現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【MotoGP】ビニャーレス、ヤマハ離別から8月で丸一年。キャリア危機からアプリリアで復活……チームも更に期待?

ここから本文です

【MotoGP】ビニャーレス、ヤマハ離別から8月で丸一年。キャリア危機からアプリリアで復活……チームも更に期待?

掲載 7
【MotoGP】ビニャーレス、ヤマハ離別から8月で丸一年。キャリア危機からアプリリアで復活……チームも更に期待?

 MotoGPに参戦しているマーベリック・ビニャーレスが、ヤマハで出場停止処分を受けてから、8月12日で丸一年が経過した。彼は現在アプリリアで好リザルトを残しつつある。つまり、ヤマハとの別離は、ビニャーレスにとっては最高のパフォーマンスを発揮するための”先触れ”だったとも言える。

 ビニャーレスはスズキからMotoGPへステップアップし、2016年にホルヘ・ロレンソの後任としてヤマハへ加入。以降は浮き沈みのある成績の中、ヤマハとの関係が悪化していった。2021年に起きた両者の離別は、その最終的な帰結に過ぎないとも言える。いずれにせよ、2016年に両者が描いていたような未来予想図には終わらなかった。

【アプリリア|勝利への道】RSW 500&RS Cube……アプリリア、最高峰500cc/MotoGP初期の苦闘の歴史とは

 昨年の第11戦オーストリアGPを前に、ヤマハはビニャーレスの出場停止を発表した。これは前戦スティリアGPのレース中、ビニャーレスがエンジンを故意に壊そうとする操作を行なったことを受けた制裁に近い判断で、周囲を驚かせた。

 ヤマハとビニャーレスの関係はそれ以前から芳しくなく、既にその2レース前には2022年の契約を失効させることで合意していたという。ただ、前述の行為が引き金となり、彼らは2021年中盤で早期に契約を打ち切ることになった。

 キャリア継続の大ピンチに立たされたビニャーレスだったが、アレイシ・エスパルガロの後押しもあり、アプリリアへの加入が決定。2021シーズン終盤戦からRS-GPへ乗り換えてレースを戦ってきた。

 そして2022年現在、ビニャーレスはどん底と言える状況から見事に舞い戻ってきた。先日行なわれたイギリスGPでは初のフロントロウを獲得し、レースでは終盤にドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤと優勝争いを展開。アプリリアでの自己ベストリザルトとなる2位を持ち帰った。

 並列4気筒エンジンのヤマハから、V型4気筒エンジンのアプリリアへの乗り換えにもかかわらず、ビニャーレスは着実に適応し、進歩を見せてきた。スズキ時代のチームメイトでもあるエスパルガロは、ビニャーレスに称賛の言葉を寄せている。

「マーベリックはすごく上手いことやっているよ。シルバーストンではスズキとヤマハで優勝するなど、前から素晴らしい結果を残していたのも事実だけど、(アプリリアで)クオリティの面で一歩前進し、安定したやり方で実現しているんだ」

 そしてチームCEOのマッシモ・リボラもビニャーレスの才能を認めるひとりであり、その能力が証明されたと語っている。

「マーベリックのようなライダーを獲得するのは、我々にとって夢のようなものだった」と、リボラCEOはmotorsport.comに語った。

「彼が加入した当時、多くの若手ライダーが(アプリリアのシートを)断っていたことを忘れてはならない。その時、我々が彼に示せたモノ、そしてアレイシのアドバイスが彼の決定に重要な役割を果たしたことは明らかだろう」

「彼の進歩はこれまでもずっと明らかなものだったが、彼はいつも、バイクに快適に乗れるようになったら、その瞬間に速く走れるだろうと話していたんだ」

「そして、その言葉はこの数日間で証明されている」

 なおビニャーレスは2023年シーズンにはかねてより希望していたスズキ時代に組んでいたホセ・マヌエル・カゾーを、クルーチーフとして新たに迎え入れる。 

「マーベリックは無名の時代を経て来ているが、当時は彼の話を聞いて、必要なモノを与えるために取り組んでくれる人を必要としていた。そして、敵対的な環境から(アプリリアへ)やってきたのだから、快適に感じられるというのは、必要不可欠な要素だろう」

 ビニャーレスのチームスタッフのあるメンバーは、そう語っている。

 そして、この人物はビニャーレスにはまだまだ改善の余地が残っているとも語った。

「私の考えでは、彼は今我々が彼のような才能ある人物に期待するレベルに達している。周囲の静かな今の環境は、彼がより力を発揮する助けにもなるだろう」

「移籍による変化は彼にとって大きなモノだ。スズキを離れヤマハへ加入したとき、彼はそこで多かれ少なかれ似たマシンに乗っていた。しかし今回は(マシンが)異なっている。ヤマハとアプリリアの間にある違いは、歴然としたモノなんだ」

 なおビニャーレスの最近の安定感には、彼が”お父さん”となったことも関係しているかもしれない。現在27歳のビニャーレスは、昨年5月に第一子の娘が誕生し、父親としてレースへ臨んでいる。

