■インスターと相性のいいユーザーとは?
トヨタグループ、そしてフォルクスワーゲングループに続く世界第3位の生産機数を誇る自動車メーカーが韓国の「ヒョンデモーターグループ(現代自動車)」。
日本市場では、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)など“エンジンを積まないクルマ”だけを導入しています。
そんなヒョンデの日本向け最新モデルが「インスター」です。
全長3830mm×全幅1610mmとコンパクトサイズ(軽自動車+α程度でスズキ「ソリオ」と同程度)のEVで、今年(2025年)の東京オートサロンで実車が初公開されたのち同年4月10日に発売されました。
【画像】超カッコいい! これが“ちょうどいい”新型「コンパクトSUV」です! 画像を見る(30枚以上)
そんなインスターは、日本のどんなユーザーとマッチングがいいでしょうか。
それはズバリ「小さくてリーズナブルだけど、ファーストカーとしてEVを使いたい」というユーザーです。
今、日本でもっとも売れているEVは日産「サクラ」で、軽自動車の運転しやすい小さなボディかつリーズナブルなプライスが魅力。
それはセカンドカーとしてEVを使うユーザーとの親和性が高く、近い範囲内を移動するためのシティコミューターとしての使い方はEVとしてはもっとも効率的で理にかなったものと言えるでしょう。
インスターのライバルは、実質的にサクラになりますが、サクラは軽自動車でインスターは小型車という違いはあるものの、「小さいEV」というのが共通項です。
ところでサクラには、ファーストカーとして使おうと思うとネックとなることがあります。
それは航続距離。WLTCモード計測で最大180kmというサクラの航続距離は近距離移動用のクルマと考えれば十分ですが、ロングドライブに出かけようと思うと心もとないもの。
でも、458km(49kWhバッテリーを積む「Voyage」や「Lounge」グレード)とサクラの2倍以上あるインスターならロングドライブの不安も軽減され、日常からツーリングまで1台でこなせるというわけです。
インスターの価格(消費税込、以下同)は284万9000円から357万5000円。
日産サクラの259万9300円から308万2200円に比べると高いですが、EVとして考えると破格のプライスで、インスターは全車ともナビが標準装備であることや上級グレードは装備が充実することを考えれば実質的に車両価格は同等ともいえそうです。
そして、先ほども述べたように“サクラの2倍以上”走れる航続距離を考えるとコストパフォーマンスはかなり良好といえるのではないでしょうか。
サクラは気軽だけどファーストカーとして使うのは厳しい(とはいえ値段が安いので街乗り専用として割り切って買うなら最適な選択肢)。
だけど少しだけ予算を足してインスターにすればファーストカーとしての所有も大丈夫。
それがコンパクトなEVとして考えた際の両者の違いだし、インスターの最大のベネフィットだと筆者(工藤貴宏)は確信しました。
■予想を裏切る! クラス超えの快適性と高速走行性能
そんなインスターに試乗して驚いたのは、高速走行時のポテンシャルの高さです。
正直なところ“軽自動車+α”のサイズだから高速走行性能はオマケ程度とおもって試乗に臨んだのですが、軽く予想を裏切られました。
試乗車は最上級グレードの「Lounge」。最高出力115ps・最大トルク147Nmというスペックは正直なところ目を見張るというものではないものの、このクラスのガソリン車に比べるとはるかにトルクフル。
モーター駆動なのでその最大トルクが極低回転域から発生されるので、加速の立ち上がりが鋭いからストレスがないのが好印象です。
そのうえで、小さくて背の高い車体からは想像できないほど高速安定性が高いことに驚きました。
重いバッテリーを車体下へ積んだことによる低重心化に加え、車体構造そのものがしっかりしていることが効いているのでしょう。
サスペンションは「日本仕様専用のショックアブソーバーを仕立てた」という、本国(韓国)仕様とも欧州向けとも異なる、日本専用スペック(日本専用に足のセッティングを施すことがまず驚き)。
その味付けは「高速走行の安定性よりも日常の乗り心地を重視する人が多い日本人の感覚に合わせたソフト気味の仕立て」とのことですが、高速走行時でもフラつきや不安感はなく、むしろこのサイズとは思えないしっかりとした安定感に驚いたというわけです。
加えて全車に装備する車線維持支援機能(車線をトレースするようにハンドル操舵を支援する機能)や「Voyage」と「Lounge」に装備するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などの精度は高く、高速走行の疲れを軽減してくれます。
また「スマート回生ブレーキ」として前を走るクルマとの距離に応じて一定の車間距離をとるように回生ブレーキの効きを自動的に調整。
さらに前走車が赤信号などで止まる際は急ブレーキではない限り(減速度0.2Gまで対応)ドライバーがブレーキ操作しなくても自動で減速し、そのままドライバーがブレーキペダルを踏むことなくブレーキホールド状態になる機能も搭載。
トヨタ車が搭載するPDA【プロアクティブドライビングアシスト】における「先行車に対する減速支援」の進化版と考えればいいでしょうか、これはヒョンデとしても初採用とのことですが、動きもスムーズ(唐突な動きがない)でとっても便利でした。
ドライバーの操作なしに停止保持までおこなうので運転が楽になり、お世辞抜きにこの機能欲しさにインスターを買いたくなるほどです。
また、クラスを超えた快適性の高さもインスターの自慢でしょう。
たとえばフロントシートはAセグメントのコンパクトカーでは珍しくテレスコピックステアリング(ハンドルの前後調整)も組み込んでいるし、「Voyage」以上は運転席と助手席のシートヒーターとステアリングヒーターを組み込み、最上級グレード「Lounge」になるとシートベンチレーションまで標準装備。
このクラスでシートベンチレーションを備えるなんて、前代未聞です。さらにサンルーフも装着され、価格以上の充実度ですね。
後席に座れば、全長わずか3.8mの車体とは思えないほど足元がゆったりしていて、しかも床がフラット。
左右独立のリクライニング調整、前後シートスライド、そして収納機能も備えています。
加えて昨今のカーライフに必須と言える電源供給は、全車が前席用にUSBタイプAとタイプC各ひとつに加え、「Voyage」と「Lounge」はセンターコンソール後方へ後席用のタイプCも追加。
そして1360Wまで使えるAC100Vコンセント(センターコンソール後部)を全車に標準装備するのも、このクラスとしては極めて異例。充実度に驚きます。
運転しやすい小さな車体でリーズナブルな価格としつつ、ロングドライブでも不安がなく、そのうえ装備だって充実。
もし小さいEVを狙っているのなら、実車を見たり試乗してみる価値は絶対にありますよ。
ちなみに、ヒョンデによるとインスターのクロスオーバーSUVタイプとなると「インスタークロス」が控えていて、年内の導入を見込んでいるとのこと。
筆者としては、インスターのユーモラスなデザインにギア感をトッピングしたそちらが非常に楽しみでなりません。
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BYDの方がまだマシだ。