接点で発生するロスや抵抗をなくし、点火エネルギーを増大させるシステム
点火系チューニングというとなんだか難しく聞こえるが、カンタンなパーツ交換だけでガソリンエンジンのパワーアップに効果を発揮するものだ。その代表的な例なのが「プラズマダイレクト」であり、長い歴史を誇っている。スパークプラグに電流を流すイグニッションコイルごと交換。純正では1回だった点火回数が複数回に増え、さらに火花自体も強力になり燃焼効率を向上するという。この効果によりエンジンが持っているポテンシャルを存分に引き出し、パワーや快適なエンジンフィーリングを引き出す。車種別設計となっており、クルマの性格に合わせたチューニングを実施。取り付けるだけですぐに性能が引き出せるのだ。なかでも低・中速での効果も高く、市街地メインの一般ユーザーにも十分に効果が体感できるアイテム。もう少し具体的に見ていこう。
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そもそもイグニッションコイルって?
エンジンの中の混合気に点火するのがスパークプラグの役目で、このプラグに電流を供給しているのがイグニッションコイル。”点火の強さ”が、エンジンパワーやフィーリングを左右するため、重要なパートであることは間違いない。
複数回の点火でエンジン本来の性能を引き出す
通常1回だけのスパークを3回以上発生(マルチスパーク)させ、さらに2次電流値を純正コイルの約2倍にまで増大することで燃焼効率を向上させる。このマルチスパークは100万分の1秒という単位。高回転域まで持続させることが可能で、ノーマルからフルチューンエンジンまで追従できるスペックを持つ。すなわち、街乗りからサーキット走行までのあらゆるシーンで効果を発揮することができるというわけだ。
点火のエネルギーを約2倍にまで増大させることで火種となる火炎核を確実に成長させ、燃焼効率を向上。そこで、プラグの火花を純正コイルと「プラズマダイレクト」を比較してみた(左:純正/右:プラズマダイレクト)。火花を起こすエネルギーの強さが明らかにアップしているのがわかるだろう。
そして、下の写真は純正コイルとの測定グラフ。純正(写真左)では一度きりの点火だったのに対してプラズマダイレクトは複数回点火しているのが測定値からわかる。
燃焼効率アップによるパワー&レスポンスの向上。エンジンの始動性でも恩恵を受けると言われるが、今回のテストではエンジンの吹け上がりが滑らかになったことを実感できた。テスト車両(トヨタ C-HR)自体が、比較的に新しいクルマにも関わらず、プラズマダイレクトの効果は十分といえるだろう。なお、燃焼速度が早くなるため、ノッキングの発生やカーボンの蓄積を減少させるメリットも得られるとのこと。
ちなみにC-HRの場合、プラグにセットされている純正イグニッションコイルと交換するだけ。車種によっては特別な工具も必要なく、取り付けに挑戦できそうだ。
取材協力:オカダプロジェクツhttp://www.okadaprojects.com
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