■新車の2倍近い価格で取引された「セナ」
2013年に発表された「P1」によって誕生したマクラーレンのアルティメット・シリーズは、その名称が物語るように、マクラーレンが持つ最先端のテクノロジーを導入し、究極の運動性能を実現したシリーズだ。
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P1ではPHEVのシステムを採用し、約10kmという距離ながら、ゼロエミッションのEV走行を可能としたことでも大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。
●2019 マクラーレン「セナ」
P1、そしてサーキット専用モデルの「P1GTR」に続くアルティメット・シリーズとなったのが、マクラーレンとは非常に深い関係にあったF1ドライバー、故アイルトン・セナに由来するネーミングを掲げた、マクラーレン「セナ」だ。
セナは、500台の限定生産であった。もちろんその500台のすべてが、2018年ジュネーブ・ショーでの正式発表前にオーナーが決定していた。
セナの新車価格は、75万ポンド(当時の邦貨換算で約1億1000万円)であった。この価格からもアルティメット・シリーズが、マクラーレンにとって、いかに特別な存在であるのかが理解できるだろう。
ちなみにオークション・マーケットでは、その後、約191万ポンド(同約2億8000万円)で売買が成立した記録がある。世界のミリオネアからの注目が高い1台なのである。
■走行距離800kmの新車同然の「セナ」の最低落札価格は?
セナのエクステリアデザインは、マクラーレンのデザイン哲学、「フォーム・フォローズ・ファンクション」、すなわち「すべてのデザインは機能によって決定される」というコンセプトを継承したものだ。
●2019 マクラーレン「セナ」
フロントマスクは、最新のマクラーレン各車に共通するイメージを採用しながら、エアロダイナミクスを最適化するためにダイナミックな造形とされ、ボンネット上には巨大なエアアウトレットが設けられた。
ボディサイドのデザインはさらに複雑で前衛的なデザインとなり、ドアパネルの下半分はオプションで透明なガラス仕様とすることもできる。
リアに備えられる大型ウイングはもちろんアクティブ式で、走行中に最適なダウンフォースを生み出すほかエアブレーキとしても機能する。P1に対してのダウンフォース量は、実に40%増(250km/h時)に相当するという。
セナの基本構造体は、もちろんCFRP製のモノコック=モノケージだ。軽量かつ高剛性なこのモノコックと、やはりCFRPを主材料とするボディの組み合わせで、驚異的な1198kgというウエイトを実現している。これはあの「F1」以降のマクラーレン製ロードカーにおいては、もっとも軽量な数字になるとマクラーレンは胸を張る。
リアミッドに搭載されるエンジンは、4リッターV型8気筒ツインターボだ。マクラーレンはスーパー・シリーズにおいても、この4リッターユニットを「720S」で採用しているが、セナにはもちろん、専用にチューニングされたものが搭載される。セナでは、最高出力800ps、最大トルク800Nmにまで高められている。
このエンジンに組み合わせられるミッションは、デュアルクラッチ式の7速となり、駆動輪はもちろん後輪となる。パワー ウエイト レシオは、およそ1.49kg/psである。
マクラーレン・セナのパフォーマンスは、やはりサーキットでこそフルに楽しむことが可能であろう。0-100km/h加速2.8秒、0-300km/h加速でさえ17.5秒という俊足ぶりだ。
最高速は340km/hとされているが、これはリミッター制御によるもの。カスタマーが望めば、世界中の市場におけるレギュレーションをクリアするセナは、そのまま公道走行が可能である。
今回RMサザビーズ社のアリゾナ・オークションに出品された、マクラーレン・セナは、500台中95番目に製作された個体となる。
新車からの走行距離はわずか800km未満で、36万ドル(邦貨換算約3700万円)以上のオプション装備が備わっている。このセナに付けられた最低落札価格は、100万-130万ドル(邦貨換算約1億400万-1億3500万円)。ピークを過ぎたとはいえ、注目度の高い1台である。
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みんなのコメント
色も変で水色というよりネズミ色
これ、めちゃくちゃカッコ悪いぞ
勝手に名前付けられたセナが可哀想なくらい
マクラーレンのブースに全色かと思うほどの車両持ってきて置いてたのセナだっけ?