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モーター+圧縮空気の噴出も動力! 最高速568km/hのブルガリア製ハイパーカー「アリエノ・ウナム」はガチなのか夢想なのか?

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モーター+圧縮空気の噴出も動力! 最高速568km/hのブルガリア製ハイパーカー「アリエノ・ウナム」はガチなのか夢想なのか?

 この記事をまとめると

■ブルガリアのアリエノ社はハイパーカー「ウナム」を構想している

バットマンの「プライベートカー」は超絶ハイパーカー!? ピニンファリーナの「ゴッサム」にため息しか出ない

■ウナムは各車輪に6個、4輪合計で24個のモーターにスラスターを組み合わせたハイパーカーとされる

■現時点ではCGによるモデリングでローンチは2024年から2027年とされている

 ブルガリアからかつてないハイパーカーが誕生する?

 ランボルギーニ・アヴェンタドールとバットマンのバットモービル、そして映画「エイリアン2」に登場したエイリアン・クイーンをコンバインさせたスタイル。それが、ブルガリア生まれのハイパーカー、アリエノ・ウナム。

 24個ものモーターを搭載したEVであり、かつ圧搾空気を用いたスラスターを駆使して激走するというモビルスーツもビックリなマシンです。デザインや性能はともかく、どことなく中2テイストを漂わせるアリエノですが、果たしてどんなストーリーなのか探ってみました。

 同社の創始者であり、チーフコンストラクター兼デザイナーというアーメド・メルチェフ氏がアリエノ構想を抱いたのは2005年のことだそうで、それから7年の月日を基礎設計に費やし、最初のプロポーザルモデル「アリエノ・アーカナム」へとたどり着いたとのこと。

 これは「アヴェンタドールにインスパイアされたスタイルであり、同車にEVがあったとしたら思いつかなかった」と本人が告白しているとおり、ちょっとした「ソックリさん」といえるでしょう。

 設計構想としては、モーターの数や搭載バッテリーによる性能差を持たせた複数のラインアップが特徴で、この時点では圧搾空気を用いたスラスターというアイディアは未装備でした。また、アーカナムについては、テスト車両など実車が製造されることはなく、すべてCADやCGによるモデリングに終始しており、現時点ではウナムも同様(ベアシャシーらしきものはありそう)です。

 ウナムは、2015年にその構想とCGレンダリングが発表され、上述の24モーターやスラスターというアイディアで世界中にインパクトを与えたのですが、いまだサンプルは仕上がっていない模様。

 はっきりいって、コンセプトやスタイリングはいくらでも理想を掲げられるもので、5000馬力や500km/hオーバーという最高速にしてもあくまで理論上とか、設計目標というエクスキューズが可能でしょう。

 ハイパーカーの構想をブチ上げ、出資者を募るという手法はアレハンドロ・デ・トマソの時代から鉄板の手法ではありますが、果たしてメルチェフ氏が実現できるのかどうかはダウトといわざるを得ません。

 机上の空論で終わらないことを切に願いたいアリエノ・ウナム

 ですが、ブルガリアには質素ながらアリエノの工場が建築されているほか、カーボンパーツの製造向けオートクレーブも2基、工業ロボットの導入も報告されるなど「実現に向けて着々と進んでいる」様子もうかがえます。

 また、ベールをかぶっていながらも、タイヤがついたベアシャシーも公式動画に映るなど「それっぽい」シーンもあり、一概にインチキともいい難い、というのが現状ではないでしょうか。

 こうしたバックグラウンドを無視して、ウナムに投入されるテクノロジーを見ていくと、やはり驚きの連続です。1本のホイールに対し、最大6個のモーターを装備して、それぞれを制御することでよりパワフル、かつ緻密なパワーデリバリーを実現(する予定)とか、コンプレッサーで蓄えられた圧搾空気をダウンフォース&グリップ方向に役立てる、あるいは制動、はたまた路上のごみを吹き飛ばすといったアイディアはたしかに画期的。

 もっとも、地上戦に特化したスラスターを装備したモビルスーツ「ドム」は似たようなコンセプトなので、ガンダム好きにはさほど新鮮には思えないかもしれません(笑)。

 それでも、ウナムの公式パフォーマンスを鵜吞みにすれば、最高速は568km/hであり、グラフェンLiPoバッテリーの採用によりリチウムイオンバッテリーよりも短時間でフル充電ができ、TRS(The Rocket Successor)と呼ばれる電気と空気による駆動と制御のための高度なアリエノ独自の技術によって予防安全についても万全! ということに。

 また、ローンチ時期は早くとも2024年から2027年の間とマージンがもたされているものの、工場の様子を見れば、ギリギリ2027年に1台めができるかなという雰囲気。

 いずれにしろ、いうは易しというやつで、実車が設計どおりに動いてくれるかどうかは別問題。ハイパーカーの世界は驚きのパフォーマンスやヘンテコなアイディアがもてはやされ、目立ったモノ勝ちなところも少なくありません。アリエノ・ウナムがそんなインチキマシンでないこと、あるいは机上の空論で終わらないこと、切に願いたいものです。

文:WEB CARTOP 石橋 寛
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みんなのコメント

1件
  • k_k********
    むかしアルファロメオのF1チームが
    車体下の空気を吸い取って車体を地面に押しつける
    ダウンフォースを得るマシーンを投入したことが
    あるけど、後ろを走っているドライバーがモロに
    ゴミや風圧を受けるってクレームがついて
    あえなく禁止になった事があるけど
    このクルマも周りのクルマにホコリを撒き散らし
    ながら走るのかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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