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新型リーフの競争力はいかほど? 補助金も含めてライバルと徹底比較してみた

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新型リーフの競争力はいかほど? 補助金も含めてライバルと徹底比較してみた

新型リーフを競合車と比較!

日産がついに新型リーフの正式発表を行いました。EV性能や装備内容を大幅に進化させたモデルとしてどれほどの競争力を実現しているのかを、とくに日本国内における競合車種と徹底比較します。

初代リーフはなんと中古で20万円もある! ぶっちゃけバッテリーは劣化しているけど人によっちゃアリな選択だった!!

まず、新型日産リーフに関する詳細情報は前回の記事で解説済みですのでご参照ください。

そして今回は、新型リーフが日本国内に競合車種と比較してどれほどの競争力を実現しているのかを比較しながら、そこから考察できる新型リーフの強みや弱みを考察していきたいと思います。

この表は日産のクロスオーバーEV、アリアと比較したものです。車両サイズは全長、全幅、全高ともにリーフがひとまわり小さくミニアリアというイメージです。

まず、左側のエントリーグレードである新型リーフB5とアリアB6を比較してみると、バッテリー容量で10kWh程度もリーフのほうが少ないものの、欧州WLTCモードではリーフのほうがむしろ長い航続距離を確保しており、電費性能にトッププライオリティをおいて開発された新型リーフの効率性の高さが見て取れます。

また、右側のロングレンジグレードの比較について、新型リーフB7とアリアB9と比較すると、バッテリー容量では12kWhの差がついていながら、EPA基準でリーフB7が488km、アリアB9が489kmと同等の航続距離を確保しています。いずれにしても、コストの嵩む電池を大きく減らすことで、生産コスト抑制に期待できるのです。

そして、値段設定について、仮にリーフB5が480万円でスタートすると、アリアB6と比較しても大幅に安くなります。とくにアリアとリーフを栃木工場で一括生産することで、いかにして新型EVの生産効率を引き上げて、リーフとともにアリアの生産コストを引き下げられるのかが重要です。その意味において、新型リーフの成功がアリアのコストダウン、それによるモデルチェンジ後の値下げにも繋げることができるのではないかと推測できます。

次に、日本国内における新型リーフの競合車種となる中国BYDのATTO 3、韓国ヒョンデのコナ、さらにはボルボEX30、また同時期に発売となる見込みのスズキe VITARAというコンパクト電動SUVとを比較しましょう。

まずEV性能について、電池容量ではコナとEX30が60kWh超級の電池容量を搭載することで、さらにゆとりの航続距離を確保。他方でリーフはB7もラインアップしており、ロングレンジ需要を満たすことは可能です。

その上で、今回注目したいのは電費性能です。欧州WLTCモードで同列に比較すると、ATTO 3が156Wh/km、EX30が170Wh/km、e VITARAのエントリーグレードが148Wh/km、そしてもっとも電費のいいコナも147Wh/kmであるのに対して、新型リーフB5は140Wh/kmと、競合を凌ぐ電費性能を実現。さらに、より高速走行の比重が高まるEPA基準でも、EX30とコナがそれぞれ116MPGeなのに対して、リーフB5は123MPGeとリード。まさに市街地・高速走行にかかわらず、オールラウンドに電費性能が優れているという点こそ新型リーフの強みといえるのです。

また、充電性能について、最大充電出力でリーフB5がリードしながら、とくにリーフB5の最大の強みとなり得るのが充電時間です。リーフB5は競合を遥かに上まわる30分、場合によっては30分を切ってくるポテンシャルを秘めており、ファーストカーとしての実用性も兼ね備えているといえるでしょう。

全幅は日本で扱いやすい1810mm

車両サイズについて、新型リーフはコナと非常にサイズ感が似通っており、とくに全幅が1850mmを切っているという点は、日本国内でも扱いやすいサイズ感として幅広い需要が見込めます。ただし、唯一の懸念が北米市場における最低地上高が135mmである点です。雪国などにおける走破性にはマイナスであり、ここは来年以降に追加される可能性のあるe-4ORCEグレードなどに期待したい部分です。

そして値段設定について、仮にB5が480万円からスタートしたとしても、コナやATTO 3と比較しても割高感が否めません。ところが日本国内では車種によってEV補助金に差がついています。たとえばコナには67万円が適用されるものの、EX30には46万円、ATTO 3に至っては35万円しか適用されません。対するリーフは現在89万円が適用されており、新型も90万円近いほぼ満額の補助金が適用される見通しです。この補助金を加味した実質的な値段設定を比較してみると、コナやATTO 3と同等の実質購入金額となるのです。

さらに日産と新興海外メーカーの最大の違いが、ディーラーネットワークの有無という観点でしょう。とくに韓国ヒョンデは販売整備拠点が手薄です。販売拠点が極めて薄いことから、コナを比較しようにも、ユーザーが実車を触る機会を創出することが極めて難しい状況です。

そして新型リーフが国内で成功を収める上で重要となり得るのが、その標準装備内容という観点です。この表は競合の標準装備内容を比較したものです。とくに新型リーフは、すでにグレード別の装備内容が公開されている北米市場のエントリーグレード「Sグレード」を記載しながら、参考のために2代目リーフe+の標準装備内容も併記しています。

大前提として、日本国内における新型リーフの標準装備内容は、北米のSグレードと比較しても拡充される見込みです。というのも2代目リーフも北米仕様よりも装備内容が充実しています。とくにEV性能を左右するヒートポンプやバッテリーヒーターは標準装備されると考えて問題ないと思います。

その上で、2代目で標準装備であるフロントシートヒーターやハンドルヒーターくらいはマストでほしいところでしょう。北米仕様ではプロパイロットも標準装備なので、日本でもアリアと同じく標準設定してほしいところです。ちなみに手放し運転可能なプロパイロット2.0は上級グレードでオプション設定可能となる見込みです。

いずれにしても、競合のATTO 3やコナは装備内容が非常に充実しており、まさに新型リーフが国内で競争力を確保するためには、この標準装備内容をどれほど充実させることができるのかが重要なのです。

文:THE EV TIMES 高橋 優
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みんなのコメント

73件
  • pom********
    記事を読んで…「お!日産頑張ってるやん!」って、軽くコメント欄に目を通すと…

    何だこのコメント欄!?? 酷いな…

    なんで、こんなコメントになるんだろ?って考えてみたんだけど

    日本人の特性かな?? 他社の成功を妬み足を引っ張る事しか考えない。

    もしくは、日頃からBYDの技術は世界一って言ってたのに、比べてみると…全然ダメダメの安いだけの車ってバレて八つ当たりしてる??

    どっちにしろ、なんか情けないよな。
    別に、BYDの技術は世界一!って人に対抗して、日産の技術は世界一!ってあちこちのコメント欄荒す必要は無いけど…
    頑張ってる事には、それなりに評価しても良いのでは?
  • clo********
    とりあえず海外生産の車に補助金は出すな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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