000rpm、最大トルク365N・m/5200rpmを発揮する。
シルエットは、歴代ロングノーズと呼ばれる、エンジンが収まるフロントセクションが長く見えるシルエットを採用。これは初代がアメリカの雄大な大地にも負けない力強さを与えるため、ロングノーズとしたことが大ヒットの要因のひとつに。これをフェアレディZの特徴のひとつとして、歴代採用され続けている。
フェアレディZはアメリカでは「Zカー(ズィーカー)」などの愛称で親しまれている。2019年には誕生50周年を迎え、記念モデルも発売された。現行モデルはアメリカにて、初代の240Zになぞらえて370Z(排気量3.7リッターに由来)の名で販売されている。
●日産フェアレディZの魅力
魅力その1)日本車離れしたスタイリング
やはり、フェアレディZで注目したいのはエクステリアだろう。6気筒エンジンを搭載するために、そして力強さを演出するためにデザインされたロングノーズは存在感が抜群だ。全長の短いV型エンジンに変更となった3代目以降も、基本的なシルエットは変わらずに伝統を受け継いでいる。
リヤはテールゲートとなっており、これも初代から受け継ぐポイント。フロントから続く流麗なスタイリングは、2ドアクーペ以上のスタイリッシュさだろう。ひと目でフェアレディZとわかるルックスに仕立てられているのは流石だ。
魅力その2)コクピットと呼ぶにふさわしいインテリア
歴代、スポーツカーらしいタイトさのある雰囲気がフェアレディZの特徴のひとつ。コンマ1秒を速く走るためのような機能美はもちろんだが、アメリカの広大な土地を快適に走れるGTカーとしての快適性も兼ね備えている。
そして、初代S30のダッシュボードには、スポーツカーらしさを際立たせる3連メーターが備わっている。これも普通のクルマとは一線を画するポイントのひとつ。4代目のZ32では採用されなかったが、続くZ33では復活。初代を彷彿とさせるような、ダッシュボードの中央部分に配置されている。これは現行モデルであるZ34にも継続採用された。
魅力その3)力強さを味わえるパワーユニット
初代モデルから一部グレードを除き6気筒エンジンにこだわっているのもポイントのひとつ。初代S30は、ハコスカの愛称で親しまれた初代GT-Rと同じS20型エンジンを搭載したZ432など、魅力的なグレードも用意された。
3代目のZ31からはV型となったが、同じく6気筒を継承。続く4代目のZ32ではVG30DETTというツインターボを搭載したパワフルなエンジンを採用。これは後に続く280馬力規制のきっかけとなった。
5代目のZ33からは、再びNAエンジンを搭載することになる。当時主力となっていたVQエンジンをベースにスポーティな仕様に仕立てた3.5リッターエンジンを搭載。現行モデルとなるZ34では、排気量を3.7リッターにアップさせている。
●歴代の日産フェアレディZについて
初代 S30型(1969年~1978年)
1969年に誕生し、9年間で約6万6000台が販売された。当初日本国内では2リッター直6エンジンのL20型を搭載。また、ハコスカGT-Rと同じ高性能なS20型エンジンを搭載するZ432も用意されていた。それをベースにした競技専用モデルZ432Rも人気だった。
1971年には、輸出専用だったL24型エンジンを搭載する240Zを国内でも発売。なかでも240Z-Gは通称Gノーズと呼ばれる、フロントバンパー一体型のエアロパーツとオーバーフェンダーを装着した。ベースモデルに対し、さらに迫力アップして存在感を高めている。
1973年には公害問題やガソリン高騰により、残念ながらZ432や240Zシリーズが生産中止となってしまう。その後は排出ガス規制に適合させ販売され、1978年に生産終了となった。
2代目 S130型(1978年~1983年)
初代のS30型のロングノーズ・ショートデッキスタイルを継承して誕生。特徴的な丸形ヘッドライトや四角いテールランプも受け継がれ、初代の雰囲気を色濃く反映しているモデルだ。今も人気の刑事ドラマである西部警察にも、主役級のパトカーとして登場することでも知られている。
搭載するエンジンは直6で、2リッターと2.8リッターの2種類。後に出力向上など進化を遂げ、運動性能の向上が図られている。アメリカでは1982年に2.8リッターエンジンをベースにターボ化したモデルも追加設定されている。
2代目は5年間で生産終了となったが、生産台数は約5万2000台と好調なセールスとなった。なお、この2代目で世界すべての累計販売台数が、初代から数えて100万台を達成している。
3代目 Z31型(1983年~1989年)
型式名は2代目まで続いたSから、現行モデルでも継続するZに変更。ロングノーズ・ショートデッキのスタイルは受け継ぎながらも、より空力を意識したエクステリアデザインに生まれ変わった。ヘッドライトは丸形から角型となり、フロントマスクの雰囲気がガラリと変わった。
搭載するエンジンはV型となり、全車ターボエンジンとなった。VG型エンジンは2リッターと3リッターの2種類が用意され、後に直6ターボも追加設定されている。
