■パトカーの白と黒は法律で決まってる?
パトカー(パトロールカー)といえば、白と黒のツートンを思い浮かべる人も多いでしょう。
なぜ、パトカーの色はなぜ目立つ赤や黄色ではなく、白黒なのでしょうか。
「まさかお前が!」覆面パトカーの「ランクル」が登場!存在感がスゴイ!
パトカーといえば、白と黒のツートンカラーに赤い回転灯が特徴的です。
白黒パトカーの正式名称は、「警ら用無線自動車」もしくは「交通取締用四輪車」とされており、交通違反の取り締まりやパトロールなどをおこなっています。
パトカーには、トヨタ「クラウン」をはじめとして、スバル「レガシィ」や日産「マーチ」、スズキ「ソリオ」など、実はいろいろなモデルが採用されています。
一方で、ボディカラーは前述したようにすべて白黒のツートンカラーとなっており、特徴的なカラーだからこそ、多くの人に「パトカーだ」とすぐに認識されているといえます。
では、こうしたパトカーのボディカラーは、法律などによって定められたものなのでしょうか。
警察庁の広報担当者は、パトカーのボディカラーの規定について「道路運送車両法の保安基準を含め、法令にパトカーの塗色を白黒ツートンとする規定はありません」としつつ、以下のように説明します。
「1955年にパトカーの塗色が白黒ツートンに統一されて以降、広くパトカーの塗色として認知されているので、現在も白黒ツートンを採用しています」
一方で、道路運送車両の保安基準第49条の2「緊急自動車」には、「緊急自動車は、当該自動車が緊急自動車であることを他の交通に示すことができるものとして、車体の塗色に関し告示で定める基準に適合しなければならない」という規定はあります。
この「告示で定める基準」とは、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の第153条の3に記された基準を示しており、「緊急自動車の車体の塗色は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする」と定められています。
つまり、パトカーは白黒のツートンにすることまで定められていないものの、白をベースとするという点については、法令によって定められているということです。
パトカー以外の緊急車両としては、例えば、救急車もこの規定に則る必要があるため、ボディカラーには白が採用されています。
では、そもそもパトカーがツートンになった背景にはどのような理由があるのでしょうか。
前出の警察庁担当者は、このことについて以下のように話します。
「1950年頃から、ボディ全体を白色にした警察車両が見られましたが、未舗装道路がほとんどであった当時の道路事情により、車体の汚染が激しかったため廃止に至りました。
そこで、警視庁が米国のパトカーを参考にして在来の黒色セダン型車両を基本に白黒ツートンを採用し、1955年に全国的に統一され、現在に至っています」
何気なく目にしているパトカーですが、白黒のツートンカラーが採用されている経緯にも、深い理由があるといえます。
※ ※ ※
そんなパトカーですが、日本で本格的に導入されはじめたのは1950年頃とされています。
前出の担当者は「1950年6月に警視庁に導入された3台のパトカーが、国内で初めて導入されたパトカーです。このパトカーはトヨタ、日産、いすゞが製造したもので、塗色は白黒ツートンにはされていませんでした」と話します。
さらに、パトカーが導入された当時は、公用車としての導入数が足りず、一部では警察官の私有車も使用されていたようです。
その後、少しずつパトカーは導入数を増やし、現在では人々にとって一般的な存在となっています。
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