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クルマ作りに対する思いは“超”真剣──新型GRヤリスRZ "High performance"試乗記

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クルマ作りに対する思いは“超”真剣──新型GRヤリスRZ "High performance"試乗記

進化した「GRヤリスRZ "High performance"」の6MT仕様を、『GQ JAPAN』ライフスタイル・エディターのイナガキがテストドライブ。今や希少なホットハッチの魅力を考える。

新型GRヤリスRZ "High performance"の特徴

新車価格、400万円台はスゴい!──新型GRヤリスRZ "High performance"試乗記

1.概要2.“壊してくれてありがとう”3.GR-DATの改良4.エアロパフォーマンスパッケージの設定1.概要

進化したGRヤリスに6月下旬、東京都内で乗った。

GRヤリスは直列3気筒ガソリンターボエンジンを搭載するホットハッチだ。しかも、マニュアルトランスミッションも用意。世界的にもライバルがほとんど見当たらない希少な1台だ。

GRヤリスを見ると、日本の自動車産業はスゴいなぁと思う。効率ばかりを求める昨今、クルマ好きのためのクルマをきちんと用意するトヨタの考え方には感服だ。

しかも、絶えず改良(GRでは“進化型”という)を繰り返しているのも流石。オモシロいクルマ作りを真剣に取り組んでいる姿勢は、ユーザーにも伝わっているはずである。

2.“壊してくれてありがとう”

今回登場した進化型GRヤリスは、「スーパー耐久シリーズ」や「全日本ラリー選手権」といったモータースポーツからの知見を開発に反映し、運動性能向上に寄与する改良を施したのが特徴だ。

プレスリリースには以下の通り記されていた。

「レースやラリーといった極限の環境だからこそ発生するトラブルは、GRヤリスを『もっといいクルマ』へ進化させるチャンスとなるからです。車両を限界まで追い込んでくれたドライバーへ『壊してくれてありがとう』を合言葉に、不具合発生時の走行データや操舵フィーリング、壊れた部品にどんな傷や異物がついているか、そしてその原因まで徹底的に追及し、改善を重ね、GRヤリスを鍛えてきました」

“壊してくれてありがとう”は、斬新だ。今まで耳にした覚えがないフレーズである。壊れたことで得られた知見までも活かすというのだから、クルマ作りに対する思いは“超”がつく真剣そのもの。これほどマジメなクルマは見たことがない。ユーザーを考えに考え抜いた結果だろう。

かつて、サターン(GMの1ブランド)の日本上陸時に話題となったキャッチフレーズ「礼をつくす会社、礼をつくすクルマ」を、ふと思い出した。GRヤリス、そしてトヨタは徹底的に礼をつくしているのだ。

3.GR-DATの改良

今回の試乗車は6MT仕様だったが、GAZOO Racing Direct Automatic Transmission(以下、GR-DAT)も選べる。

今回の改良で、トランスミッションはGR-DATのみ手が加えられた。具体的には、まずスポーツ走行時のドライバー操作に対する応答性を改良したという。

Dレンジ走行中のパドル操作でダウンシフト可能な車速領域を拡張(2速→1速)、パドル操作から変速開始までの時間を短縮。さらにマニュアルモードではスポーツモード選択時、レッドゾーン付近でのダイレクト感を向上させた。

アクセル全開加速におけるシフトアップタイミングも最適化。エンジン回転数の上昇が遅くなる登坂勾配では、シフトアップタイミングを少し遅らせることでシフトアップ後も高出力を維持する。さらにフットレストの面積を拡大し、踏み込み時の操作性を向上させた。

以前、GR-DAT仕様に乗ったとき、「完成度の高い2ペダルモデルだなぁ」と、感心した。6MTと変わらない、スポーティな走りを提供してくれた。そのときから、さらに進化を遂げたというのだから期待大! 都合、今回は試乗が叶わなったけど近いうちにテストしたい。

4.エアロパフォーマンスパッケージの設定

もうひとつ、改良の目玉がある。メーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」の設定だ。

RZ“High performance”、RCにメーカーパッケージオプションとして、2025年秋以降の設定を予定するエアロパフォーマンスパッケージは、空力性能を高める計6アイテムがセット。すべてを同時装着し、効果を最大化すると謳う。

ダクト付きアルミフードやフロントリップスポイラー、フェンダーダクトなどを含む。いずれもプロドライバーとともに理想を追い求め、開発したという。

たとえばダクト付きアルミフードは、全日本ラリー選手権参戦車において先行開発。GRMNヤリスに採用したカーボン製フードと同形状だ。高速走行中、エンジンルーム内の熱をダクトから放出し、冷却効果を高める。

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文:GQ JAPAN 稲垣邦康(GQ)
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