未来の大型トラックの姿を提案
10月29日より東京ビックサイトで開催されている「ジャパンモビリティーショー2025(JMS2025)」において、三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下、三菱ふそう)は、大型トラックのコンセプトモデル「H2IC」と「H2FC」を世界初公開で展示しました。
【フロントのロゴ…スゴ!】これが、本気でデザインされた次世代トラックの外装です(写真)
2台のトラックは同社のフラグシップ大型トラックである「スーパーグレート 2024年型」をベースにしており、全体に深みのあるグリーン系で塗装され、荷台のコンテナ部分はサイバー空間を連想させるような美しいグラディエーション入りのグラフィックが入っています。
担当者によると、これらトラックの塗装については、車内のデザイナーの強い要望で塗装の4層塗りを行なっており、通常の商業車ではあり得ないような手間暇をかけた結果、高級車のような深みのある色合いを実現したそうです。フロントのFUSOの文字はインフィニティーミラー加工され非常にスタイリッシュになっており、その外観はまるでSF映画の中のステージ車のようで、「未来のトラック」という言葉がふさわしいオーラを放っていました。
「H2IC」と「H2FC」は、自動車の次世代燃料のひとつとして期待される水素を動力源とするトラックです。しかし、ただの技術的なデモンストレーターではなく、次世代車両としての先進的なデザインと技術アピールを兼ねたコンセプトモデルとしても開発されています。
自動車用水素にもいろいろあるらしい
この2台のトラックは、どちらも水素を利用しますが、燃料の形態と車体構造が大きく異なっています。これこそ同メーカーが2種類のコンセプトモデルを用意した理由です。
「H2IC」は水素を燃焼させる水素エンジン車で、「H2FC」は新しい液体水素による燃料電池トラックです。
「H2IC」は圧縮水素ガスを利用した水素エンジンで、通常のディーゼルトラックと共通コンポーネントや技術を流用。これによって導入のしやすさだけでなく、通常のディーゼルエンジンと同じような高い出力運転も可能となっています。
ただし、燃料が気体水素のため貯蔵タンクの数が増え、航続距離約700km(社内基準値)を実現するには8本の水素タンクが必要です。燃料タンクをシャシー部分に収めるだけでは足りず、運転席と荷台の間にタンク用ラックを追加設置しており、結果的に荷台スペースは通常より小さくなっています。
また、貯蔵タンクが多いため、満タンで圧縮水素を補充するには25分もの時間がかかり、さらにその供給元となる水素ステーションも、現在でも約150カ所が全国で稼働中ですが、水素トラックを自由にどこでも運行するには十分な数とはいえません。
国内初の液体水素を採用
もう1台の「H2FC」は、圧縮水素の課題を解消するために、新たなサブクール液体水素(sLH₂)を燃料として採用した、国内初の燃料電池大型トラックです。液体化によって水素の体積を大幅に減らし、タンク本数はわずか2本に削減。充填時間も15分に短縮されています。
燃料のエネルギー密度が向上したことで、航続距離は「H2IC」を上回る約1200kmを実現。もしこの技術が実用化されれば、長距離輸送でも無補給で走行できる可能性があります。
さらに「H2FC」では、安全性を高めるためにAI認識機能付きカメラ・モニタリングシステムを搭載。すべてのミラーを廃止し、カメラ映像で視界を確保しています。カメラはニコン社と共同開発したもので、サイドカメラには距離感を把握しやすい3Dモニターを採用。後方および鳥瞰視界は複数カメラの映像を合成(ステッチング)して表示し、死角を最小限に抑えています。
塗装のアクセントカラーにはニコンのコーポレートカラーであるイエローが採用され、「H2IC」の赤と対をなすカラーリングとなっています。(「H2IC」は内燃機関をイメージする赤)。
水素は次世代モビリティーの柱となるのか?
現在、トラックメーカー各社は「カーボンニュートラル」の実現に向け、化石燃料エンジンに代わる新たなソリューションを模索しています。
小型車ではBEV(バッテリー電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)が普及していますが、貨物を運ぶ大型トラックでは重量・航続距離・充電時間の制約からEV化が難しく、他方式の開発が進められています。
水素が次世代トラックの本命となるかは未知数ですが、サブクール液体水素(sLH₂)は従来の圧縮水素の欠点を補い、実用性向上が期待されています。このsLH₂充填技術は、三菱ふそうの親会社であるダイムラートラック社とドイツのリンデ・エンジニアリング社が共同開発したもので、次世代商用車の有力ソリューションとして注目を集めています。
また、三菱ふそうはこの技術について、国内最大の水素供給企業である岩谷産業と共同研究を行っており、会場では新しい水素ステーションの開発展示も行われていました。
環境技術というと地味に思われがちですが、トラックそのものを主役として見せることで来場者の注目を集める今回の展示は、非常に興味深いアプローチと言えるでしょう。
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みんなのコメント
実車のカラーリングはこのままのわけないし、サイドスカートもホイールカバーもこんなんつけたまま走らせるわけない。