ホンダ軽キャン 主流はNバン
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】NボックスとNバン【ホンダのこだわりを比較】 全130枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
キャンピングカーブームに沸く中、2021年4月は首都圏でキャンピングカーショーが相次いで開催された。
まず、2021年4月2日から4日、2月開催予定がコロナ禍で延期になっていた国内最大級のキャンピングカー見本市「ジャパン・キャンピングカーショー」が千葉県幕張メッセで開催された。
筆者(桃田健史)は開催2日目の土曜日に現地を見たが、感染予防をしたうえでもかなりの数の入場者がいた。
場内をじっくり見て回ったが、やはり主力は筆者も日常で活用しているハイエースのバンコンであり、さらに軽キャンパーの需要が確実の伸びているように感じた。
そうした中で、あらためて「やっぱりNボックスはいないな」と思った。
最近のホンダ軽キャンパーといえば、もちろんNバンがベース車となる。
4ナンバーでありながら、カタログモデルとして商用モデル以外にプラス・スタイルファンという設定があり、車中泊、キャンプ、フィッシング、そしてバイクのトランスポーターとして、ライン装着のメーカーオプションとディーラーオプションが豊富に取り揃っている。
こうした商品設定は軽に限らず、日系の全メーカーのモデルラインナップの中では、Nバンが特化している印象がある。
そこには、ホンダという企業ならではの研究開発体制が深く関係している。
ホンダアクセスがNバン開発から関与?
ホンダのクルマづくりは、商品企画やマーケティングを本田技研工業(本社)が主導したうえで、子会社である本田技術研究所に商品の研究開発を発注するかたちをとってきた。
創業者:本田宗一郎氏が作り上げた、ホンダの特長である。
さらに、ホンダの用品開発販売会社であるホンダアクセスによると、Nバンに関しては、車両の初期開発段階から研究所の開発チームの中にホンダアクセスの社員も加わって商品化の協議を進めたという。
そのため、Nバンは数ある日本車の中でも、カスタマイズできる新車として完成度は極めて高い。
その上で、アフターマーケット事業者は、主にポップアップルーフなど、自動車メーカーやホンダ正規ディーラーでは法規対応などが難しい領域で勝算を探っている。
そうしたなかで、珍しいNバンキャンパーに出会った。
神奈川キャンピングカーショー(4月17日から18日:神奈川県相模原市特設屋外会場)にホンダカーズ神奈川中(かながわなか)が出展した「Rakuneru Nバン」だ。
謳い文句は「ホンダディーラーが本気で軽キャンパー、つくりました! 」
また、「安心のホンダ正規ディーラーだからカラーやグレード・オプション自由自在、サポートもおまかせ! 」とある。
実車を詳しく見てみると……。
フルパックでも新車プラス125万円
標準装備(Bプラン)では、全席を前に倒した状態で、ベットマットを敷き詰めてフルフラットになる。
こうした仕様はアフターマーケットに存在するが、これをホンダ正規ディーラーが新車として設定するのは珍しい。
また、フロア張り替え、天井のLEDライト、サイドテーブル、走行充電できるサブバッテリー、1500W正弦波インバーター、スイッチパネルと集中スイッチ、外部充電システムなどのパッケージで新車価格プラス100万円だ。
同社の説明員によると、フルフラットシートだけなど個別対応も可能だが、フルパッケージに比べると若干割高になるという。
このほか、オプションを含むAプランでは、18L冷蔵庫、200Wの太陽光パネル、大型テーブルを含めて新車価格プラス125万円で収まる。
軽キャンパーのコンプリートカーとしては、ホンダ正規ディーラーの安心感を含めて割安感がある価格設定だと感じる。
気になる下取り価格についても「もちろん弊社で対応する。市場価格はかなり高値」という。
また、期間限定プランとして、神奈川県葉山のRV施設での1泊2日体験プランを税込み1万円で提供している。
軽キャンパー初体験の人には、まず車中泊を体験してもらい、それから購入を考えてもらおうという、ホンダ正規ディーラーならでは手厚いカスタマーサービスである。
次期Nボックスにつながるヒントも?
また、Nボックス・ベースのキャンパーについても検討はしたそうだが、やはりNバンに比べると車内が少し狭くなり、基本のシートアレンジから改装が難しいという判断で制作していないという。
筆者自身もNボックス・オーナーなので、その気持ちはよく分かる。
初代Nボックス+ではフルフラットシートになるなど、車中泊向きな面があったが、そうした領域は2代目となりNバンに移行された。
たしかにNバンは軽キャンパーのベース車としては優秀だが、ユーザーやホンダ正規ディーラーが期待しているのは、次期Nボックスでの軽キャンパー対応だろう。
初代Nボックスの登場は2011年で、2代目にフルモデルチェンジしたのが登場から6年目の2017年。仮にこのサイクルが続けば、3代目登場はいまから2年先の2023年だ。
一般的に新車発売の2年前というのは、商品企画の骨子が固まり、初期プロトタイプが走り出し、またメーカーと部品メーカーとの間でもさまざまな試作品の検討に入るタイミングである。
ホンダは2020年4月から、四輪量産について本社と研究所が事実上の完全融合しており、市場の声が量産開発に直結するようになった。
次期Nボックスは、こうしたホンダ新体制の真価が問われるホンダとしての最重要モデルであることは間違いない。
電動化はもちろんのこと、軽キャンパーにも対応な基本設計と多彩なオプション設定に期待がかかる。
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