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マツダ デミオ 13-SKYACTIVは低燃費技術だけでなく総合力の高さに驚かされた【10年ひと昔の新車】

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マツダ デミオ 13-SKYACTIVは低燃費技術だけでなく総合力の高さに驚かされた【10年ひと昔の新車】

2011年6月、次世代低燃費技術「SKYACTIV-G」を搭載したマツダ デミオ 13-SKYACTIVがデミオのマイナーチェンジとともに登場した。低燃費技術を身につけた1.3L直4DOHCエンジンとアイドリングストップシステム「i-stop」を組み合わせに大きな注目が集まったが、その走りっぷりはどうだったのか。Motor Magazine編集部は発表後まもなく箱根で行われた国内試乗会に参加、その模様をレポートしているので、今回はこの時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年9月号より)

従来モデルに比べて明らかにリニアリティが向上
クラストップの低燃費を実現したというデミオ13-SKYACTIV、その走りっぷりはどんなものかと興味津々だったが、その試乗会を箱根で行うという案内が届いた。マツダがその出来映えにいくら自信を持っていたとしても、低燃費志向のコンパクトカーなのだから、アップダウンのきついワインディングロードが多い箱根では厳しいだろうと思っていた。アイドリングストップをデミオとして初めて装備したことでもあり、平坦な都市部で行った方がいいのではないかと感じていた。

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そして、試乗会当日は台風6号の影響を受け、試乗会場となった箱根付近は大雨、正直なところ、この天候と箱根の道では、新しいデミオの良さはわからないだろうなと、半ば諦めつつ箱根へ向かったのだった。

ところが、意外なこととはあるものである。13-SKYACTIVを借り出して数十メートル走っただけで、ステアフィールの良さに驚いた。今回のマイナーチェンジではボディ剛性のアップやブッシュの改良、ダンパーチューンの見直し、CVTの特性変更などが行われているが、従来モデルに比べて明らかにリニアリティが向上している。ハンドルを回したときのメリハリある手応えは、このクラスとしてはかなり上質だ。

低燃費化によるパワーダウンのハンデはまったく感じられない
ここまでは13-SKYACTIVに限ったことではなく、新しいデミオ全般の話ということになる。

肝心の13-SKYACTIVの運動性能はどうだろうか。初めは平坦で緩やかなコーナーが続く道を走ったが、絶対的なパワーは必要にして十分なものがあった。スペックは最高出力が84psで最大トルクは112Nmと大人しいものだが、車重が1010kgと軽量なこともあるのだろう、まったく不満はない。そもそも絶対的なパワーよりも、足まわりがしっとりと、しかもしっかりしていることによる気持ちよさが際立っている。雨は降り続いている。台風特有のもので、時に強くなり、また小康状態になったりするが、路面は超ウエット、こんな悪条件下でこれだけの気持ち良さを感じさせるとは、見事という他はない。

さて、次に向かったのはアップダウンの激しい本格的なワインディングロード。その上り坂はさすがに厳しい。アクセルペダルを踏み込むとエンジン回転が一気に上がり、それにともなってCVTからも唸るような音が出る。豪雨でその騒音はかき消されたので、好天時にはどんなレベルなのかはわからないが、かなり大きい音であることは間違いない。

ただ、その音さえ気にしなければ、1.3Lの84psエンジンとしては力強さがあり、CVTと組み合わせることでアップダウンのあるワインディングロードもこなせるということである。下り坂では軽量コンパクトであることのメリットが十二分に発揮されて、クイクイと気持ちよく向きを変えてくれることは言うまでもない。ステアフィールの良さや運転の楽しさについては、国産の同クラスの中でもトップレベルにあると言っていいだろう。

さて、そろそろまとめに入らなくてはならない。まず、デミオ13-SKYACTIVは通常の1.3Lモデルである13C-Vに比べると、最高出力が6ps、最大トルクが8Nm少ないが、そのことによるハンデはまったく感じられなかった。そして、スカイアクティブという総合的な低燃費技術を身につけた上での総合力の高さに驚かされた。

ただ、13-SKYACTIVについては、やはり実際の燃費がどのくらいであるかということを確かめない限り、最終的な評価を下すことはできないだろう。それを試す機会がまもなくあり、その結果については次号で御報告するので、楽しみにしていただきたいと思う。(文:Motor Magazine編集部)

マツダ デミオ 13-SKYACTIV 主要諸元
●全長×全幅×全高:3900×1695×1475mm
●ホイールベース:2490mm 
●車両重量:1010kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1298cc 
●最高出力:62kW(84ps)/5400rpm
●最大トルク:112Nm(11.4kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF 
●車両価格(税込み):140万円(2011年当時)

[ アルバム : マツダ デミオ 13-SKYACTIV はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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みんなのコメント

10件
  • osa********
    ユーノス800のミラーサイクルのリベンジと言うところでしょうか?
    幾何学的には高圧縮比で遅閉じで実質的な排気量は下がるのだけど
    (下がった排気量辺りの仕事量としては上がるけど)
    既存のシャシを使ったので 確かエキマニを4in2in1にできなかったのかな?
    中速域のトルク不足をCVTで補う形だったのだろう
    フルスカイアクティブ(シャシからも新規で)ならば これまた新規の6ATと
    組み合わせて 燃費と走りを両立させられたのだろうけど
    ただこの代のデミオ1.3はミズスマシのようなすばしっこい走りで
    評価が高かったようですね(1.5スポルトよりもバランスが良かったようです)
    スイフトRSと並んで隠れた名車?でしたね
  • bms********
    SKYACTIV-ATの開発が間に合わなかったのか、低燃費を実現するためか、マツダ車で唯一のCVT搭載モデル。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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