関連タグ

こんな記事も読まれています

自動車業界に相次ぐ不祥事……日産が約30億円不当減額!! 公取委が下請法違反で勧告
自動車業界に相次ぐ不祥事……日産が約30億円不当減額!! 公取委が下請法違反で勧告
ベストカーWeb
隣のレーンなら空きがあるのに周回できない! EVを充電したあと休憩できない! 「SA・PA」頼むから改善してくれませんポイント5つ
隣のレーンなら空きがあるのに周回できない! EVを充電したあと休憩できない! 「SA・PA」頼むから改善してくれませんポイント5つ
WEB CARTOP
5年ぶりF1中国GPが復活! FP1はストロール最速。角田裕毅12番手……スプリント開催もコース炎上の珍トラブルも発生
5年ぶりF1中国GPが復活! FP1はストロール最速。角田裕毅12番手……スプリント開催もコース炎上の珍トラブルも発生
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「ランクル250」正式発売! 15年ぶりに全面刷新! 従来プラドから何が変わった? 角目・丸目設定で520万円から
トヨタ新型「ランクル250」正式発売! 15年ぶりに全面刷新! 従来プラドから何が変わった? 角目・丸目設定で520万円から
くるまのニュース
バイク未来総研によるリセールプライスランキングで「カワサキ・ELIMINATOR」が初の首位を獲得!
バイク未来総研によるリセールプライスランキングで「カワサキ・ELIMINATOR」が初の首位を獲得!
バイクブロス
レクサス、新型GXの国内導入の概要を発表。100台限定のローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」の抽選注文受付を開始
レクサス、新型GXの国内導入の概要を発表。100台限定のローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」の抽選注文受付を開始
月刊自家用車WEB
ランス・ストロールがトップ。ピアストリ、フェルスタッペン続く。角田裕毅は12番手|F1中国FP1速報
ランス・ストロールがトップ。ピアストリ、フェルスタッペン続く。角田裕毅は12番手|F1中国FP1速報
motorsport.com 日本版
ヘッドライトが自動で点灯! 「オートライト機能」は、夕暮れ時の事故を防ぐ“切り札”になれるでしょうか?
ヘッドライトが自動で点灯! 「オートライト機能」は、夕暮れ時の事故を防ぐ“切り札”になれるでしょうか?
Merkmal
新型レクサスGX、1000万円超で発売開始!──GQ新着カー
新型レクサスGX、1000万円超で発売開始!──GQ新着カー
GQ JAPAN
レクサス「GX550」を2024年秋より通常販売。これに先立ち、6月上旬より「GX550 オーバートレイル+」を抽選で100台限定販売
レクサス「GX550」を2024年秋より通常販売。これに先立ち、6月上旬より「GX550 オーバートレイル+」を抽選で100台限定販売
Webモーターマガジン
レクサス、ランクル250と兄弟車のGXを発表。初回は100台を販売
レクサス、ランクル250と兄弟車のGXを発表。初回は100台を販売
driver@web
ホンダ新型「SUV」世界初公開! 未来感スゴい新型「P7」登場! 24年末以降に中国で発売へ
ホンダ新型「SUV」世界初公開! 未来感スゴい新型「P7」登場! 24年末以降に中国で発売へ
くるまのニュース
初心者向け安全運転スクール! スズキが「U30スズキセイフティスクール」の開催日程を発表
初心者向け安全運転スクール! スズキが「U30スズキセイフティスクール」の開催日程を発表
バイクのニュース
カローラクロス対抗馬完成!? 欧州で新型キャシュカイ堂々発進 日本導入はマジであるのか
カローラクロス対抗馬完成!? 欧州で新型キャシュカイ堂々発進 日本導入はマジであるのか
ベストカーWeb
アルファロメオ『ジュニア』がミラノ・デザインウィーク2024に登場
アルファロメオ『ジュニア』がミラノ・デザインウィーク2024に登場
レスポンス
整備事業者に新展開!! オートバックスカーズのフランチャイズ加盟店を募集! 事業拡大で期待できることとは?
整備事業者に新展開!! オートバックスカーズのフランチャイズ加盟店を募集! 事業拡大で期待できることとは?
ベストカーWeb
ボッタス、ザウバーの”ピット作業問題”の解決はまだまだ先と示唆「できればイモラまでに」
ボッタス、ザウバーの”ピット作業問題”の解決はまだまだ先と示唆「できればイモラまでに」
motorsport.com 日本版
マツダがスゴい「ロードスター」お披露目! マツダ3も同時公開!? 「走る歓び」進化させるS耐参戦体制発表へ
マツダがスゴい「ロードスター」お披露目! マツダ3も同時公開!? 「走る歓び」進化させるS耐参戦体制発表へ
くるまのニュース

みんなのコメント

7件
  • ヤマハでも たまーにいい順位取ってたからね
    1回や2回上手く行ったからってwww
  • 良いライダーだとは思うがチャンピオンになれるかと言えば無理だと思う。

    チャンピオンになるライダーは何か持っているものがあるけど、ピニャーレスにはそれを感じない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村