愛車ケアの落とし穴、洗車キズができちゃう2大理由。1つはスポンジ掛け、さらに深刻な2つ目とは？

誤ったやり方だとボディ表面に洗車キズがついてしまう

「洗車キズ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

クルマのボディ表面にうっすらとついた小キズのことで、その原因が誤った洗車のやり方に由来することから洗車キズと呼ばれています。とくにブラックなどのボディカラーでは目立つことから、洗車キズがつかないように気をつけている人も少なくないでしょう。

なぜ洗車キズはついてしまうのか…大きく2つの理由があります。

1つ目は洗い始めに原因があります。ボディ表面に汚れがついた状態で、スポンジなどでこすると、汚れがヤスリのような働きをして細かいキズがついてしまうのです。

それを防ぐには、ボディにたっぷりと水をかけて汚れを浮かせ、適切にカーシャンプーなどを使い、表面をなでるようにスポンジで汚れを落とすというのが基本。

スポンジもこまめにすすぐなどして、スポンジに付着した小さな砂などが細かいキズをつけないように気をつける必要もあります。

おそらく、ここまでは洗車好きの人ならば常識として実行していることでしょう。

じつは拭き上げのほうがキズがつく可能性が高い

しかし、洗車のプロフェッショナルに聞くと、じつは拭き上るときのほうが洗車キズがつく可能性が高いのだとか。2つ目はボディを乾かすときに原因があったのです。

ウェスなどでボディ各部についた水滴を拭いてくと当然ながらボディは乾いていきます。乾いた状態というのはキズがつきやすくなるのは自明です。

水をかけて汚れを洗い落とすときと違い、表面に残った小さな砂などのホコリや、ウェスに付着したホコリでも塗装表面を攻撃するには十分なのです。

ガソリンスタンドや洗車専門ショップなどで拭き上げ時に圧縮エアを使って、水滴を飛ばしているのを見たことがあるかもしれません。手で拭き上げるのがイヤだからではなく、できるだけ洗車キズをつけないように拭き上げるためのプロの手法なのです。

しかし、自宅やコイン洗車場などで愛車を洗うときには、エアブローをするのは現実的ではありません。かといって水滴をそのままにしておくとウォータースポットといって、太陽光と水滴のレンズ効果によって丸い焼け跡がついてしまいます。

一般的なユーザーにとってベストな方法は、吸水性の高いセーム皮や合成セーム皮をやさしくポンポンと押しあてるようにして水分をとるようにすること。とはいえ、それでもキズをゼロにできるわけではありません。

かつて洗車のプロフェッショナルから「アマチュアの人は拭き上げ前に近所をサッと走ってざっと水滴を飛ばしたほうが洗車キズのリスクを減らせるんじゃないですか」と冗談めかした話を聞いたこともあります。プロからすると多くのアマチュアは、拭き上げ時に洗車キズをつけているという印象があるわけです。とくに水滴を残さずピカピカに拭き取ってやろうと思う人ほど細かいキズをつけているといいます。

逆説的になりますが、洗車という行為自体がボディ表面にキズをつけてしまうわけです。もちろん、ボディが汚れたままというのも塗装面にはよくないのですが、下地をつくってきちんとコーティングをしたクルマであれば、過度に洗車をしないという意識もきれいなボディを守ることにつながるといえるのです。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

Comments

外を走る時点で傷は付くぞ

こういう記事を鵜呑みにして
訳も解らず、キズ付く
傷がキズがと騒いでる人はほとんど・・・。