現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【劇的変身】トヨタ カローラ グローバル・スタンダードへ(FF/1.8L CVT、1.8Lハイブリッド)【試乗記】

ここから本文です

【劇的変身】トヨタ カローラ グローバル・スタンダードへ(FF/1.8L CVT、1.8Lハイブリッド)【試乗記】

掲載 更新
【劇的変身】トヨタ カローラ グローバル・スタンダードへ(FF/1.8L CVT、1.8Lハイブリッド)【試乗記】

新型カローラが驚きの変身を遂げて2019年9月17日に発売された。早速その変化をお伝えするために試乗してきた。

もはやベンチマークされる存在に

【東京モーターショー2019】スバル レヴォーグ・プロトタイプを公開

TNGAの考えの元、プラットフォームGA-Cを採用して、グローバルモデルとして誕生した。カローラという車格、キャラクターから、非常に多くのユーザーが販売対象になるわけで、奇抜なものは性能、デザインにおいて挑戦しにくい。そのため乗り込んだ時のファーストインプレッションは、特に驚きもなく、コンベンショナルな正常進化といった印象を受けた。

ところが、走り出すと「これがカローラか?」という驚きを体感した。モデルは1.8LのガソリンモデルでCVTと組み合わされている。走り出してすぐに段差を乗り越えるショックが柔らかくいなされ、小さい衝撃にもサスペンションがしなやかに動いているのを感じる。

ダンパーのピストンスピードが遅いケースではフリックション感があるということが多いが、そこがしなやかに動く。そして入力の大きい場合でもしっかりとした減衰をする。そのことは市街地から首都高速の試乗でも十分に感じ取れるレベルで、しっかり感としなやかさがあるのだ。

サスペンションのレベルの高さを感じながらエンジンフィールをチェックすると1.8LでCVTとの組み合わせで気になるのは、エンジン先行感とか、ラバーバンドフィールと表現される症状で、アクセルを踏み込んだ時に、エンジンは唸るものの、加速が鈍いといった現象だ。しかし、そのフィーリングが全くない。アクセルの踏み込み量に応じて加速フィールもきちんとリンクしている。これなら「つまらない」とは感じない。

パワー的にも満足度が高い。搭載するエンジンは2ZR-FAE型で98ps/5200rpm、142Nm/3600rpmというスペックではあるが、低速域でのトルクの立ち上がりが良いので、プアーな感じが全くない。むしろ力強さを感じるほどで、スペックを見て逆に驚くといった印象だ。

ステアリング操舵フィールや乗り心地に関しても、申し分のないレベルだった。開発でもこだわりの部分だと説明しているが、直進時のステアリングの座りがいい。安心感を出すために強めの座りを出している輸入車もあるが、カローラはそのあたりがちょうどよかった。

また、操舵反応も微小舵域から呼応し、切り込んでいく時のクルマの動きもリニアで驚かされた。カローラと言えば、敢えてボールベアリングのようなステアフィールに寄せていたわけで、それからすれば、大きな変身を遂げたことを実感する。

合わせて静粛性もよくなっている。路面状況が綺麗な場所では、本当に滑らかに静かに滑るように走る。まるでプレミアムモデルにでも乗っているような感じにもなる。しかし路面が悪くなると音の入り方が大きく、そのギャップの大きさが勿体無いという印象だった。

試乗車は1.8Lの自然吸気モデルの他に、1.8Lのハイブリッドモデルにも試乗したが、試乗フィールは微妙に異なっている。車重の違いが大きいのだろうが、ハイブリッドのほうが、全体になました印象で、まろやかだ。ステアリングのセンターの座りもNAほどのしっかり感は薄いが、センターは出ているという印象。

コーナリングなどの狙ったラインへのトレース性でも、NAは気持ちよく期待通りにトレースしていくのに対して、同様にトレースはしているものの、シャキッとしないで正確にトレースしていくという印象だ。

トヨタのハイブリッド、とくにプリウスではエンジン先行感があって、ドライバビリティという言葉が使いにくいが、カローラ・ハイブリッドでは、そうしたフィールも良く、リニアに加速するので、運転していて楽しいと感じるだろう。ただ、NAモデルと比較すれば、少し緩さを感じた。

カローラの背負うタスク

開発のこだわりは「良品廉価」だ。カローラというキャラクターは多くの人が購入ターゲットになるため、ユーザーニーズにも徹底的に応える必要がある。そしてグローバルで販売するため、海外でも「カローラ」の名称になり浸透させる必要も背負った。海外では、これまでオーリスであったり、Bセグメント、Cセグメントが混在する不思議なモデルでもあったが、きちんと整理したわけだ。

そして開発は4つのポイントを重点的に意識して開発したという。ひとつがデザイン。スポーティでワンランク上の存在感を示すスタイリングとすること。そして、走りの良さ。気持ちのいい走りを目指し、目線の動かされにくさ、旋回姿勢の決まりやすさ、ライントレース性の正確さをポイントにしていたが、どれも到達していると言える。

さらに、安全、安心とコネクテッドといったユーザーニーズに答えている。安心安全ではトヨタセーフティセンスを磨き上げ、また車体自体もマルチロードパスと超高張力鋼板の採用などで衝突安全にも配慮したクルマ造りがされている。

