■ユニークすぎるオープンカーを振り返る
いまは連日のように猛暑が続いており、オープンカー好きには辛い季節です。しかし、陽光を浴びながら風を感じて走るオープンカーの魅力は、一度経験すると病みつきになります。
ホンダ「S2000」復活! ファンの声に応えた試作車を世界初公開!
現在、販売されているオープンカーは、折り畳める柔らかいビニール状の屋根のソフトトップと、耐候性や静粛性に優れた電動メタルトップが主流で、上部のみが取り外せるタルガトップもあります。
一方で、かつてはユニークなオープンカーが存在。そこで、面白いギミックを搭載していたり、珍しいタイプのオープンカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・マイバッハ「G650ランドレー」
さまざまな屋根のなかでも「ランドーレット」といわれる形態は、非常に珍しいタイプのオープンカーのひとつです。
ランドーレットの起源は古く、馬車の時代からあり、運転席と客席が分離されて運転席には屋根がなく、後席のみに幌などの屋根を備えたものを「ランドートップ」と呼んでいました。
クルマの場合のランドーレットは後席のみがオープンとなるタイプで、パレードなどの際に要人や有名人を乗せることが主な用途でした。
ランドーレットは多くの販売台数が見込めないため、自動車メーカーが作るのではなく、外装専門業者(コーチビルダー)が市販車をベースに改造するケースがほとんどでした。
自動車メーカーがラインナップした例では、ドイツのコーチビルダー、バウアー社が1970年代に製造したBMW「2002 バウアーカブリオ」や2代目「3シリーズ」の「318 バウアーTC(トップカブリオ)」があり、後者は日本にも正規輸入されています。
近年では極少数の販売でしたが、高級車ブランド、マイバッハからエグゼクティブサルーン「62」の後席上部のみを開閉可能にした「62ランドレー」や、「Gクラス」をベースにしたメルセデス・マイバッハ「G650ランドレー」などがありました。
G650ランドレーはメルセデス・マイバッハ初のSUVとして、世界限定99台で2018年に販売されました。価格は日本円で約1億2000万円と途方も無い値段で、内装も贅の限りを尽くしています。
当時、G650ランドレーのプロモーションビデオが公開されましたが、南アフリカのサバンナで撮影されており、まさに大金持ちが後席に乗ってサファリを楽しむにようなイメージでした。
●ホンダ「CR-Xデルソル」
1983年に発売されたホンダ「バラードスポーツ CR-X」は、3代目「シビック」と多くのコンポーネンツを共有して開発されたライトウエイトスポーツです。
シビックよりもショートホイールベースとされ、軽量な車体と相まって高い運動性能を誇りました。
1987年には初代からキープコンセプトとしながら、より高性能なエンジンを搭載した2代目が登場。
そして、1992年に発売された3代目「CR-Xデルソル(delSol)」は大きくコンセプトを変え、タルガトップのオープン2シーターモデルへと変貌しました。
ルーフの開閉機構は2種類あり、ひとつは手動の脱着式で、もうひとつが電動の「トランストップ」と呼称されたタイプです。
トランストップは屋根部分がトランクに格納されるのは手動式と同じですが、そのギミックが非常にユニークで、具体的には、まずトランクリッドが垂直に上昇し、リッドの左右からアームが伸びて、屋根の後端が少し持ち上がるとアームが屋根のなかに入っていき、そのまま屋根を保持した状態でリッドに格納するというものです。
ちょうど四角いお盆を両手で持つようなイメージで、当時は、かなり複雑な機構が開発されたということで大いに話題となりました。
CR-Xデルソルのトップグレードには、最高出力170馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒VTECエンジンが搭載され、4輪ダブルウイッシュボーンの優れた足まわりを採用するなど、スポーツカーといえる走りを実現しています。
しかし、トランストップは重量増につながり、2代目までのライトウエイトスポーツというイメージは薄れ、さらにオープン化されたことで、ボディ剛性の低下も懸念されました。
もともとCR-Xは走りを重視したユーザーから人気のモデルでしたが、3代目は従来のCR-Xユーザーから敬遠され販売は振るわず、この代をもってCR-Xは消滅してしまいました。
■面白いけど、日本では売れる要素が無かったオープンカーとは!?
●ルノー「ウインド」
2010年に欧州で発売され、2011年に日本へ正規輸入されたルノー「ウインド」は、丸みを帯びたカタマリ感のある独特なフォルムが印象的なオープン2シーターモデルです。
ウインドは同社のFFコンパクトカーの2代目「トゥインゴ」をベースに開発され、CR-Xデルソルと同様に屋根の開閉ギミックがユニークなものとなっています。
ルーフはメタルトップになっており、一般的には屋根が折り畳まれつつトランクルームに格納される構造ですが、ウインドの場合はトランクリッドが後方に向かって開くと、屋根が後端を軸に180度ほど回転して格納されるというものでした。
このギミックを採用した背景には、構造的に単純なので安く作ることができ、信頼性も高いというメリットがあったから思われます。
2012年にはルノーのチューナーだった「ゴルディーニ」の名を使った特別仕様車もラインナップされましたが、日本仕様は本国と同様に左ハンドルの5速MTのみだったことから、販売的には成功していません。
そのため、現在流通している中古車は100万円前後と安価で、人とは違うクルマが欲しいという人にはおすすめです。
※ ※ ※
前述のとおりランドーレットは馬車に由来しているとありますが、同じくコーチビルダーという言葉も馬車製造に由来しています。
クルマに関する用語には、ほかにも馬車の時代から使われているものがあり、たとえばクーペやリムジン、カブリオレ、ワゴン(ブレーク)などです。
自動車が誕生した頃は、まさに馬車をベースにエンジンを取り付けたようなモデルでしたから、ボディ形状に関する用語が馬車由来なのも納得できます。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
既存モデルの新車の「バックカメラ」が5月から義務化されます 本当にバック事故対策になるのでしょうか?
ホンダ 新型「プレリュード」まもなく復活!? 次期型“流麗クーペ”は「デートカー」それとも「スポーツカー」? 歴代初の「タイプR」登場はあるのか
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
ホンダのスゴい「新型軽バン」発売延期! 「100万円台」なるか 斬新「前後2人乗り」で注目も! 6月に価格発表、どんな声集まる?
みんなのコメント
シトロエン プルリエル は?
海外版ではクーペとハッチバックタイプの着せかえも出来た。