国産チューンドと変わらぬアプローチでM3を鍛え上げる!
NOSによるドーピングで最高出力は400馬力に到達!
「国産チューナーが手がけた至宝のBMW M3(E46)サーキット仕様」心臓部はNOSで400馬力までドーピング!
E46のM3は、BMWのモータースポーツ部門にあたるM社が、3シリーズをベースに作り上げたワークス系チューンドといえる存在。ボンネットの下には、343psを7900rpmで発生する3.2L直6の超高回転型ユニットが収められ、ボディから足回りを含めたシャシーまで徹底的に手が加えられている。イメージとしては、レクサスISに対するIS-Fのようなものだ。
日本に導入されたのは2ドアクーペのみで、ミッションは3ペダルの6速MTと2ペダルの6速MT、SMGIIの2タイプが用意される。
コクピット館林が手がけた、ここで紹介する1台はSMGIIのサーキット仕様。オーナーは普段M5に乗る根っからのBMWファンで、筑波サーキットやツインリンクもてぎなどを月イチのペースで走っているという。
まず、エンジンまわりはK&NエアクリーナーとグループMラムエアシステム、メイン76.3φ、テール106φとしたオリジナルチタンマフラーで吸排気系をチューニング。制御系は純正ECU書き替えで対応している。メニューとしてはかなり軽いモノだが、それでもダイノパック係数ゼロで350psを発揮するというから、いかにベースエンジンのポテンシャルが高いかってことも分かるだろう。
さらに、このM3はエンジン回転数とスロットル開度で制御されるウェットショットのNOSも装備。全噴射時には60psを上乗せして400psをオーバーするのだ。
トランクルームにセットされたNOSボンベ。オーナーいわく「ストリートでターボ車に負けたくないから」とのことだ。
また、サーキット仕様だけに足回りとブレーキにも見どころは多い。サスはアラゴスタ別タンク付き車高調にフロント14kg/mm、リヤ16kg/mmのハイパコ製スプリングという組み合わせ。その他、arc強化スタビライザー、APレーシングの大容量キャリパー&大径ローターなどはお約束。
その上で、セッティング幅の拡大をねらってリヤトーコントロールアームが調整式に交換され、路面からの入力の逃げを最小限におさえてよりダイレクトなハンドリングを実現するため、アームブッシュ類のピロ打ち替えやリヤサスメンバーカラーの装着なども行われている。
アライメントはサーキット走行のみを考えたセッティング。フロント3.5度、リヤ2.5度のネガティブキャンバーが付けられている。
ホイールは前後とも10.5J×18オフセット+25のボルクレーシングRE30。フロントはトレッドを稼ぐためにフェンダーを叩き出し、10mmスペーサーを介して装着される。これに265/35サイズのポテンザRE55Sをセットする。
室内は、ダッシュボード中央にデフィリンクディスプレイ、アペックスAFC、P-LAPがならび、センターコンソールには各コントロールユニットが収められる。センタートンネルの助手席側に付くのはアペックスECVの調整ノブ。ちなみに、オーディオは残っているが、エアコンは軽量化のために撤去されている。
ロールケージは12点式を装備。フロントシートは2脚ともレカロSP-G(運転席はドイツ本国仕様)に交換されるほか、リヤシート&トリムも取り払うなど、軽量化が行われている。
GTウイングはトップシークレット製で、ステーはそのまま台座部分を加工して装着。バンパー中央部をカットして取りつけられたワンオフのカーボン製アンダーディフューザーが圧巻だ。
ドアパネルをカーボン製に交換することで片側約18kg、左右で36kgもの軽量化を達成。また、サイドウインドウもアクリル製だ。
実際のところ、チューニングのアプローチは国産車と変わらない。コクピット館林のM3を見れば見るほど、そんな思いを強くしたわけだ。
取材協力:コクピット館林 TEL:0276-73-5451
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