採用するブレーキシステムの違いだけではない
ポルシェのブレーキは良く効く——そんなハナシを耳にしたことのある人は多いだろう。そして、そうした声に対してはまさに「その通り!」と賛同したくなるというのが実感でもある。
そんなポルシェ車でも日常的に乗っていると、それが当たり前となって特に優れているとは感じなくなってしまうもの。ところが、そこから他ブランドのモデルに乗り換えるとふとしたタイミングで、「あれ? 何かブレーキがちょっと物足りないナ……」と感じさせられることは実は少なくなかったりもする。例えそれが、誰にも名前を良く知られたスポーティなモデルであったとしても、だ。
そうした差は一体どこから生まれてくるものなのか? 多くの人は、それは「採用するブレーキシステムの違いにある」と考えることだろう。ところが実際には、その要因はそれだけには留まってはいないように思う。
例えばポルシェ車では多くの場合——特に911やボクスター/ケイマンといった2ドアモデルでは——ライバルと想定される他ブランドのモデルに対して車両重量が明確に軽いという事実がある。最新のモデルで言えば「911カレラ」の空車重量が1520kgで「718ケイマン」のそれは6速MT仕様で1410kg(7速PDK仕様は1440kg)。これらが、想定されるライバルたちよりも決定的に軽量であるというのはちょっと調べればすぐに明確になる事柄だ。
同時に、そんなポルシェ車では前後の重量配分がいずれもリヤヘビーを基本としていることから、ブレーキングによって荷重が前方へと移動してもなお後輪側に十分な荷重が残り、結果として“つんのめり”の姿勢に陥ることなくリヤタイヤもしっかりと仕事をしてくれるという特徴も挙げられる。
それを証明するように、かつてのポルシェ車にはフロントにエンジンを置きながら通常はそれと対を成すトランスミッションを敢えて分離して後方にマウントするトランスアクスルなる凝ったレイアウトを採用することで、前輪側に重量物が集中することを嫌った「924/944」や「928」といったモデルが存在したという史実も、操縦性のみならずブレーキの効き具合にも強く配慮したこのブランドならではのクルマづくりのポリシーを物語る一例と受け取ることもできる。
150台以上の空冷ポルシェが東京・銀座の上空に集結! 東京高速道路KK線で「LUFT TOKYO」が3月14日に開催
ユーザーの希望に適した特性の異なるシステムを準備
さらに、そうした基本的に優れたディメンションを採用したうえで、吟味が重ねられたブレーキシステムが選ばれるのもすべてのポルシェ車に共通する見どころであることは言うまでもない。
優れたペダルタッチを生み出す剛性に富んだモノブロックキャリパーや耐フェード性を高めるための冷却性に優れたベンチレーテッドディスクローターの採用などはもちろんのこと、どのような走行シーンを重視するのか? あるいはメンテナンスの容易性やブレーキダストの少なさに重きを置くのか? などと、ユーザーが求める多様な希望に適した特性の異なる様々なシステムを準備している点もポルシェならではと言って過言ではない。
例えば、ベースとなるモデルにもレースの世界で得られた様々な知見を活かしたシステムを採用しながら、さらに超高速走行時からのブレーキングで優れた性能を発揮しつつ耐熱性や耐久性にも優れ軽量化も実現させたセラミック・コンポジット・ブレーキ(PCCB)や、タングステンカーバイドでコーティングした鋳鉄製のディスクローターを用いることで通常のブレーキに対して30%の耐久性向上や連続使用時の対熱性向上を実現させるとともに、発生ダストを低減させることで必要なクリーニング頻度の低減も謳うサーフェス・コーテッド・ブレーキ(PSCB)などと、同じモデルの中で異なる特性を備えた複数のアイテムを設定するという拘りもこのブランドならでは。
ここまでやって勝ち取ったのが「ポルシェのブレーキは凄い!」「ポルシェのブレーキは良く効く!」という称賛の声であるもの。見方によっては「加速以上に減速が重視されている」と言えるのがポルシェの“動力性能”なのである。
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
まさかの“修復歴なし”!? 千葉豪雨で大量発生「冠水中古車」の恐ろしい実態「水没車」を見抜くポイントは?
国道3号「18年越しの拡幅」ついに11月完成! 100km続く4車線区間が延伸 “九州の一大ジャンクション地帯”の渋滞緩和へ
なぜ今の日本では「連休くらいはパーッと遊ぼうぜ!」というムードが生まれないのか? 6割以上が「旅行したい」のに、なぜ出かけないのか
「日本の造船このままじゃヤバい」国内1位と2位が合体したワケ “巨大ドック=規模の力”と業界に残る“異なる声”
新車214万円から トヨタ「シエンタ」一部改良、販売店に寄せられたリアルな声とは
【脱ディーゼルは正解だったのか?】「ハリアー」超えの4240台を記録した新型「CX-5」の総合力を検証する
なぜ今の日本では「連休くらいはパーッと遊ぼうぜ!」というムードが生まれないのか? 6割以上が「旅行したい」のに、なぜ出かけないのか
本年7月に発売した軽BEVのBYD RACCOが8月末の時点で累計受注台数約1500台を記録
まさかの“修復歴なし”!? 千葉豪雨で大量発生「冠水中古車」の恐ろしい実態「水没車」を見抜くポイントは?
トヨタ・ハリアーがパワートレインをHEVに一本化。特別仕様車のZ“Leather Package・Night Shade”およびZ“Night Shade”の一部改良も実施
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
また車はリア側のブレーキがロックすると方向性を失うのでリアをロックさせる事は厳禁です
その為に昨今の電子制御どころかABSが無かった時代はFF車FR車などはリアのブレーキを極端に緩めていました
ブレーキ力配分はF9:R1と言っても過言ではない程にしてリアをロックさせない安全マージンを取ってました
つまりリアタイヤに仕事をさせていなかったのです
そこにリア荷重が極端に高い911です
F=μNで示される様に荷重値が高ければ摩擦力は高く、フロントのみならずリアのグリップを沢山使ってブレーキできる911は他社比較で凄い制動力だったかと
難点はその高いグリップ力を使っている以上、失った時には痛いしっぺ返しを食らいますが(リア故に方向性も失う)
さてそこに昨今の電子制御です
車がスピンしないように常にセンサーで監視しながらのブレーキとブレーキ力配分が加わりました、鬼に金棒とは正にコレ
おっと踏み間違えたw