■「走る楽しさ」を追求するホンダのスピリット
ホンダには「やりたいことをやれ」という言葉があります。
これは誰よりも自分たちが乗りたくなるような、今まで世の中に存在していなかった革新的なクルマを作るという、ホンダに受け継がれるクルマづくりのスピリットです。
【画像】すげぇカッコイイ! これが「復活のZ」です! 画像を見る!
このスピリットを具現化した代表的な3モデルが、「BEAT(ビート)」「Z」「S660」という軽自動車のミッドシップカーです。
エンジンをドライバーの後ろに搭載する「ミッドシップレイアウト」を採用したこれらのモデルは、走る楽しさに満ちた画期的なクルマたちです。
現在、ホンダは公式YouTubeチャンネル「SPORTS DRIVE WEB」で【Hondaらしさ全開!革新の「軽」ミッドシップ】を公開しています。
この動画では、ホンダのクルマづくりの根幹にある「やりたいことをやれ」というスピリットを基に生み出された、個性あふれる3台の軽ミッドシップの革新技術やデザインなどを詳しく解説しています。
●1991年「BEAT」:軽自動車初の2シーターミッドシップオープン
「もっと自由で親しみやすくて乗って心から楽しめるクルマがあってもいい」。1991年、そんな開発者の思いから「ビート」という全く新しいクルマが誕生しました。
ビートは軽自動車初の2シーターミッドシップオープンとして登場し、多くの人が抱いていたであろう「スポーツカーとして理想的なレイアウトのクルマに乗る」という夢をぐっと身近にしました。
搭載されるエンジンは、F1エンジンのように1気筒に1つのスロットルがある直列3気筒12バルブの自然吸気エンジン。
「MTREC」と呼ばれるエンジンコントロールシステムを採用し、シャープなレスポンスで8,500回転まで回る、ホンダ得意の高回転型エンジンとなっています。トランスミッションは5速マニュアルのみを設定しました。
ボディは量産車世界初のミッドシップフルオープンモノコックボディを採用。キビキビとした走りを引き出す軽量高剛性と優れた安全性能を追求しています。
そして、ミッドシップレイアウトの良さを引き出すために、スペアタイヤをフロントに装備するなどの工夫をこなし、フロント43対リア57の前後重量配分を実現しました。
さらに前後で異なるサイズのタイヤを採用することで、直進安定性と旋回性能を向上させています。
エクステリアはミッドシップの特徴である大型エアインテークを採用。フロントフードの開閉ラインをホイールアーチ上端とし、低くワイド感溢れるフロントノーズデザインを実現しました。
インテリアで印象的なのは、モーターサイクルを思わせる独立3眼メーター。シートはバケットタイプで、サバンナを爽やかに駆け抜けるシマウマをモチーフにしたモノトーンのパターンデザインで個性を主張しています。
背中にエンジンを背負い、コンパクトなボディで車と一体となってフルオープンで走りを楽しめるビート。登場から30年以上が経過した今もなお、多くのファンを魅了し続けています。
●1998年「Z」:軽自動車の常識を覆した革新のミッドシップ4WD
「もっと気軽に自由に楽しみたい」「もっといろいろなところに行きたい」。
そんな気持ちを具現化すべく、サイズが限られた軽自動車カテゴリーの常識を覆し、1998年、アンダーフロアミッドシップのプラットフォームにより小型車並みの居住空間を持つ4WD専用モデルとして「ホンダZ」は誕生しました。
フロアの上をすべて室内空間と荷室スペースとした「スーパーロングキャビン」。アクセントとなるラインとエアインテークを一体化した印象的なサイドビュー。
ハップネスと安全性を強調する大型バンパー。15インチの大径タイヤを四隅に配置し、走破性、機能性の高さと安心感を全身でアピールする個性的で斬新なフォルムとなっています。
インテリアは大人4人が快適にくつろげる広々としたフラットフロアと多彩なシートアレンジにより、多様なライフスタイルに対応。
フロントにはミッドシップレイアウトを活かした新発想のフロントユーティリティボックスを備えています。
エンジンは、コンプレッションの小さいセラミックボールベアリングをタービンの軸受け部に採用することで、ターボラグを感じさせないハイレスポンスを実現した直列3気筒12バルブのターボエンジンと、全域高トルクの自然吸気エンジンの2種類を用意しました。
そのエンジンを床下に配置し、50対50の理想的な前後重量配分を実現。
重心位置がドライバーのヒップポイント付近にあるため、軽快な走りと良好な乗り心地を両立しています。
トランスミッションは全タイプ4速ATを採用。通常は後輪駆動で、路面状況に応じて前輪を駆動するリアルタイム4WDも全タイプに搭載されました。
走る楽しさと遊ぶ楽しさを両立させた独創的なスモールカーです。
●2015年「S660」:本格スポーツの佇まいを実現した軽ミッドシップ
ホンダの研究所設立50周年を記念して開催された社内商品企画コンペを機に、「楽しいクルマを作りたい」という開発者が集まり、自分たちがとことん楽しみながら作り上げたクルマ。それが2015年に登場した「S660」です。
フロントノーズからリアまでワンモーションで描かれたようなスタイリッシュなフォルム。
ボディの四隅でタイヤがしっかりと踏ん張り、今にも走り出そうな勢いに満ちたエクステリアが特徴です。
左右のエアインレットはロールバーに溶け込むような造形とし、エンジンフードに印象的な2つのバルジを設け、独創的なデザインとしています。
クルマとドライバーの動きを一体化させる設計を徹底し、ホールド性やフィット感を高めた専用スポーツシート。
デジタル式スピードメーターを中央に置き、周囲にアナログ式のタコメーターを配置した1眼メーターは、レブリミットに近づくとスピードメーター外周がフラッシュするレブインジケーターを採用しています。身近な軽自動車でも本格スポーツの佇まいを実現したインテリアです。
エンジンは新設計のターボチャージャーによりアクセルレスポンスを向上させた水冷直列3気筒12バルブDOHCターボ。
ブローオフバルブのサウンドなども細かくチューニングし、マイクロスポーツのために官能性とスポーツ性能を磨き上げています。
気持ちいい操作感覚を追求した軽自動車初の6速マニュアルトランスミッション。そして、スポーツモードへ切り替え可能な7速パドルシフト付きCVTを設定しました。
ミッドシップレイアウトのメリットを引き出す前後異径の専用タイヤを採用し、レーシングカートのような感覚のクイックなハンドリングレスポンスを実現しています。
※ ※ ※
ビート、Z、そしてS660。軽自動車というカテゴリーでこだわりのテクノロジーを載せた革新のミッドシップモデルたち。
街中の交差点を1つ曲がるだけで楽しさを感じさせてくれるこれらのクルマには、ホンダのDNAが色濃く反映されています。
ホンダは自由な発想と革新の技術で、これからの電動車時代も「走る喜び」を求め続けています。
「やりたいことをやれ」というスピリットは、これからも受け継がれていくことでしょう。(くるまのニュース編集部)
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みんなのコメント
Zは縦置きエンジンでアクティ系の基本型は横置き、4WD 4ATモデルだけが縦置き。
つまりアクティ、バモスの4WD 4ATはアクティの皮を被ったZと言える。