ルノー5 E-テックがベース EVへ一新の6代目
自動車という乗り物は、公平な原理だけで作られるわけではない。追うものがあれば、追われるものもある。利益のために、妥協を強いられることもある。完全な電気自動車として生まれ変わった日産マイクラ(旧マーチ)も、その1つといえる。
【画像】COTY受賞車と強み共有 日産マイクラ(マーチ) サイズの近い電動ハッチバックたち 全122枚
オランダ(ネザーランド)での発表会を訪れたジャーナリストの多くは、6代目を懐疑的に捉えていた様子。ルノー5 E-テックをベースに、前後のボディパネルやライトをデザインし直し、日産のエンブレムを貼り付けただけ、と受け止められたからだ。
メカニズム上での差別化は施していないと、日産も自ら認めている。パワートレインもシャシーも、基本的には同じらしい。だがこれは、5 E-テックが先に登場したという、タイミングも大きく影響しているだろう。
3代目マーチをイメージさせるライト
ルノーの事業計画を見れば、多額の初期投資は日産と分担することになっている。新しいマイクラが存在しなければ、5 E-テックを低価格帯で提供することは難しかったという、日産の主張は恐らく正しいだろう。
小さなバッテリーEVは特に、コストが売れ行きで重要になる。今以上に差別化させるには、より高額な設備投資が必要になったはず。すると、価格へはね返る。
そっくりな見た目なのは間違いない。シルエットやリアピラーは、明らかに共通している。それでも前後のライトは、2002年発売の傑作、3代目のK12型マーチをイメージさせる。ただ少し加飾的で、特有の個性を得ているのかといわれると、疑問は残る。
デザイナーが「ジェラートスプーンで削ったよう」と表現する、サイドのキャラクターラインも特徴だろう。ボディカラーの選択肢は、しっかり違う。グレーやブラックのモノトーンの他に、レッドとブルーが設定される。鮮やかなイエローやグリーンはない。
双子の兄弟だと意識させるインテリア
インテリアは、ボディ以上に5 E-テックの双子の兄弟であることを意識させる。とはいえデザインは充分にスマートで、日産はルノーと異なる素材を選んでいる。
試乗車は上級グレードのエボルブで、ソフトパッドの入ったフェイクレザー張りダッシュボードが、高級感を放っていた。硬質なプラスティック製パネルも、あちこちにあるけれど。テキスタイルの質感やグラフィックの表現は、ルノーの方が上だろう。
空間の広さも、5 E-テックと同じ。前席側は、全長3.9mのコンパクトカーとしては平均以上に広い。後席側は、小柄な大人や子どもなら問題なく長時間過ごせるはず。荷室の容量も不足ない。
前席間の収納やリアの荷室には、富士山をモチーフにしたグラフィックが潜む。日本のブランドだと、静かに主張するべく。
日本庭園を模した波模様 回生用パドル付き
インフォテインメント・システムは、ルノーが開発したグーグル・ベース。表面的なグラフィックは、マイクラ用に改変されている。操作性に優れ、スマートフォンとの連携はスムーズにできる。
2面並ぶタッチモニターのサイズは、エントリーグレードがひと回り小さくなるものの、それ以上では10.3インチ。機能も拡充されるため、大きい方が望ましいだろう。
内装のデザインテーマは、若々しく開放的な「チル」と、日本らしい落ち着きを感じさせる「オーダシャス」の2つがある。どちらも居心地は良い。ダッシュボードの波模様は、日本庭園の砂紋を模したものだという。
マイクラを選ぼうと考えさせる機能の1つが、ステアリングホイール裏のパドル。回生ブレーキの強さを、簡単に調整できる。5 E-テックにも、いずれ追加されるようだが。高効率なヒートポンプ式エアコンが、標準なのもうれしい。
走りの印象とスペックは、日産マイクラ(マーチ)・エボルブ(2)にて。
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みんなのコメント
合弁会社設立には至らなかったけど、製品であるクルマだけはお互いに出しておきましょうということ
ただBEVのマーケット規模が予想を下回りそうということで、合弁会社設立の解消に至ったのに、日産もルノーもこれらのクルマが爆売れするとは思って無いでしょう
両社のBEV事業計画の、もし売れたらいいねっていう敗戦処理ですね