■ちょっと高い?ホンダの中国専売BEV「S7」の評判は
ホンダは2025年3月6日に新型SUV「S7」を発売しました。
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現地中国での評判はいったいどうなのでしょうか。
新型S7は2024年4月の「北京モーターショー2024」で発表された純電動SUVです。
当初は新たな純電動サブブランド「イェ(火へんに華)」シリーズの「イェS7」として発表されましたが、2025年2月に「S7」へと改称されました。
S7の製造・販売は東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」が担当しますが、S7には姉妹車「P7(旧:イェP7)」も存在しており、こちらは広州汽車との合弁会社「広汽ホンダ」が担当するモデルとなります。
S7とP7は兄弟車であるため、同じ「e:N Architecture W」プラットフォームで設計されたボディを共用します。
一方で前後のデザインは差別化が図られており、例えば灯火類はP7が「コの字」型となっているのに対し、S7は左右を一体化させて「X」を描く近未来的な印象を持ちます。
また、インテリアの基本的な設計は同一で、使用している素材や内装色で違いを演出しています。
インストルメントパネルは横長の9.9インチディスプレイ1枚に集約してシンプルなダッシュボード設計となっていますが、これは中国の新興EVブランド車種でよく見られる設計です。
中央には24インチの縦型ディスプレイを設置し、上半分はメディアやナビ、各種アプリ、下半分はエアコンの操作を担当します。
そのディスプレイ直下には携帯端末用の無線充電パッドを搭載していますが、これも最近の中国車ではよく見られる機能です。
中国市場では珍しいデジタルアウターミラーも搭載しており、左右ドアにはその映像を投影するディスプレイを装備、昼夜問わずクリアな後方視界を提供してくれます。
運転支援機能は「Honda SENSING 360+」を搭載しており、コネクテッド技術「Honda CONNECT 4.0」とあわせて安全かつ楽しい移動を提供するとしています。
ボディは全長4750mm×全幅1930mm×全高1625mm、ホイールベースが2930mmと、ホンダのSUV「CR-V」よりも若干大きいサイズとなります。
パワートレインは「CATL(寧徳時代)」製三元系リチウムイオン電池(89.8 kWh)をベースに、出力268 hpの後輪駆動モデルと469 hpの四輪駆動モデルの2種類を用意、航続距離(CLTC)はそれぞれ650 kmと620 kmを誇ります。
ホンダはこれまでにいくつかの中国専売BEVを投入してきましたが、そのほとんどがガソリン車をベースとするモデルで、しばし「油改電(BEVに改造したガソリン車)」と揶揄されてきた過去も。
消費者が求めるBEV特有の新鮮さがなければ、専用設計BEVの利点も無いということで、その売れ行きは伸び悩んでいた経緯を持ちます。
中国向け電動サブブランド「e:N」からは2021年に東風ホンダ「e:NS1」、広汽ホンダ「e:NP1」が発売されましたが、兄弟車関係であるこの2台はコンパクトSUV「ヴェゼル」がベースでした。
その後、2024年に発売された第2弾の「e:NS2」「e:NP2」では独自のボディを採用したものの、販売は大きく低迷、月間販売台数が2ケタを下回る月もあるほどでした。
■ホンダ、中国市場で巻き返しなるか? どんな戦略なの?
そうした中、ホンダは中国におけるBEV戦略を一新させるべく、新たなサブブランド「イェ」シリーズとその車種を発表しました。
ですが、当初は「イェS7」「イェP7」と発表された車種たちも、実際の販売を迎えるにあたって「イェ」の名称を降ろして「S7」「P7」になるなど、ブランディングが迷走しています。
一方、S7自体をホンダは「走り重視」のスポーティなBEVとして売り出しています。
同時期に広汽トヨタ(トヨタと広州汽車の合弁)が発売した純電動SUV「bZ3X」では「低価格」「使いやすさ」「安全性」をアピールしているのと比べると、両者のアプローチはかなり異なっています。
以前のホンダ製中国向けBEVと比べると、確かにS7は内外装ともに、より中国の消費者の好みに沿ったものになっています。
ですが、メーカー希望小売価格は後輪駆動モデルで25.99万元(約535.7万円)、四輪駆動モデルで30.99万元(約638.7万円)と割高感は否めません。
ネット上でも、中国の新興EVブランド車種では当たり前の機能を搭載していないのにこの価格は高いと評している声が度々見受けられます。
確かに品質やスポーティな走りには自信があるのでしょうが、中国の消費者はそういった要素よりも「自動化運転」「車内での過ごし方」「先進的なイメージ」を重視する傾向があり、「走る楽しさ」というのは比較的ニッチな領域になってしまいます。
また、トヨタやマツダは合弁を長年組んできた相手企業のプラットフォームや車種を流用して共同開発することで、価格を抑えた中国向けBEVをリリースしています。
一方でホンダのS7/P7はホンダの現地法人が中心となって開発しているものの、他企業との共同開発車種ではありません。
こうした要素も販売価格の上昇につながっていると言えます。中国市場で外資メーカーが勝負するには、中国メーカーとの共同開発がもはや不可欠な領域に達しています。
日本メーカーだけでなく、ドイツメーカーも中国の新興EVメーカーとパワートレインやプラットフォームの供給に関する提携を結んでおり、こういった提携は今後もますます増えるでしょう。
発売から1か月経っていないため、S7の売れ行きはまだ判断できません。
個人的にはこれまでのホンダの中国専売BEVと比べて遥かにカッコよく、スポーティに仕上がっている印象を受けますので、これからの動向には注目です。
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