わずか505台しか作られなかったグランツーリスモ
2026年8月に開催されるブロードウェイオークション主祭の「ザ・クレイルオークション2026」にて、1971年製のフェラーリ 「365GTC/4」が出品される予定です。
【画像】超カッコいい! ピニンファリーナ自らが乗った55年前のフェラーリを見る(26枚)
この車両は単なる希少なヴィンテージ・フェラーリというにとどまらず、自動車デザイン史における伝説的カリスマであり、数々の名車を世に送り出した名門カロッツェリアの総帥、セルジョ・ピニンファリーナ氏本人がかつて所有していたという特別なパーソナルヒストリーを備えた奇跡的な一台です。
フェラーリ365 GTC/4は、1971年から1972年という極めて短い期間にかけて、わずか505台のみが限定的に生産された2+2座席のグランツーリスモです。
「デイトナ」の愛称で広く親しまれている365GTB/4の優れた基本骨格や力強いエンジンコンポーネントをベースに開発されましたが、そのコンセプトはデイトナのスパルタンな走りの追求とは一線を画しています。
キャビン空間を拡大し、後部座席を追加するとともに、流麗なボディラインの中に優雅さと日常生活における高い実用性、そして長距離ドライブを快適にこなす至高の快適性を融合させることを目的として仕立て上げられました。
パワーユニットには、伝統の4.4リッター(4,390cc)V型12気筒DOHCエンジンを搭載しています。
エンジン上部には6基ものウェーバー製サイドドラフト・キャブレターが贅沢に配され、最高出力320馬力という圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
また、キャビンへの振動やノイズの侵入を徹底的に抑え、静粛性と上質な居住性を高める目的で、トランスミッションはエンジン直結配置が採用されています。さらに、パワーステアリングや高性能エアコン、自動車高調整機構(レベライザー)付きのリアサスペンションが標準装備されており、当時の最高峰GTに相応しい洗練された先進技術が凝縮されています。
そして何より本車両の価値を決定づけているのが、デザインを手がけた当事者であるセルジョ・ピニンファリーナ氏自身の愛車であったという事実です。
造形美の極致を知り尽くした巨匠が自らステアリングを握り、日々その美と走りを享受していたというドラマチックな背景は、全世界のコレクターや熱狂的なフェラーリ・ファンにとって言葉に尽くしがたいロマンと所有欲を掻き立てるものでしょう。
この特別な1971年製フェラーリ 365 GTC/4は、オークションにおける予想落札価格は22万ドルから26万ドル(日本円にして約3300万円から3900万円)と試算されており、最低落札価格(リザーブ)が設定されない「Offered Without Reserve」という形態で出品されます。
名機V12グランツーリスモの輝かしい系譜と、名デザイナーの情熱が息づく歴史的価値の極めて高い名車として、世界中の自動車愛好家から熱い視線と大きな期待が寄せられています。(VAGUE編集部)
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4座クーペの365GT2プラス2を刷新すべく投入されたのが、この365GTC/4であった。
当時ピニンファリーナ(PF)のチーフスタイリストであったアルド・ブロヴァローネ
(ディーノ206GTの産みの親)の監修の下、本車のデザインの腕を奮ったのが
若手デザイナーのフィリッポ・サピーノであった。
この人は後にPF社からギア社に移って、グループBマシンのフォードRS200などの
デザインも手掛けている(2022年没)
余談だが、サピーノがデザインを手掛けた車両で恐らく最も有名なのは、1969年に
発表されたコンセプトカー「フィアット・アバルト2000クーペ」ではないだろうか。
(現在は某日本人が所有しているといわれる)