ホンダは9月21日、カリフォルニア州を拠点とするホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)をホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)の枠組みに加え、『HRC US』とすることを発表した。
ホンダは2026年にF1に正式復帰し、アストンマーチンとタッグを組むことになるが、HRCを北米も含めてグローバルな組織とすることで専門知識を結集させるのが、今回の再編成の狙いと見られる。
■ホンダ北米HPD、アキュラLMDhマシンでのル・マン参戦に向けて「準備万端」も”ゴーサイン”は日本次第
新生HRC USはこれを機に、F1を含むホンダのグローバル四輪モータースポーツの活動を担っていくという。
HPDは1993年にインディカー・シリーズ用のエンジンを製造するために設立され、インディ500での15勝を含む510レースで280勝を挙げている。
近年はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦にも事業を拡大。デイトナ24時間レースでは3連覇を達成。タイトルも獲得するなど結果を出している。
現在はLMDh規定の車両である『アキュラARX-06』がIMSAのGTPクラスに参戦しているが、これまではHRCとHPDが別組織だったこともあって、ARX-06がFIA世界耐久選手権(WEC)やル・マン24時間レース参戦は実現してこなかった。
しかしHPDがHRCに統合されることにより、ホンダまたはアキュラのWECおよびル・マン24時間プロジェクトが実現する道筋がよりスムーズになるだろう。
ARX-06を走らせるウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティは以前、ル・マン24時間レースへ挑戦する「準備が充分に整っている」とコメントしている。
HRCの渡辺康治社長は、次のように語った。
「HRCブランドを高め、Hondaのモータースポーツ活動を持続していくために、日米Hondaのモータースポーツ開発力を束ねた一体運用は大きな力になるでしょう」
「日米HRCのエンジニアが協調すればより強くなることができると確信しています。アメリカのスタッフがHRCの仲間になることを心より歓迎します」
HPDの社長であり、HRC USでも同じ役割を担うことになるデビッド・ソルターズは次のように語った。
「HPDには有能な技術者たちが切磋琢磨して、過去30年に渡る北米でのホンダのレーシング・ヘリテージ構築に貢献してきた実績がある」
「これからはグローバルなレース組織の一員として、日本のHRCメンバーとともに世界のレース界でホンダ・レーシングを体現していく役割を担うことを光栄に思う。変わらず米国でのレース活動に取り組みながら、グローバルな舞台で人と技術を磨いていく」
ソルターズはル・マン24時間レースを含むWECでARX-06を走らせることについて、「我々は常にWECを視野に入れる必要がある」と語った。
「我々には素晴らしいARX-06がある。シャシーパートナーのオレカと、レースチームが素晴らしい仕事をしてくれている」
「我々はこのマシンに惚れ込んでいるし、WECに参戦する資格もある」
「我々は(レース活動が)ビジネス、ブランド、マーケティングの面で意味がなければならないと言ってきた。私としては、競争という意味で筋が通っているかどうかが非常に重要なんだ」
「競争力がなければレースはしない。大変すぎるからね!」
「我々は皆、世界的にモータースポーツを見ており、それが理にかなっているかどうかを評価する必要がある」
ソルターズは、WEC参戦時期について2024年の実現は否定。次のように語った。
「まだ概要は決まっていない。将来の方向性について何が理にかなっているのか、常に検討している。我々は将来の戦略を検討しており、今のところ明確なタイムスケールはないが、真剣に評価している」
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みんなのコメント
依然として「参戦費用も技術開発もアメリカホンダの独自調達である」ことは変わらない