マイルドハイブリッドを推し進めるスズキが電動化に一歩リード
軽自動車を中心にしながら、登録車ではコンパクトカーを主力とするスズキとダイハツは、この先の電動化の時代をどう生き抜いていくのだろうか?
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結論は、一刻も早い電気自動車(EV)化を実現するしかない。
現状はどうかといえば、スズキは2012年に、スズキグリーンテクノロジーの第1弾として、ワゴンRにエネチャージと呼ぶ回生機構を採用し、これを機に、リチウムイオンバッテリーの搭載を始めた。
その量は、わずか5セルでしかなかったが、それでも原価低減に厳しい軽自動車に、リチウムイオンバッテリーを採用する英断といえた。これが、ISG(モーター機能付き発電機)を使った次のSエネチャージにつながり、登録車にも利用されるマイルドハイブリッドシステムとなっていく。
そのように、目立ちにくい取り組みであったかもしれないが、スズキはいち早く電動化へ駒を進め、電動化に不可欠なリチウムイオンバッテリーの有効活用法や、保守・管理などについて経験を積んできている。
これにより、スズキの軽自動車は燃費だけでなく、発進加速性能においてもガソリンターボエンジンに頼らなくても自然吸気エンジンで十分な動力性能を生み出せるようになり、さらに、アイドリングストップからの発進に際してセルモーターのキュルキュルッという騒音をなくし、乗り心地の上質さを高めていくことができたのである。
ダイハツは、リチウムイオンバッテリーが普及する前の鉛バッテリー時代から、EV開発に熱心な自動車メーカーであった。ところが、2001年から軽自動車1位の販売実績を狙うため不採算部署の整理を進め、EV開発部門は解体されてしまった。いよいよリチウムイオンバッテリーによる電動化が本格化する時代に、ダイハツは電動化の知見をほぼすべて失ってしまったのである。
2011年に、ガソリンエンジンながら究極の燃費を目指したミライースを発売したにもかかわらず、その後の電動化が一向に進まないため、環境技術の次の一手が打てなくなっている。
ダイハツは、多彩な商品性を備えた軽自動車を次々に発売しているが、電動化がない分、たとえば上質さという点でスズキの商品力にかなわない。電動化への研究と模索は再開されているが、失った十数年の遅れはいまだ取り戻せていない。
低価格商用EVの普及が軽自動車の電動化を加速させるのでは
スズキやダイハツに限らず、軽自動車に力を注ぐ自動車メーカーがいまもっとも目指すべきは、ハイブリッド化ではなくEV化である。生活を支える軽自動車にとって、ガソリンスタンドの減少により利用の負担が高まっている。給油のため、何km、十数km、数十kmも遠くまで行かなければならない地域が出ている。
一方EVなら、自宅で充電すれば毎日満充電で出かけられる。また、日常の暮らしを中心に利用される軽自動車であれば、通勤などでも一充電でほぼ往復できるだろう。勤め先に200Vのコンセントを設けてもらえれば、もはや何の心配もなくなる。しかも、エンジンオイル交換が不要であり、回生ブレーキがあるからブレーキパッドも長持ちするなど、EVになれば保守・管理費を低減できる。
課題は、なお割高といわれるリチウムイオンバッテリーの原価だ。しかしこれも、各メーカーが一斉にリチウムイオンバッテリーを採用しはじめれば、市場の3割前後を占める軽自動車の数の論理によって低減していくことができるのではないか。またEVであれば、必要な標準装備もガソリンエンジン車と異なり、ゼロから必要な装備を洗いなおせば、不要な装備分の原価は落せる。
私が提唱するのは、「100km100万円軽商用EV」の実現だ。原価にもっとも厳しい商用車で徹底した原価低減を行い、そこに付加価値を加えて乗用軽EVにつなげていく。
そこは競合メーカー間での競争ではなく、消費者のための挑戦だ。社会情勢を正しく見極める力があれば、協調と競争の棲み分けによる調和した軽自動車戦略を通じ、不可能ではないはずだ。それでなければ、軽自動車の未来は拓けないと思う。
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みんなのコメント
リーフと同じ値段のアルトやミライースのEVがあったとしても誰も買わんでしょ
EVがユーザーの為とか本気で思っているのか?
政治的な法規制と補助金で売れているだけで、欧州車メーカーも赤字を出して迄売りたくないのが本音。
トヨタは流石に余裕がある。
軽自動車にEV何か全く不要。