メーカーやモデルによる差も大きい
先進運転支援システム(ADAS)の機能と限界に関する混乱が広まり、現代のクルマに対する「信頼」が欠如している。
自動運転車は社会的に弱い立場の人を助ける 実現には遠いが… 英国記者の視点
英国のコンサルティング会社DG Citiesの調査結果では、ディーラーや自動車メーカーが購入者にADASについて詳しい説明を行う必要がある、と指摘している。この調査では、回答者の40%が購入時に十分な情報を得られなかったという。
欧州では、交通事故による死亡者数を半減させることを目指す欧州連合(EU)のGSR2安全規制により、ブラインドスポットミニターや車線維持などの運転支援システムが新車に標準装備されることになっている。
調査にあたったDG Cities所属の行動科学者、ララ・スラシ氏は、「ドライバーの4分の1は自分のクルマのADAS機能に満足しておらず、10人に1人はその精度に不満を持っている」と述べた。
ADASの導入方法は、自動車メーカーによって異なる。調査チームは、これが消費者を混乱させ、信頼の欠如を招く要因になっていると警告した。
「自動車メーカー間のこうした違いは、購入を検討している顧客を混乱させるリスクがあると考えています」と、DG Citiesのイノベーション担当ディレクター、バラス・チュヴァール氏は言う。
また、ADASは自動車メーカーにとって「重要な販売ポイントではない」こと、そして「マーケティング上のメリットがない」ことから、「ADASを普及させ、その機能の向上を図る責任の所在が明確ではない」と付け加えた。
英国の自動車技術研究センター、サッチャム・リサーチのADAS主任エンジニアであるユシフ・アル=アニ氏も、システム間の不整合や信頼性の低さ、精度の低さが問題をさらに悪化させている可能性があると指摘する。
同氏は、「比較的新しいモデルでも、古い技術が使用されている場合があります。安価なクルマほど、古い技術や処理能力の低いものが使用されている可能性が高い」としつつ、「こうした問題はあるものの、ADASは新モデルが出るごとに改善されていると思います」と述べた。
一方、ADASに対する消費者の理解向上に努めている組織もある。英国で紛争解決サービスを手掛けるモーター・オンブズマンは、加盟する自動車販売業者に対して、車両引き渡し時にADASの機能と操作方法について説明することを義務付けている。
マネージングディレクターのビル・フェネル氏は「ADAS機能はますます複雑化し、メーカーやモデルによって異なる場合もあるため、ディーラーには購入時に機能と制限に関する明確な情報を提供するよう求めています」と述べた。
しかし、すべてのディーラーがこれを歓迎しているわけではない。ある中古車販売店のオーナーはAUTOCARの取材に対して、「それは我々の仕事ではない」と語っている。「顧客にADAS機能を理解してもらう『教育』をしなければならないとしたら、顧客が事故を起こした場合、我々が責任を負うことになります。納車時には、覚えなければならないことが他にもたくさんあるのに、このようなことを要求するのは非現実的です」
これに対しフェネル氏は、店側はガイダンスを行うだけでよいとし、「機能の説明や、詳細情報を入手できる場所を紹介することで、購入者はシステムの仕組みを理解することができる」と述べている。
独自調査:ディーラーはADASについて説明できているか
DG Citiesの調査結果を受けて、AUTOCAR英国編集部はディーラーのADASに対する姿勢を調査した。記者の1人が客を装い、英国の新車ディーラー4社と中古車ディーラー1社を訪れた。
結果としては、全体的にポジティブなものだった。例えば、フォルクスワーゲンのディーラーでは、ADASは支援機能のみでドライバーの代わりになるものではないと正しく説明を受けた。フォードでは、製品ラインナップで自動運転機能に似たものを持つのはマスタング・マッハEのみで、オプションの『ブルークルーズ』を指定した場合のみだと説明された。
ミニのディーラーではADASについて非常に詳しい説明があったが、ヴォグゾールでは、販売員はレーンセンタリング(車線中央維持)とレーンキープアシスト(車線逸脱防止)の違いを説明できなかった。中古車ディーラーでは、販売員は「ADAS」という用語を知らなかったが、機能リストを参照することで対象車の主なADAS機能を特定した。
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