新車試乗レポート [2025.10.07 UP]
新型GRヤリス“進化のポイント”
【GRヤリス】進化を続ける走りの技術【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
『ガチ中のガチ』24式→25式はどう違う?
WRC譲りの走りが自慢のGRヤリス。2025年モデルは熟成を進めるとともに、プロドライバーが仕立てたオプションパッケージも新登場。全日本ラリー選手権に参戦する竹岡 圭がその魅力を分かりやすく語る。
●文:竹岡 圭 ●写真:澤田和久/TOYOTA
見た目以上の大進化! 乗って楽しいのは……実はAT!!
新型GRヤリス RZ“ハイパフォーマンス”【8AT】 ●価格:533万円 ●ボディカラー:プレシャスメタル(有料色:5万5000円)
新型GRヤリス RZ“ハイパフォーマンス”【6MT】 ●価格:498万円 ●ボディカラー:エモーショナルレッドII(有料色:5万5000円)
新型GRヤリス RZ“ハイパフォーマンス”+ エアロパフォーマンス パッケージ【8AT】 ●価格:582万5000円 ●ボディカラー:プレシャスメタル(有料色:5万5000円)
必要な部分を強化して、エアロでさらに高性能に
ゲームチェンジャーとまで言われた、20式から24式への進化と比べると、24式から25式への進化はブラッシュアップと言ってもいいくらいのもの。それなのに、これほどまでに違いがあるとは、やっぱりさすがGRだな……と、唸らされてしまいました。
24式ではボディを固めたので、25式ではボディとの締結剛性を向上させることを重要視し、特別なボルトが採用されました。ちなみに24式でもボディとショックアブソーバーの締結ボルトを1本から3本に増やし、アライメントの変化を抑制しました。各所の剛性が上がっても、取り付けがしっかりしていないと意味がないですからね。その締め付けトルクの違いだけでも、かなり差が出るそうです。
この進化に併せて行われたのが、ショックアブソーバーのチューニング。微低速域では減衰力をアップしてグリップ感を向上、中高速域は逆に減衰力をダウンさせ、接地性と乗り心地を改善しています。また、ESPはリニア感を出すことにこだわったんだとか。
今回は、サーキットでの試乗だったので一般道での乗り心地はなんとも言えませんが、接地性が向上しているのは確か。ステアフィールも手応え感がリニアとなり、より操っている感が増し、ライントレース性が上がることで、全体的にコーナリングスピードが上がったという感じです。
そしてGR-DATも進化。制御ソフトが変えられているだけではありますが、Dレンジでの変速がより細かく制御されていて、登坂勾配ではシフトアップタイミングを遅らせて、シフトアップ後も高出力を維持したり、ウェット路面等でドライバーがブレーキを踏み切れていなくても、積極的にシフトダウンしたり。また、全体的に変速速度が上げられている中でも、横Gが大きく掛かっている時は、シフトショックを抑えるためにゆっくり変速させるなど、相当気がつかわれています。
また、Dレンジに入れたまま自分でパドルシフトで変速できる回転数範囲を広げたり、MTモードではレブリミッターに当たっても3秒間はギヤをキープできるようになりました。これまでは、0・4秒間のキープだったので、ここでシフトアップして欲しくないな…という時もあったのですが、全体的に思うように操れる度が膨らんだという感じでしょうか。
とはいえ、プロのレーシングドライバーもDレンジに入れたまま、お任せで走っているそうで「速さだけで言うなら車重が20kg軽いため、現時点ではMTの方が速いですが、GR-DATはステアリングに集中できるので、サーキットを攻める上でも楽しいんですよ」とのこと。まったく同感です。
そして今回の目玉、エアロパフォーマンスパッケージ。6点のエアロパーツのパッケージオプションなのですが、当初フロントリップスポイラーは、考えられていなかったのだそう。ところがリヤウイングがものすごく効いて、フロントに少々抜け感があったため、最後に採用が決まったのだそうです。確かに、まだリヤが勝っている感じはありますが、旋回速度が明らかに上がり、富士スピードウェイで1秒差がつくんだとか。 今回もこちらがいちばん安定して乗りやすく、誰でもタイムが出しやすい仕様になっていました。
というわけで、見た目以上に進化していた25式ですが、24式買っちゃった人は……(涙)、となりますよね。そんな方のために、制御ソフトの書き換えはもちろん、ボルトワッシャーセット(台座をつければ20式もOK)や、エアロパーツ類も、追加で販売できるように認証申請中とのこと。すべてのユーザーへの対応を考慮してくれているのは嬉しい限りですね。
【25式】TOYOTA GRヤリス
●価格:356万~582万5000円 ●発表年月:'25年4月 ※エアロパフォーマンスパッケージは10月1日発売
モータースポーツ志向の“本気”モデルがアップデート
“走り”に全振りした4人乗りコンパクトカー。304PSの1.6ℓ直3ターボ・4WDに6MTまたは8AT(GR-DAT)をセット。トヨタ車で最もモータースポーツ寄りの車種であり、快適装備を排除したモータースポーツ参戦用の「RC」グレードも設定。プロドライバーが仕立てたオプションパッケージ「エアロパフォーマンスパッケージ」の追加も話題だ。
■主要諸元(RZ“ハイパフォーマンス”・8AT) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm): 3995×1805×1455 ●ホイールベース(mm):2560 ●最低地上高(mm):130 ●車両重量(kg):1300 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1618cc直列3気筒ターボ(304PS/40.8kg・m ●WLTCモード燃費(km/ℓ):10.8 ●タイヤサイズ:225/40ZR18
基本的な造型は24式を踏襲。操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15度傾け、レース車両譲りの視認性と操作性を獲得している。
高出力1.6ℓターボ・4WDを搭載。ミッションは6MTとスポーツ走行用に最適化された8AT(GR-DAT/写真)が用意される。
コントロールと乗り心地の両立を狙った減衰力調整を実施。EPS(電動パワステ)はグレードごとに特性を変え、リニアな手応えを追求した。
車体の動的制御に使用することが前提の縦引きパーキングブレーキ。すべてのグレードを対象にオプション設定を拡大している。
●エアロパフォーマンスパッケージ
妥協を排して開発された6アイテム(ダクト付アルミフード、燃料タンクアンダーカバー他エアロパーツ類)を同時装着することで冷却&空力性能が向上。
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