1986年のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインを大幅に刷新。3リッター車はテールゲートと左右ドア以外は意匠変更が行われ、3ナンバーボディが与えられた。2リッターはV6ターボが廃止となり、直6のみとなっている。V6エンジンはDOHCとなったVG30DEが追加され、1988年にはそれをベースにターボ化したエンジンも搭載されている。1989年に生産終了となり、国内の新車登録台数は約3万6000台。
4代目 Z32型(1989年~2000年)
より流麗なスタイリングが与えられた4代目。よりワイド&ローを意識し、力強さが強調されている。個性的なヘッドライトはランボルギーニ・ディアブロにも流用された。全車3ナンバーボディとなり、2シーターと4人乗りの2by2が設定されており、2代目から用意されている爽快感が味わえるTバールーフもラインアップされた。
エンジンは先代にも搭載されていたVG型を継承。3リッターNAのVG30DE、3リッターツインターボのVG30DETTの2種類で、ターボは日本の自動車メーカーで初めて280馬力を達成したことでも有名だ。
2シーターにはオープンモデルが用意されるなど、個性的なモデルも登場。専用エアロやBBSホイールを採用するグレードを随時追加するなど、一部改良も積極的に行われた。なお、2000年に生産終了となり、Z32型の生産台数は約6万5000台。販売終了により、フェアレディZは一度絶版車種となってしまう。
5代目 Z33型(2002年~2008年)
当時日産のCOOに就任したカルロス・ゴーンが行った日産リバイバルプランを象徴するモデルとして復活。Z32には用意されていた2by2は廃止となり、全モデル2シーターのみとなった。初代から続くロングノーズ・ショートデッキスタイルは健在。クーペとオープンモデルの2タイプが設定されており、幅広い層から支持された。
搭載するパワーユニットは全車NAに。VG型から進化した新世代のV6エンジンであるVQ型に移行し、3.5リッターという大排気量となった。組み合わせるトランスミッションは6速MTと5速ATとなる。
また、多くの特別仕様車も用意された。全日本GT選手権に出場するために誕生した、専用エアロを装着するホモロゲーションモデルであるタイプE、現在のコンプリートカーシリーズ「ニスモロードカー」の先駆けであるバージョンニスモなど、魅力的なモデルが用意された。
6代目 Z34型(2008年~)
2021年2月現在も販売される現行モデル。先代のZ33型の雰囲気を色濃く受け継いだスタイリングとなり、よりロングノーズ感を強調したデザインに進化している。V字のようなヘッドライトとテールランプの形状が特徴的だ。
搭載するパワーユニットはVQエンジンの排気量を3.7リッターにアップさせ、6速MTと7速ATを組み合わせた。現在はクーペのみのラインアップだが、一時期はオープンモデルのロードスターも設定されていた。
また、先代にも用意されていたバージョンニスモも継続設定。その後ニスモロードカーのラインアップに組み込まれ、グレード名称もニスモに改められた。エンジンは専用チューニングが施され、よりダイナミックな走りが楽しめる1台に仕立てられている。
●新型フェアレディZはどうなるのか?
2020年9月に、7代目となる新型のプロトタイプが披露された。鮮やかなイエローのボディに、初代を彷彿とさせる変形丸形のヘッドライト、Z32型のような横一文字タイプのテールランプなど、歴代モデルの良さをうまく融合させたスタイリングとなった。
搭載するパワーユニットはV6ツインターボとなり、これは現行スカイラインのスポーティグレード「400R」のものがベースとなっているはずである。トランスミッションは6速MTで、それだけでも走りに期待が持てる仕様だ。エクステリアデザインなどはほぼ完成しているとのことで、大きくプロトタイプから変更されることはないだろう。
おそらく、市販モデルは東京モーターショー2021にて披露されるのではないだろうか? 価格については当然なにも公開されていないが、同じく専用チューニングが施されるV6ツインターボを搭載するスカイライン400Rは562万5400円、現行フェアレディZの最上級モデルであるバージョンST(6速MT)が519万8600円、スポーティさを追求したニスモ(6速MT)が640万9700円となっている。 しかし、フェアレディZのベースモデル(6速MT)は397万9800円ということを考えると、新型のエントリーグレードは400万円台前半になるのではないだろうか?
現在、日産の2ドアスポーツモデルはフェアレディZとGT-Rのみ。GT-Rは1000万円オーバーのスーパースポーツの域に達している。そういった意味では、手の届きやすい2ドアスポーツはフェアレディZとなる。新型も、ぜひ頑張れば購入できる価格設定としてほしい。
●日産フェアレディZは日本になくてはならないスポーツカーだ
アメリカで大ヒットした初代以降、おもに日本とアメリカで愛されてきた日産フェアレディZ。販売されていない時期もあったが、時代に合わせつつ、初代のDNAを受け継ぎながら進化を続けている。より走りを意識した新型の登場も控え、今後も多くのクルマ好きを魅了する1台として輝き続けるだろう。
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みんなのコメント
日本市場を重視するって、どの口が言ってんだか。
プロトの記事ばかりで飽きちゃった。
と言うか、日産に飽きちゃった。