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空自が渇望する次期戦闘機GCAP「新たな参加国はどこだ?」日本のスケジュールを狂わせない“最有力候補”の条件

掲載 更新 39
空自が渇望する次期戦闘機GCAP「新たな参加国はどこだ?」日本のスケジュールを狂わせない“最有力候補”の条件

GCAP最初の追加参加国は「カナダ」が有力か

 日本のF-2戦闘機と、イギリスおよびイタリアが保有するユーロファイター「タイフーン」戦闘機、両機種の後継を共同開発するために現在、前出の3か国で「グローバル戦闘航空プログラム」いわゆる「GCAP」を進めています。

【GCAPと連携か】これが「日の丸無人戦闘機」のコンセプトです(写真)

 そのようななか、今年(2026年)4月には日英伊3か国の政府が設立した国際機関「GIGO」と日英伊の防衛大手3社による合弁会社「エッジウィング」とのあいだで最初の契約が結ばれたほか、7月3日には、新たに2027年末までを対象とする複数年契約が締結されました。これにより、日本政府が目指す2035年の配備開始に向けて、さらなる開発の効率化および加速が期待されています。

 今年4月の最初の契約締結以降、イギリス政府内では国防予算を巡る対立からヒーリー国防相が6月11日、スターマー首相との意見の相違を理由に辞任するなど、GCAPへの影響を懸念する事態がありました。しかし、イギリス政府が6月30日に発表した国防投資計画では、GCAPに対して今後4年間で86億ポンド(日本円で約1兆8500億円)を拠出することが決まっています。

 これを受けて、7月3日には本格契約が締結されており、GCAPの開発中断といった最悪の事態は回避されました。また次の契約についても、日英伊3か国の官民関係者のあいだで最終調整中とされています。

 このようにGCAP開発費の確保にはめどが付いたものの、その額は当初の想定より増加していることから、イギリスとイタリアは、将来の取得単価を低減すべく、GCAPの参加国を増やそうとしています。

 各種報道によれば、サウジアラビア、スウェーデン、ドイツ、オーストラリア、カナダ、ポーランドなどの国々がGCAPへの参加に関心を示していると言われていますが、では最初にGCAPに参加する国はどこになるのでしょうか。

GCAP参加を目指す国々とは

 実は、GCAPに関心を示す国々は、開発費を分担する代わりに開発ないしは量産段階でのワークシェア(作業分担)を要求する国と、単なるオブザーバー参加のみを求める国の2つに分けられます。

 前者は、自国の航空産業を育成したいサウジアラビアや、フランス企業とドイツ企業との主導権争いによって開発中止となったFCAS(将来戦闘航空システム)に替わる計画を検討中のドイツがそれにあたります。

 イギリスやイタリアとしては、開発費を負担してくれるこうした国々をGCAPの新メンバーとして迎え入れたいところでしょうが、その場合、開発枠組みやワークシェアの見直しは避けられません。

 英伊両国とも国内にユーロファイターの製造ラインが残るため、2035年の部隊配備開始というスケジュールの遅延は大きな問題になりませんが、日本にとっては2030年代半ばからF-2の退役が始まる見込みのため、影響は深刻です。加えて、各国の産業界の利害に直結することから、ワークシェアの再調整で利害の衝突が予想されます。

 そのため、GCAP参加候補国の中でも日本として容認しやすいのは、オブザーバー参加国でしょう。

 なかでもカナダは、第二次トランプ政権の発足後、トランプ大統領の「51番目の州」発言や関税問題などをめぐりアメリカとの関係が悪化したこともあり、同国に依存してきた国防政策の見直しを進めています。

 その一環としてカナダのカーニー政権は、CF-188(F/A-18)後継機として採用を決定したロッキード・マーチンF-35Aに加え、サーブJAS39「グリペンE」の導入を検討しているほか、GCAPへのオブザーバー参加を申請しています。

最初の参加国にカナダが選ばれるワケ

 このGCAPのオブザーバーとは、機密保持を前提に、GCAPの性能や開発状況などの情報を共有し、将来の購入につなげるものです。そして、今年6月に来日したカナダのマクギンティ国防大臣は、小泉防衛大臣と防衛省内で会談した際に、GCAPについても協議し、将来的な参加に意欲を示した模様です。

 そのカナダの航空産業ですが、第二次世界大戦後に独自開発の全天候ジェット戦闘機アブロ・カナダCF-100を開発・量産した後、その後継機として超音速戦闘機CF-105を開発したものの、コストの高騰や計画の遅れなどを理由に開発を中止。以降は、アメリカ製戦闘機の導入に舵を切り、CF-104(F-104)とCF-5(F-5)のライセンス生産を除き、完成機を輸入してきました。

 現在はF-35の国際共同開発計画、にレベル3パートナーとして参画し、製造に関与しているため、GCAPのワークシェアを求める必要性は低いと推測できます。

 こうした状況を総合的に考えると、GCAPへの参加に最も近い位置にいるのは、カナダのように思えます。

 7月20日からはイギリスでファンボロー航空ショーが開かれます。これに合わせて実施される日英伊防衛相会合でGCAPへのカナダのオブザーバー参加が認められるのか、注目です。

※一部修正しました(7月17日10時15分)

文:乗りものニュース 小林春彦(月刊『軍事研究』記者)
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みんなのコメント

39件
  • sumlieme0101
    これ以上参加国を増やしてスケジュールが遅れるような事はあってはならないと思います。特にドイツとフランスは完全出禁ですね。自国の企業に利益誘導しようとしてまた計画をだめにしてしまいます。
  • tok********
    まあ、カナダとかオーストラリアと言った海洋国家の方が、今開発中の戦闘機のコンセプトに近いものが欲しいでしょうから、あまり揉めないでしょううね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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