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レクサスUX300e試乗記(前輪駆動 電気自動車)

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レクサスUX300e試乗記(前輪駆動 電気自動車)

先日もレクサスからEVコンセプトカーLF-Zエレクトリファイドが発表され2025年までに全車に電動モデルを用意するという話があった。またライフサイクルでカーボンニュートラルの実現が第1のテーマでもあると。そのレクサスからレクサス初の100%電気自動車「UX300e」がカタログモデルに加わり、早速試乗してきたのでお伝えしよう。

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このUX300eは、TNGA-Cのプラットフォームを使ったプレミアムコンパクトSUVのUXを、バッテリーEVにしたモデルでUXには、NAエンジンモデルとハイブリッドモデル、そしてバッテリーEVモデルがラインアップしたことになる。つまりマルチソリューションであり、利用環境によって最適なパワートレーンを、ということなのだが、中国市場を考えるとBEVが必要であり、国内ではフルラインアップになっているわけだ。

UX300eは当初2019年の広州モーターショーでワールドプレミアされ、早期に国内デビューという予定だったが、バッテリーの調達に時間がかかり、2020年10月に135台だけ限定発売している。そして今回、2021年4月以降は通常受注できるということだ。

ボディサイズは全長4495mm☓全幅1840mm、全高1540mmでホイールベースは2640mmのCセグメントサイズとなっている。

ファーストインプレッションはNAとハイブリッドモデルとは随分乗り味が違うなぁというもの。より上質な乗り心地と高い静粛性をもち、剛性感もあがってプレミアムEVモデルに相応しいと感じたのだ。

関連記事:【試乗記】レクサスらしい豪華装備とゴージャス感をもつ「UX」は都会が似合う

NAエンジンは最新のダイナミックフォースエンジンで、熱効率40%以上を達成するICEなのだが、アクセルを戻すとエンジン回転がアイドリング付近にまでさがり、そこから再加速させるとエンジンの回転が急激に上昇するため、エンジンの音が気になっていた。また軽快に走るものの旋回性が強く、狙いよりインに入っていくハンドリングに特徴があると感じていた。試乗したのはUXがデビューした2018年当時で、旋回性を高めるACAアクティブコーナリングアシストの制御に特徴があると感じていた。

そうしたちょっと気になっていた部分がこのUX300eにはなかったのだ。もちろんエンジンを搭載していないので、エンジン音はない。またややもするとオーバーステアと感じさせる制御も強くは感じなかった。ACAの制御は回頭性を高める制御であるため、リニアというよりは「思いの外よく曲がる」といった印象だ。これは重量の違いからそう感じるのか、あるいは制御そのものが別な制御の可能性もある。

そしてポイントは静粛性だろう。まず床下にバッテリーを配置し、井桁形状の鋼鉄製アンダーフレームに搭載。フロアと面で固定されているのだ。これがいろいろと良い点を生み出しているように感じる。

というのは、ボディの剛性があがりしっかり感が伝わってくる。そして路面からの衝撃が緩和され、しなやかな動きになる。さらにバッテリーパックに遮音性をもたせているので、静粛性が上がるといった美点が産まれている。

さらにUX300eはフロント・サイドメンバー間をクロスメンバーでつなぎ、ステアリングギアボックスにブレースを追加することで締結点の剛性を向上させているのだ。

こうしたポイントが電気自動車の特徴である高い静粛性と、なめらかな走り、そしてキャビン全体の剛性が上がることによる安心感と高級感、上質さに繋がっていると思う。ただ、こうした静粛性の高さは各社とも挑戦している領域であり、この先プレミアムブランドとしての価値は、さらに別な魅力が必要になってくるだろう。

搭載しているリチウムイオンバッテリーは54.4kWhでWLTCモードの航続距離は367kmとなっている。搭載するモーターは150kW(203ps)/300Nmと強力で、コンパクトボディで200psオーバーはパワフルだ。

そのパワフルさを音でも味わえるようにASCアクティブサウンドコントロールというスイッチが運転席の右側下部に設置されている。文字通り聞こえる音をコントロールするシステムだが、ジャガーのように完全ギミックのICE内燃機関のサウンドを作っているのではない。

インバーターやモーターの音を大きくしているようで、キーンというEV車独特のサウンドで未来感たっぷりの加速音を聞くことができる。とくにドライブモードでスポーツを選択したきは、これまでにないサウンドではあるが、違和感なく逆に好意的に感じるサウンドを体験できる。だがスポーツモードでステアしながらフル加速をするとトルクステアがあり、このあたりの制御修正は必要だと思う。

操舵では微小舵角でもしっかりクルマは動き、好感度はあるが大舵角になるほど巻き込んで行くような印象を受ける。これは、リニアフィールとは少し異なると思うがレクサス匠の味付けは、こうした旋回性の高さを表現しているのだろう。

一方ブレーキにも課題を感じた。特に停止寸前の踏力調整が難しくカックンブレーキになってしまうことが多く、最後の詰めは、もう少し細かい制御を期待したい。

モーターによる回生ブレーキは、パドルシフトで減速力を変化できるのはいい。ワインディングではこうした減速Gの違いは扱いやすく、スポーティドライブが楽しくなるアイテムの一つといえる。Dモードではこのパドルで2段階の減速ができるが、Bモードを選択しているときは4段階に減速Gが変化するので、より意のままに減速することができる。

充電口は右側が急速充電用で50kWのCHAdeMO対応で、左側は200V/3kWの普通充電ができるように左右に別れている。充電に必要な時間は別表を参照してほしい。

インテリアは従来のUXとほぼ同じ仕様で、EV用のメーターパネル内表示が異なっている程度の違いだ。ただナビ操作系は左手でマウスパットを操作するのには少しの慣れが必要で、高齢者オーナーが多いレクサスとしては、インターフェイスはもう少し寄り添ったもののほうが評価は高くなるのではないかと思う。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

<h2>価格</h2>

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