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タイのバンコクで中国製BEVタクシーが急増中……も乗り心地は従来の「カローラアルティス」に軍配!!

掲載 22
タイのバンコクで中国製BEVタクシーが急増中……も乗り心地は従来の「カローラアルティス」に軍配!!

 この記事をまとめると

■バンコクのタクシーが徐々に中国系BEVへと置き換わっている

この時代にまだ「パクリカー」を堂々展示……ってある意味スゴイ! バンコクのモーターショーで見つけたもはや笑えるクルマたち

■中国系BEVタクシーの乗り心地は明らかにトヨタ・カローラアルティスよりも劣っている

■タイで中国系BEVタクシーの普及がどこまで進むのかが楽しみだ

 バンコクで増えてきた中国系BEVタクシー

 取材のためにタイの首都バンコク近郊にある、スワンナプーム国際空港に午前3時ごろ到着した。仮眠するために空港近くの格安ホテルを予約してあったので、タクシーで移動することにした。空港からの近距離移動では、日本において嫌な経験(運転士から嫌味をいわれた)をしていたので気が進まなかったのだが、一刻も早くホテルへ向かいたかったのでタクシー乗り場へ行くと、「近距離専用」というコーナーがあった。近づくと声をかけられたので宿泊先を伝えると、女性ドライバーのあとをついて行くように指示され、料金メーターを入れずに均一料金と思われる200バーツ(約800円)を要求された。メーター料金よりは高いのだが許容範囲なので了承してタクシーに乗り込んだ。

 車窓からタクシー乗り場で待機している車両を見ると、2023年12月に訪れたときに比べて明らかにBEV(バッテリー電気自動車)タクシーが増えていた。以前はバンコク市内でBEVタクシーといえば、中国BYD(比亜迪)の古い世代の「e6」というBEVタクシーがメインであった。また2023年12月にバンコクを訪れたときには、上海汽車系のMGブランドからフリート販売向けとしてラインアップされている、モデルとしては古い「EP」というステーションワゴンタイプのBEVも増えていた。

 ちなみにタイでのタクシーは、登録した運転士(タイ国民のみ)がタクシー会社などから車両を借りて営業運行するスタイルとなっている。

 タクシープールでの風景に話を戻すと、地域によっては次世代e6としてラインアップしているモデルや、2023年12月に開催された「バンコクモーターエキスポ」で広州汽車系の「AION」が展示していたフリート販売向けBEVセダンとなる「ES」のタクシーも走っていた。

 今後、タクシー車両を入れ換える際にはBEVしか行政当局が認めないといった情報も聞いていたので、いよいよ入れ替えが始まったのかなどと思っていた。

 バンコクにおけるBEVタクシーの普及動向に注目したい

 とはいっても、まだまだ街なかを走るタクシーは、トヨタ・カローラアルティスが圧倒的に多い。タイのタクシーのカローラアルティスは天然ガス使用であり、トランクにガスタンクを備えているので、大きめなスーツケースを1個入れると何も積めなくなっていた。そのため、本来なら4人まで乗車できるトヨタ・カローラアルティスであるが、外国人旅行者が空港からの移動で荷物を積むことを考えると2名が限界。

 その点、前述したBYD e6はMPV(多目的車)であるし、MG EPはステーションワゴン、AION ESはセダンながらトランクにガスタンクがないので、積載性能でもトヨタ・カローラアルティスよりも優れることになる。

 BEVのタクシーは、ICE(内燃機関)の同クラスのタクシー車両よりも運転士がタクシー会社から車両を借りる際の料金は若干高めのようだが、燃料費など諸経費は運転士負担となるので、燃料費としては天然ガスよりも電気代のほうが安く抑えることができる。経費負担面のメリットはいまのところそれほどでもないようだが、政府もタクシー車両の電動化には積極的な姿勢を見せているようなので、今後の普及次第ではメリットが大きくなっていくかもしれない。

「それにしても、AION ESのタクシーは2024年に入ってから急速に多くなってきました。とはいえマッチングアプリでタクシーを呼んでAIONがくることはまだ少ないので、AIONがくるとワクワクして乗ってしまいます」とは現地事情通。

 筆者もライドシェアアプリでタクシーをマッチングしたとき、AION ESがマッチングされたことがある。さっそく車内に乗り込むと、車内はカローラアルティスよりやや大きく感じた。ドアパネルやシートなどは「最近の中国車おそるべし」といった感じで不満はない。フリート専用であるらしく、計器盤はスピードメーターなどがアナログ式となっており、フリート専用車としての割り切っていると感じた。

 ただ、残念だったのが、市街地なのでそれほど速度が高くはなくても、走行中は何か「ザラザラ」とした印象が伝わり、乗り心地がいまひとつであったことだ。かつて、インドネシアでBYDシールに乗車する機会があったのだが、そのときも同じような「ザラザラ」としたものを感じたのを思い出した。翌日はカローラアルティスのタクシーに乗ったが、ザラザラとしたイメージはなく、AION ESよりは明らかに乗り心地がよかった。

 調べてみるとAION ESのサスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがトーションビームなのに対し、カローラアルティスはフロントがマクファーソンストラットでリヤがダブルウイッシュボーンであった。サスペンション形式の違いもあるのだろうが、まだまだ中国メーカーは足まわりの煮詰めが甘いのかもしれない(とくにセダン系は苦手なのかもしれない)。この辺りを中国メーカーがどのようにブラッシュアップしてくるのかも気になるところであった。

 次にバンコクへ出かけるのは、2024年12月を予定している。まだ少し先のことではあるが、中国系BEVタクシーの普及がどこまで進んでいるのか、日本と異なりスピード感をもって社会が進化している国だけに見える風景がどうなっているのか、非常に楽しみである。

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みんなのコメント

22件
  • おやおや
    中国は国内で余ったev車を捌くのに格安販売してるのかな。
    初めは良いけど、雨季や
    2年以降どうなっているのやら。

  • ********
    あと数年もすればタイにもEV墓場が出てくるでしょう
    そこで嘘つきEV信者は「日本のEVだらけ」と嘘吐きますけどね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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