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2代目アウディTTクーペの新たなエントリーモデルには、出力の落ち込み分をカバーする最新の機構があった【10年ひと昔の新車】

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2代目アウディTTクーペの新たなエントリーモデルには、出力の落ち込み分をカバーする最新の機構があった【10年ひと昔の新車】

2012年1月、第2世代のアウディ TTクーぺに新しいエントリーモデル「1.8TFSI」が設定され注目された。高性能化が進んでいたTTクーぺだが、このモデルの登場で、あらためて「カジュアルでスポーティ」なTT本来の姿が見直された。Motor Magazine編集部は発表間もなく試乗テストを行っているので、今回はその模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年3月号より)

TTらしい走りは維持できているのか
アウディTTクーペが、グンと身近な存在になった。エントリーモデルの仕様が変更となり、従来よりも価格が一挙に47万円も下げられたからだ。具体的には、2Lエンジンを搭載した従来のエントリーモデルであった2.0TFSIを、1.8Lエンジン搭載の1.8TFSIへと置き換え、これによって、装備は従来と同等で、魅力的な価格が実現されたというわけだ。

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かくして、見た目もその装備レベルも「これまでと何ら変わらない」という雰囲気へと仕上げられた新たなるTTクーペ1.8TFSI。そこで誰もが気になるのは、「走りの実力はどれほど異なるのか」という、この一点に尽きるだろう。

何しろ数字上で見る限りは、これまでのTTクーペ2.0TFSIが200psだった最高出力は、160psへと40psもダウンし、280Nmだった最大トルク値も250Nmへと低下。一方で、車両重量は20kgしか軽くなっていないのだから、理屈としてはそれなりの動力性能の低下は免れないことになる。

果たしてそれでも、スポーティなクーペであるTTらしい走りは維持できているのだろうか。

そんなことを思いながらSトロニックのDレンジをセレクトし、おもむろにアクセルペダルを踏み込んでスタートさせる。すると、日常頻繁に遭遇する程度の緩加速シーンでは、あまりにあっけなく、ごく当たり前に発進をこなしてしまう。これならば、何も知らされず乗った100人中100人が、「これが本来のTTの走りなのだ」と、そう納得してしまうことうけ合いだ。

さらに、日常シーンで用いるよりももう少し深い領域までアクセルペダルを踏み込んで、同様の発進テストを繰り返してみる。するとそんなシーンでも、もたつくような違和感はまったくなく、非力さなど微塵も感じられない。この段階で、このモデルの動力性能に不足を感じる人など、どこにも存在しないだろう、ということを実感として思った。

トルク感あるエンジン特性とSトロニックで走りに不満なし
そんな好印象につながった大きな要因は、ごく低回転域からターボブースト効果を発する1.8TFSIのエンジン特性と、そこに組み合わせるSトロニックによる効果が挙げられる。

とくに、ワイドレンジでありながら変速時のステップ比が小さいというデュアルクラッチ式7速トランスミッションゆえの強みと、頻繁にシフト動作を繰り返しても鬱陶しさに繋がらないスムーズさを兼ね備えたこのトランスミッションは、従来のエントリーモデルからの出力ダウンを補って余りある働きぶりを実感させてくれるのだ。

もしもこれが、たとえばオーソドックスなトルコン式5速ATなどを搭載していれば、そこではやはりもの足りなさの残るだろう、つまりはまったく異なった印象になった可能性は強いと思う。このモデルが積む最先端のトランスミッションが出力の落ち込み分をカバーし、これまでと変わることのない「TTに相応しい動力性能」をキープしてくれたということだ。

ところで、今回のTTクーペ1.8TFSIのテスト車は、オプション設定のSラインスポーツパッケージを装着していた。その内容は、専用デザインの前後バンパーや、バックレストに専用ロゴが刻まれたスポーツシート、3スポークのスポーツステアリングホイールやアルミインサート付きのスカッフプレートなどで内外装をドレスアップ・・・と、ここまではよい。しかし、10mmのローダウン化が図られたスポーツサスペンションと18インチタイヤの組み合わせは、正直なところそのフットワークテイストにあまり良い効果をもたらしていないという印象が拭えなかった。

走り出しの瞬間からストローク感に乏しく、とくに首都高など路面に継ぎ目が連続するような道路の走行では、常に揺さぶられるような挙動が強めとなった。その乗り味は「カジュアルでスポーティなクーペ」としてのTT本来の狙いどころからも、やや外れ気味という印象が強い。そもそも、このパッケージオプションで38万円という価格は、せっかく身近になったこのモデルのエントリーグレードとしての価値を、なかば相殺してしまうようにも思えてしまう。

というわけで、もしも筆者がこのモデルを手に入れるとすれば、まさに素の状態こそがベストという判断をすることになると思う。残念ながら未確認ではあるものの、ノーマルサスペンションに標準の17インチタイヤという組み合わせが、スポーティクーペらしいより上質な乗り味をもたらしてくれることは間違いないだろう。

硬派を追うなら、同じTTシリーズにはより相応しいグレードがあるはず。最後にそんな感想ももたらしてくれたのが、1.8TFSIなる新たなベーシックグレードだ。(文:河村康彦)

アウディ TTクーペ 1.8TFSI 主要諸元
●全長×全幅×全高:4190×1840×1390mm
●ホイールベース:2465mm 
●車両重量:1320kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1798cc
●最高出力:118kW(160ps)/4500-6200rpm 
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1500-4500rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:FF
●車両価格(税込):414万円(2012年当時)

[ アルバム : 2代目アウディ TTクーペ 1.8TFSI はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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みんなのコメント

6件
  • たららら
    途中から2リッターターボのクアトロがあったよね。
  • 長渕和寿
    運転が楽しく、とってもいい車でした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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