トヨタ、ホンダ、ルノー、シボレー、そしてプライベーター参戦のフィアットなど、毎戦マルチブランドが表彰台を占めるアルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権、TC2000(旧スーパーTC2000)の2023年第7戦が7月14~16日の週末に開催された。
シーズン折り返しとなった1戦でもルノー陣営アクシオン・エナジー・スポーツTC2000が強さを誇示し、レース1はTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)のエース、ジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラTC2000)を振り切ったマリアーノ・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)がシリーズ初優勝を達成。
ルノー、トヨタ、シボレー、ホンダがトップ4を分ける激戦。選手権首位が交代/TC2000第6戦
続くレース2でも、その兄であるシリーズ最年長チャンピオン、リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が今季4勝目、カテゴリー通算30勝に到達する節目の勝利を飾り、ルノー勢が週末完全制圧の勢いをみせた。
最高出力で500PSに迫ろうかという2リッター直列4気筒直噴ターボを搭載する“世界最速”のFFツーリングカー選手権も、第7戦で後半戦の開幕を迎えた。その舞台となった同国北西部ラ・リオハ州の山間部に位置する美しい山並みを望むアウトドローモ・シウダード・ラ・リオハでは、約13年ぶりのイベント開催となる。
その対策として、普段は3回設定されるフリープラクティス(FP)の前にトレーニングセッションが設けられ、各レギュラー勢がコース習熟とセットアップ確認に精を出すと、ここで王者が貫禄のトップタイムを奪取。2番手にはオクタノス・コンペティションの伏兵、ルイス-ホセ・ディパルマ(フィアット・クロノスTC2000)が続くひさびさの開催地らしい展開となる。
そのまま土曜午前中に継続された本来のFP1では、今季初優勝から前戦で連勝を記録する好調ファクンド・マルケス(ルノー・フルーエンスGT)が首位に立ち、FP2では新生YPFホンダRVレーシングのファクンド・アルドゥソ(ホンダ・シビックTC2000)が、同FP3はTGRAのカローラに乗るサンテロがトップを奪うなど、予選に向け各陣営が一歩も譲らない姿勢を示す。
■予選ではルノー勢が上位独占。決勝でも強さを披露する
しかしライバル陣営が食い下がったのもここまでとなり、現地午後の15時に始まった予選セッションでは、フルーエンスGTが他を圧倒する仕上がりであることが明らかに。サンテロのカローラが4番手に入った以外、トップ5をルノーが占拠する結果となり、王者ペーニャを先頭に18歳の新鋭イグナシオ・モンテネグロ(ルノー・フルーエンスGT)、マリアーノ・ペーニャ、そして5番手にマルケスが並ぶグリッドとなった。
日曜25分+1周の決勝レース1は、シリーズ独自のスタートドローによりマリアーノが先頭スタートの権利を手にいれると、その優位を活用した先頭走者はプッシュ・トゥ・パスを発動する際にも優れた戦略を実行。追い縋る68号車トヨタ・カローラのサンテロを抑えてシリーズ初優勝を飾ってみせた。
このレースで3位に入り、弟の勝利をともにポディウムで祝った兄リオネルは、正午に始まったレース2では一転して主導権を握り、スタート直後のターン1で発生したふたりとの争いを制することに。
チャンピオンとして、兄としての威厳を示したリオネルが、そのままサンテロ、マリアーノと前戦のポディウム順をひっくり返した隊列を率いてチェッカー。シーズン最多勝ドライバーとしてチャンピオンシップのリーダーに返り咲いた。
この結果、スタンディングでは前戦勝者、YPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのフランコ・ヴィヴィアン(シボレーYPFクルーズ)が26点差の2番手に続き、以下37点差でモンテネグロ、58点差の同率でホンダのアルドゥソとトヨタのサンテロが続くオーダーへと変わっている。
続くTC2000の第8戦は、2021年以来2年ぶりとなるコルドバのシウダード・デ・リオ・クアルト・オートドロームで8月5~6日に開催され、刷新された新たなレイアウトで争われる。
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