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全長3.8m“軽自動車プラスαサイズ”のヒョンデ「インスター」乗ってみての印象は?「走りもデザインも好印象」の実力派は日本と好相性!?

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全長3.8m“軽自動車プラスαサイズ”のヒョンデ「インスター」乗ってみての印象は?「走りもデザインも好印象」の実力派は日本と好相性!?

ヒョンデ新型「インスター」は“軽自動車プラスα”のサイズ感

 韓国からやって来たコンパクトなBEV(電気自動車)のヒョンデ「インスター」は、ここ日本でもかなり魅力的なモデルなのではないでしょうか。その理由を、5つの視点からお伝えしたいと思います。

【画像】「えっ!…」サイズを超えた満足感! これがヒョンデの新しいコンパクトBEV「インスター」です(30枚以上)

 まずはボディサイズ。全長3830mm、全幅1610mm、全高1615mmというスリーサイズはコンパクトカーでも小さな部類で、“軽自動車プラスα”といった印象。その分、狭い道でも気をつかうことなく走ることができ、駐車場にも停めやすいなど、タウンカーとしての能力が高いといえます。

 今、日本で最も売れているBEVは軽自動車の日産「サクラ」であることからも想像できるように、日本におけるBEVは、扱いやすくて低価格、そしてコンパクトなモデルから普及が進んでいきそうな気配。

 その理由は、自宅で充電することを前提に、公共の急速充電器に頼ることなく日々走行できるというのが、日本におけるBEVライフの最適解だからです。

 そういった意味で、コンパクトカークラスとしても小さい「インスター」は、日本のマーケットにピッタリのBEVといえるでしょう。

 ただし、シティコミューターとしての利用を前提とするコンパクトなBEVは、価格を下げるべくバッテリー搭載量を減らしたモデルが一般的。バッテリーは高価なので、搭載量が価格へダイレクトに反映されるからです。

 確かにそうした手法は理にかなってはいるものの、「サクラ」の1充電当たりの航続距離180km(WLTCモード計測)という数値を見ると、「どこか心もとない」と感じる人も多いのではないでしょうか?

 その点「インスター」の上級グレードは、1充電当たり458kmという航続距離を実現。この航続距離の長さも、「インスター」の魅力のひとつといえます。

 街乗り専用のセカンドカー向きといった印象が強い「サクラ」に対し、「インスター」はコンパクトながらロングドライブもこなせるので、1台しか所有できない人にとっても所有に対するハードルが低いのです。

 そこで気になるのが「インスター」の価格。1充電当たりの航続距離が長くても、価格が高ければ商品性は低くなってしまいます。

 ということで、「インスター」のプライスタグを見てみると、消費税込で284万9000円~357万5000円とのこと。航続距離が長く、カーナビまで標準装備であることを考えれば、十分ハイコスパのBEVだと評価できそうです。

●前席のベンチレーションなどひとクラス上の装備レベル

 そんな「インスター」の実車に触れてみると、価格重視の装備を割り切ったモデルでないことに気づきます。

 驚くのはなんといっても装備の充実ぶりで、10.25インチのカラー液晶メータークラスターや全方位モニターを組み合わせたカーナビ、電動パーキングブレーキ、そして1360Wまで使えるAC100Vコンセントを全グレードに標準とするなど、基本装備が充実しています。

 また、コンパクトカークラスでは珍しい、ステアリングの前後調整機能=テレスコピックステアリングが全グレードに組み込まれている点も魅力的ですね。

 さらに、中間グレードである「ボヤージュ(Voyage)」以上には運転席と助手席のシートヒーターが標準装備となるほか、最上級グレードの「ラウンジ(Lounge)」に至っては、電動スライド式サンルーフや運転席&助手席のベンチレーションシートも装備。このクラスでベンチレーションシートを備えているモデルというのは、ちょっと聞いたことがありません。

日本のユーザーの志向を反映したローカライズを実施

 そんな「インスター」を試乗してみて、確かにサイズこそコンパクトではあるものの、大きなクルマと同じように快適に移動できることに驚きました。

 リアシートは足元が広いだけでなくフロアがフラットなので、大人でも狭さを感じません。ロングドライブも楽に移動できます。

 加えて、「ボヤージュ」グレード以上では、リアシートの背もたれを左右独立して倒せるだけでなく、左右席ごとにスライドやリクライニング機構が備わっています。

 シートアレンジの多彩なバリエーションを見ていると「日本の軽自動車をよく研究しているな」と実感します。また、リアシート自体の快適性を高める工夫だけでなく、サイズ的に制約のあるラゲッジスペースを効率よく活用するための工夫も盛り込まれています。

 そんな「インスター」で筆者(工藤貴宏)が最も驚いたのは、走りのレベルが高いこと、でした。

 運転しやすいだけでなく、乗り心地も良好。企画担当者に話を聞くと、サスペンションは独自のショックアブソーバーを組み合わせるなど、日本向けに再セッティングしていて、高速域での安定性を重視した本国&欧州仕様よりも乗り心地を追求した味つけになっているのだそうです。

 だからといって、高速道路での挙動が不安定、といったことは全くありません。背の高いコンパクトカーながら安定感が高く、ひとクラス上のモデルのような乗り味なのです。

 これは、車体が強固なのに加えて、重いバッテリーをフロア下へ積むことで実現した重心の低さも効いているのでしょう。おかげで、ロングドライブでも疲れ知らず。

 その上、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストといった先進のドライビングサポート機能も高精度で、長距離移動も楽にこなせるだけの実力を備えていることに感動しました。

●上級モデルに先駆けて進化型ブレーキを搭載

 そんな「インスター」で驚かされたことがもうひとつ。ヒョンデのBEVには、前を走るクルマとの距離に応じて回生ブレーキの効きを自動制御し、車間距離を一定に保つ機能が備わっているのですが、その機能が「インスター」ではより一層進化していたのです。

 赤信号などで前方を走るクルマが止まると、「インスター」もそれに応じて減速(急ブレーキ時を除いて)、完全停止までおこなってくれます。ドライバーはブレーキを踏んでいないのに!

 さらに、その状態でドライバーがブレーキペダルを踏まなくても、そのままオートブレーキホールドが効き、停止状態をキープする制御も導入されています。

 この機能がなんとも便利な上に、制御自体も綿密でスムーズ。下手なドライバーが減速操作するよりも上手に、ギクシャクせず止まってくれるのです。

 こうした機能が、上級モデルに先駆けてエントリーモデルにさり気なく組み込まれている辺りに、ヒョンデの「インスター」にかける意気込みを感じさせます。

* * *

 というわけで、ヒョンデ「インスター」はコンパクトで運転しやすいサイズながら長距離移動が楽。価格面もハイコスパでカジュアルなデザインもいい雰囲気といった具合に、とてもポテンシャルの高いモデルなのでした。

 なお、2025年内をめどに、クロスオーバーSUV仕立ての「インスタークロス」も追加予定とのこと。筆者はこちらの登場も楽しみです。

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みんなのコメント

26件
  • moc********
    正直EVなら日本車より海外製一択だと思うよ。

    ヒョンデは頑張ってると思う!
    そのうち日本でも増えるんじゃないかな?
  • *******
    日産とホンダより上のヒョンデ
    日本は弱くなりすぎたね
    批判ばかりしてるからだろうけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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