8月2日、静岡県・富士スピードウェイで『2026 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT 300km RACE』の決勝レースが行われ、GT300クラスは52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が優勝を飾った。
52号車に乗る吉田は、7月28日に令和8年熊本地震に見舞われた熊本県出身。今回は、地元ファンだけでなく同じ被災地である東北地方ならびに石川県のファンを筆頭に、日本全国から復興支援の声を受けてレースに臨んでおり、想いに応える走りを見せて勝利を飾った。
「少しでも熊本の支援につながれば」被災した地元に捧げる吉田の迫真バトル。野中も涙の初勝利「やっと報われた」
■フェラーリ296勢がまさかの苦戦
ゴールデンウィークの第2戦富士から3カ月が経ち、いよいよスーパーGTが再始動した。第3戦セパンの延期の影響で空白期間ができたが、その間に各チームは夏のレースへ向けた準備を進め、同じ富士決戦で一堂に会した。
1日の予選ではフェラーリ296GT3エボ勢が速さを見せ、PONOS FERRARI 296 EVO(篠原拓朗/川端伸太朗)がポールポジションを獲得。2番手には新スペックのダンロップタイヤを持ち込んだSyntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)が並び、セカンドロウには3番手UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ニクラス・クルッテン)、4番手CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清)となった。
迎えた2日の決勝は、午前中こそ晴れ模様が続いたが、午後はにわか雨が降ることに。コース上はウエットパッチが残るなか、レースはセーフティカー(SC)スタートで開始された。
それでも、マシンが動き出すころには雨も上がり、ほとんどのクルマはスリックタイヤを装着し、まずはSC先導で周回を進めていく。そのなかで、3番手のUNI-ROBO FERRARIに乗る片山がハーフスピンするシーンがあったが、順位を落とすことなく隊列に復帰した。なお、SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)とアールキューズ AMG GT3(和田久/加納政樹)については、ウエットタイヤでのスタートを選んでいる。
4周目にSCがピットロードへ向かい、スタートが切られた。しかし、ホームストレート上でGT500クラスのマシンが激しくクラッシュしてしまったため、レースは即座に赤旗中断。ドライバーの救助活動と車両退避、各車両の安全確認を経て約30分後にSC先導で隊列は動き始めた。
10周目にSCがピットインし、レーシングスピードでの争いがスタート。PONOS FERRARIの篠原がトップを守り、Syntium LC500の河野、UNI-ROBO FERRARIの片山、CARGUY Ferrariの梅垣と続く。
その後ろでは、6番手スタートのGreen Brave Supraの野中がUPGARAGE AMG GT3の新原光太郎をパスし5番手に。さらに翌周にはCARGUY Ferrari梅垣もパスし、4番手から表彰台争いへ。さらに15周目にはUNI-ROBO FERRARIの片山も追い抜き、3番手に上がってきた。
また、17周目には7番手スタートのENEOS X PRIME AMG GT3に乗る鈴木斗輝哉も好ペースを見せ、CARGUY Ferrari梅垣とUNI-ROBO FERRARI片山を抜いて4番手に浮上。フェラーリ296勢は、首位のPONOSが快調にポジションを守るも、他2台は後続に追いかけられる展開となってしまう。
第1スティントの後半に差し掛かると、セクター3では中継カメラのレンズに雨粒が確認できる空模様に。路面温度が次第に下がり始めたのか、ここでENEOS X PRIME AMGの鈴木の好ペースを見せ、3番手Green Brave Supra野中を攻略。さらにSyntium LC500河野にも迫り、GR GTコーナーでオーバーテイクを決め2番手に浮上した。首位PONOS FERRARI篠原とのギャップは約5秒だ。
勢いに乗る鈴木はトップとの差をどんどん縮めていき、30周目にギャップが3秒を切ることに。ここで首位PONOS FERRARIは31周目にピットインを決断し、川端にドライバーを交代。この動きに反応し、32周目にはSyntium LC500、33周目にはENEOS X PRIME AMGもピットへ向かった。
■ピット戦略でトップ交代、白熱のバトルに
ENEOS X PRIME AMGに乗り込んだ石浦はトップでコースに復帰したが、すぐにGRコーナー(1コーナー)でPONOS FERRARI川端がオーバーテイク。さらに、25周目に早めのピットインを済ませていたCARGUY Ferrariのオサリバンも迫り、石浦を抜いて2番手に立った。
これで事実上のフェラーリワン・ツーが形成されたが、40周目には第1スティントを引っ張ったGreen Brave Supra野中がピットイン。埼玉Green Braveは前2輪交換作戦を実行し、PONOS FERRARI川端の2秒前で合流、首位を奪った。
新たにレースリーダーになったGreen Brave Supra吉田の背後からは、PONOS FERRARI川端が猛追。44周目にはテール・トゥ・ノーズとなり、パナソニック・オートモティブ・コーナー(最終コーナー)からサイド・バイ・サイドのバトルが始まった。2台の白熱した争いは、GRコーナー(1コーナー)からコカ・コーラコーナー、さらに100Rまで続き、Green Brave Supra吉田がアドバン・コーナー(ヘアピン)でインに飛び込んで制した。
この間に3番手CARGUY Ferrariオサリバンも接近し、PONOS FERRARI川端と2番手争いを展開。52周目には2番手にポジションをあげたオサリバンだったが、翌周にはPONOS FERRARI川端がポジション奪取、そこにENEOS X PRIME AMG石浦宏明も接近した。2番手争いは3台のバトルに発展し、一方でGreen Brave Supra吉田がリードを5秒に広げていった。
2番手争いはレース終盤まで続き、追いついたENEOS X PRIME AMG石浦がCARGUY Ferrariオサリバンをパスし3番手浮上。さらに最終ラップにはPONOS Ferrari川端がポジションを守り切れず、2台に攻略されて4番手にダウンした。
この間に7.861秒のギャップを築いたGreen Brave Supra吉田がトップチェッカー。吉田は2023年第7戦オートポリス以来の優勝となり、チームメイトの野中にとってはスーパーGT初勝利となった。7月28日に熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震に見舞われた熊本県出身の吉田は、多くのファンから復興支援の声を受けてこのレースに臨み、応える走りで勝利をあげた。
2位にはENEOS X PRIME AMGが参戦3レース目で初の2位表彰台獲得、3位にはCARGUY Ferrariが入る表彰台となっている。スーパーGTの次戦は8月22日~23日に三重県・鈴鹿サーキットでおこなわれる予定だ。
[オートスポーツweb 2026年08月02日]
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