僚友アロンソに“惨敗中”のストロールをアストンマーチンは心配せず「彼は本当によくやっている」今後は予選の改善が鍵に？

　今季好調なパフォーマンスを見せているアストンマーチンF1。しかし6度の表彰台は全てフェルナンド・アロンソによるものであり、ランス・ストロールは差をつけられてしまっているが、マイク・クラック代表はそんなストロールを擁護した。

　先日行なわれたカナダGPはストロールにとってホームレースであり、チームオーナーである彼の父もアストンマーチンが2台揃って表彰台に登ることを熱望していた。しかしストロールは予選でQ2敗退に終わり、ペナルティも重なり16番グリッドからのスタートとなった。

　しかしストロールは決勝レースで今季ベストのパフォーマンスを見せた。不運なタイミングでのセーフティカー出動もあったものの、ストロールは追い上げを見せて9位でフィニッシュ。ただその走りは2位に入ったアロンソの影に隠れてしまった。

　開幕直前に自転車事故により手首を負傷したストロールは、序盤戦を通じて怪我の影響にも悩まされた。本人曰く、5月のモナコGPごろまでマシンに慣れるのに時間がかかってしまったという。

　現在アストンマーチンは154ポイントのうち117ポイントをアロンソが獲得している状況であり、コンストラクターズ選手権争いでメルセデスやフェラーリを下して2位に入るためには、ストロールの活躍が鍵になってくるだろう。

　ストロールが結果を出せていないことに懸念はあるかと尋ねられたチーム代表のクラックは、ストロールのレースでのパフォーマンスを擁護して次のように語った。

「（予選で）彼はグリップに苦しんでいた。あのような形で苦戦してしまうと自信を失うし、そうなると非常に難しい状況になる」

「そして（決勝で）彼は本当に良くやったと思う。彼はトラフィックから抜け出すと、ハードタイヤで上位陣のラップタイムについていった」

「ただDRSトレインに入ってしまうと、16番手から9番手に上がってくるのは本当に大変だ。素晴らしい結果を残したと思っている」

「結果としては彼が9位でチームメイトが2位でフィニッシュしたので、（ストロールは）良いパフォーマンスではないように思える。ただ彼がどの順位から上がってきたのかを考えれば、とても良い活躍だったと思う」

　そう語ったクラック。逆に言えば、今季は特にトラックポジションが重要と言えるため、ストロールは予選を改善する必要があると、彼も認めている。

　サマーブレイク前にはオーストリア、イギリス、ハンガリー、ベルギーの4レースが残されており、比較的高速サーキットの多いラインアップとなっている。クラックは、ストロールが高速サーキットに強いため、アロンソ含めて2台が上位に食い込めるはずだと語った。

「予選は誰にとっても重要だ。セルジオ（ペレス／レッドブル）のように速いマシンでも、上位に戻るのは難しいことも証明されている」

「彼が高速サーキットを得意とすることは知っている。これからそのようなサーキットが続くので、2台ともポイントを持ち帰ることができると自信を持っている」