そしてコネクテッドでは、従来のナビを廃し、ディスプレイオーディオを標準としている。これはカローラにとって大英断だったと想像する。というのは、スマホとの連携が前提のディスプレイオーディオに対し、従来のカローラのユーザー層は60代、70代が中心の年齢層だからだ。

とは言え、スマートフォンの浸透度も高く、もはや特殊な通信機器でもないわけで、さらに言えば、カローラはグローバルで販売することを考えると、ローカルタイプの従来のナビでは対応できない。アメリカのように高齢者でもディスプレイオーディを好む国もあるわけで、そうした意味からもグローバルスタンダードを選択したわけだ。

ただし、さすがトヨタ。従来型のナビもオプションで導入することも可能で、また、Apple CarPlayやAndroid Autoもオプションに設定されている。デフォルトはトヨタ提供するSDLでスマートデバイスリンクになる。こちらはLineナビがデフォルトで使えるようになっている。そしてLineの音声対話AI、Clovaにも対応するので、「ねえ、クローバ」で起動する。

カローラはグローバル・スタンダードへと進化し、ガチライバルはVWゴルフと言っていいだろう。他にもCセグメントサイズは多く存在するが、欧州でのカローラの反響が楽しみになるほどの出来栄えだった。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

【エンジンラインアップ】

【カローラセダン価格】

【カローラツーリング価格】

トヨタ カローラ 関連情報
トヨタ 関連記事
トヨタ 公式サイト

こんな記事も読まれています

マルチクラッシュ決着を突破したタイラー・レディックが今季初勝利。MJも現地で祝福/NASCAR第10戦
マルチクラッシュ決着を突破したタイラー・レディックが今季初勝利。MJも現地で祝福/NASCAR第10戦
AUTOSPORT web
藤原慎也、2026年にダカールラリー挑戦へ「自分史上最大のプロジェクト。果てしない過酷な道を走破したい」
藤原慎也、2026年にダカールラリー挑戦へ「自分史上最大のプロジェクト。果てしない過酷な道を走破したい」
AUTOSPORT web
“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは
“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは
くるまのニュース
ホンダアクセス、新型ヴェゼル用・純正アクセサリーを発売開始
ホンダアクセス、新型ヴェゼル用・純正アクセサリーを発売開始
月刊自家用車WEB
これからの物流の要となる小型EVトラック普及の鍵! EV充電スポットが「小型EVトラック」にも開放された
これからの物流の要となる小型EVトラック普及の鍵! EV充電スポットが「小型EVトラック」にも開放された
WEB CARTOP
横浜ゴム「GEOLANDAR X-CV」「GEOLANDAR A/T G31」がトヨタ 新型「ランドクルーザー250」に新車装着
横浜ゴム「GEOLANDAR X-CV」「GEOLANDAR A/T G31」がトヨタ 新型「ランドクルーザー250」に新車装着
くるまのニュース
スフィアライトから「純正LEDフォグパワーアップバルブ」が発売
スフィアライトから「純正LEDフォグパワーアップバルブ」が発売
レスポンス
明るい話題だけではやっていけない。メルセデスF1代表、終わらない苦戦から「チームが一歩踏み出す必要がある」
明るい話題だけではやっていけない。メルセデスF1代表、終わらない苦戦から「チームが一歩踏み出す必要がある」
motorsport.com 日本版
WRC育成2期生、初のターマック戦『クロアチア・ラリー』を完走。グラベルクルーとの連携も経験
WRC育成2期生、初のターマック戦『クロアチア・ラリー』を完走。グラベルクルーとの連携も経験
AUTOSPORT web
どこがどう違う?ボルボの最新コンパクトEV「EX30」とレクサス「LBX」を徹底比較
どこがどう違う?ボルボの最新コンパクトEV「EX30」とレクサス「LBX」を徹底比較
@DIME
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
くるまのニュース
レクサス、新型SUV「GX550」を今秋に発売! さらに100台限定で“オーバートレイル+”も先行抽選販売へ。
レクサス、新型SUV「GX550」を今秋に発売! さらに100台限定で“オーバートレイル+”も先行抽選販売へ。
くるくら
レクサスが新型「GX550」の限定モデル“OVERTRAIL+”を抽選で発売
レクサスが新型「GX550」の限定モデル“OVERTRAIL+”を抽選で発売
@DIME
F2王者プルシェール、F1参戦叶わなければインディカーフル参戦も視野に? オーバル挑戦にも前向き「チャンスがあれば当然やりたいよ」
F2王者プルシェール、F1参戦叶わなければインディカーフル参戦も視野に? オーバル挑戦にも前向き「チャンスがあれば当然やりたいよ」
motorsport.com 日本版
ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
レスポンス
全国各地で地震が多発! クルマまわりの防災設備をさらに強化しつつ「モバイルトイレ」にも期待【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
全国各地で地震が多発! クルマまわりの防災設備をさらに強化しつつ「モバイルトイレ」にも期待【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
LE VOLANT CARSMEET WEB
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
くるまのニュース
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.0500.0万円

中古車を検索
カローラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.0500.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村