■「スタンダード大衆車」の未来の形
トヨタ「カローラ」は1966年から現在にいたるまで販売が続けられている乗用車です。日本のみならず、世界の「乗用車の定番」として幅広く支持され、絶大な人気を堅持しています。
そんなカローラですが、次世代のカローラの姿を示すモデルが昨年披露されています。次期型カローラは、果たしてどのような進化を遂げるのでしょう。
【画像】超カッコいい! これがトヨタ「次期カローラ」の姿です! 画像で見る(30枚以上)
カローラは1966年に登場しました。初代は「地球人の幸福と福祉のため」を使命に、「良品廉価」「変化」「プラスアルファ」を3つのキーワードとして誕生。当時すでに販売していたエントリー車「パブリカ」と上級の「コロナ」の中間ポジションを担いました。
頑張れば手が届く価格帯でありつつも、ほどよい高級感とクルマとしての実用性の追求から日本のモータリゼーションの発展に寄与し、高嶺の花だったマイカーの普及拡大に貢献しました。
以後、代を重ねるごとに、時代やニーズに合致したデザインや実用性、高い信頼性、経済性を強め、さらには海外輸出や現地での生産も行うことで、トヨタのブランド発信と日本製乗用車の信頼の獲得にもつながり、世界のスタンダード車として確固たる地位を築きました。
現在、世界150以上の国と地域で展開され、2025年までには5500万台以上を販売。今も世界累計販売台数を更新しつづけています。
現在販売中のモデルは2018年に登場した通算12代目です。日本では、スポーティなハッチバック「カローラスポーツ」が最初にデビューし、続いて4ドアセダン「カローラ」、5ドアステーションワゴン「カローラツーリング」が登場。ハイパフォーマンスモデル「GRカローラ」もラインナップされています。
さらに12代目では、従来のカローラ同様、時代やニーズに合わせてシリーズ初の5ドアコンパクトSUV「カローラクロス」が追加されました。
さて、そんなカローラですが、2025年10月に開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」において、カローラを名乗る「カローラコンセプト」が披露されました。
最大の特徴は、これまで実用車として利便性や使い勝手を追求してきたカローラとは一線を画す流麗なボディです。
フロントウインドウからルーフ、テールエンドにかけては非常に滑らかで、低いノーズや大径ホイールが、スポーツカーのような立ち姿を感じさせます。
12代目においても、従来のカローラから脱却を図った若々しいものとなりましたが、カローラ(セダン)ではオーソドックスな4ドアスタイルとなっていることを考えると、非常にアグレッシブなデザインであるといえます。
ボディサイドでは、フェンダーやドアなどのラインは直線で構成されており、複雑な造形です。前後フェンダーは豊かな膨らみを持ち、走行性能の高さを予感させます。
フロントフェイスでは、近年のトヨタ車に採用されている「ハンマーヘッド」をさらに昇華させたようなもので、グリルレスのデザインやハンマーヘッドから縦に延長するように装備されるランプが近未来的な表情を演出。
ハンマーヘッド下部を構成するランプは、1文字で光るのではなく、鍵盤のようにLEDのセグメントが独立して発光しており、強い印象を残します。
リアはフロントのハンマーヘッド下部同様、やはり鍵盤のような細かいセグメントで構成されるテールランプに加え、小型のリアスポイラーやカローラブランドを強く主張する「COROLLA」のセンターエンブレムも目を引きます。
JMS2025で明かされた情報では、パワーユニットの詳細は不明なものの、これまで同様、ハイブリッド(HEV)やオーソドックスな内燃機関(ICE)を搭載。
さらにはバッテリー電気自動車(BEV)仕様やプラグインハイブリッド(PHEV)の搭載など、時代や地域のニーズに合致したバリエーション豊かなパワートレインが用意されるとしており、スタンダードな大衆車たるカローラのポジションが不変であることがうかがえます。
このカローラコンセプトについて、現在のところはまだ市販化に関する具体的な計画などは明示されていないものの、JMSでの披露時にトヨタの開発担当者は、「カローラコンセプトのスタイルを踏襲して市販化に進めたい」と前向きに話しています。
なお現在トヨタはカーボンニュートラルの実現に向けた「マルチパスウェイ戦略」のアプローチとして、同一ながらHEV・BEV・PHEVを設定できるプラットフォームの開発を目標に掲げており、この新プラットフォームが採用される可能性が高いという見方が広がっています。
まずは2026年にEV専用の次世代プラットフォームが投入されるということが明らかになっており、このプラットフォームの実用を皮切りに、2027年頃からカローラの登場も現実味を帯びてきそうです。
次世代のスタンダード大衆車がどのような進化を遂げるのか、今後も注目が集まります。(伊勢崎剛志)
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