■もはや「最低レベル」だけど「移動手段」ならいいでしょ
電動化や先進機能の搭載など、大幅に進化した新型車ですが、そういったものが一切不要な途上国には、日本ではすっかり姿を消した旧モデルが未だに販売されているケースがあります。
【画像】超カッコイイ! これがスズキの99万円「8人乗りミニバン」です! 画像で見る(61枚)
そのひとつがスズキの5人乗りバン「ボラン」です。
ボランは1982年に登場したコンパクトバンです。スズキのパキスタン法人「パック・スズキ」が現地工場で生産を担当しました。
旧車そのままといった、非常に古めかしいデザインですが、2025年7月現在もまだ新車で購入が可能です。
海外モデルでありながら全体的な雰囲気は見覚えのある人もいそうなものですが、無理はありません。なぜならばボランは1982年に登場した軽商用バン「エブリイ」初代がベースだからです。
日本では現行モデルが6代目まで進化したエブリイが、パキスタンでは登場から40年以上経過しても、そのまま残っているのです。
ボディサイズは全長3255mm×全幅1395mm×全高1845mm、ホイールベースは1840mm。乗車定員はエブリイとは異なり、5人乗りです。オプションで8人乗りも設定されています。
当時の軽自動車そのままであるため、サイズは旧規格の非常にコンパクトなもの。カラチやペシャワールのようなスラムでも取り回しは良好です。
エクステリアはやはり初代エブリイそのもので、一切の飾り気を廃した、実に質素なものです。大きな角目2灯のヘッドライトに塗装なしの黒バンパーを装着しただけ。一応両ライトの間にはグリル風のガーニッシュを備え、少し若返っています。
スライドドアは小さく、給油口はキャップ剥き出し、今や懐かし装備ともいえるサイドマーカーをピラーに備え、モールなどの類は一切ありません。
インテリアも実用特化の道具といった趣で、やはり加飾はなし。布張りどころか、各トリムも一部が省略され、外板がむき出しのままです。ダッシュボードは樹脂の塊といった形で、エアコンの吹き出し口もありません。
収納は助手席に小さなグローブボックスと、運転席のドリンクホルダーの2つ。インパネ上部はトレイのような形状で、荷物をそのまま置けそうです。
メーターは非常にシンプルな120km/hのスピードメーターと燃料計、水温計と各種警告灯のみ。ステアリングはエアバッグのないウレタンの4本スポークでオシャレさはゼロです。
ただし最新モデルでは、シートやドアにブルーのカラーを配し、ちょっとした清潔感を醸し出しています。
装備も非常に簡素で、先進運転支援はなく、パワーウインドウすらありません。最低限フロントシートベルトがありますが、リアはオプションでも選べません。さすがにエアコンはオプションで対応しています。
特筆すべきものとしてはラジオデッキの設定で、BluetoothやUSB接続、MP3にも対応。盗難防止のイモビライザーも備わり、この部分だけはエブリイ登場当初から大進化しています。
パワートレインは最大出力37馬力・最大トルク62Nmを発揮する796ccの直列3気筒エンジンに4速MTを組み合わせ、後輪駆動です。燃費は市街地では12km/L、高速では13~14km/Lをマークするとされています。
ラインナップは5人乗り乗用仕様をベースに、最大積載量550kgを確保した2人乗り商用仕様も用意。先出の通りエアコンや8人乗りオプションも設定し、現地価格は194万パキスタンルピー(約99万円)からとなっています。
パキスタン本国でも古さを隠しきれないようで、現地の新車レビューサイトの評価も高くはありませんが、一切の贅沢は不要な「ただの移動手段」として割り切るのであれば、いくらか魅力的にうつります。
※ ※ ※
途上国ではボランのような旧モデルが長く販売されています。未舗装で狭隘な道が多いうえ、安全基準や排ガス規制も緩く、コストのかからない旧設計のままのほうがメリットがあるためです。
むしろ陳腐化したシンプルな構造であるぶん、簡単な工具やいくつかのパーツさえあれば保守整備が可能で、ロングセラーのため整備の知識や予備パーツのストックも豊富なのです。
なおスズキは2024年10月、ボランの後継となる「エブリイ」を現地で発表し、11月から販売開始。しかし、価格は1.5倍以上と非常に高額になってしまいました。
2025年7月現在、パキスタンの一部ディーラーではまだボランの新車在庫が残っているようで、しばらくは新車購入が可能です。(くるまのニュースライター 伊勢崎剛志)
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みんなのコメント
①装備の義務化
②ライバル他社も装備してるから
の2点でどんどん無駄な装備が付き、高価格になっている。
この状況に一石を投じるメーカーが現れないものか…