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なつかしキャッチコピー「未体験ゾーンへ」「街の遊撃手」は何のクルマ? 日本車が熱かったバブル時代は広告も個性的でした【カタログは語る】

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なつかしキャッチコピー「未体験ゾーンへ」「街の遊撃手」は何のクルマ? 日本車が熱かったバブル時代は広告も個性的でした【カタログは語る】

懐かしのクルマのキャッチコピーを振り返る

クルマのキャッチコピーというと、CMやカタログで見聞きしてパッと思い浮かぶものも少なくないのではないでしょうか。今回は1980年から1990年にかけての懐かしのキャッチコピーを集めてみました。日本車が熱く、どれも個性的だった頃、おのずとその思いがコピーにも反映されていました。そんな良き時代の空気をカタログとともに振り返ってみます。

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未体験ゾーンへ(初代トヨタ ソアラ/1981年)

当時のメルセデス・ベンツ「SLC」、BMW「6シリーズ」など、欧州メーカーのラグジュアリークーペと肩を並べるクルマとしてトヨタが開発した渾身の作。搭載エンジンには新開発の2759ccの6気筒DOHCの5M-GEU型(170ps/24.0kgm)をフラッグシップに据え、これを「2800GT」に搭載。さらに全車4輪独立懸架、4輪ディスクブレーキ、トヨタ車初のラック&ピニオン式ステアリング(パワーアシスト付き)なども与えられた。初採用のデジタルメーターなど、まさに「未体験ゾーン」を体現。

シティは、ニュースにあふれてる(初代ホンダ シティ/1981年)

存在そのものが、すでにニュースになっている。しかも、ひとつひとつの性能をつぶさに見ていけば驚くほどのニュースがつまっている。発想も、性能も、感性も……とは発表当時の広報資料にあった一節。もちろん「街」とクルマのシティをかけてのコピーだったが、トランクに収まるバイクのモトコンポの同時開発は世界初など、とにかく話題づくめの元気さあふれるコンパクトカーだった。ムカデダンスのCMもおなじみだろう。

シニア感覚(初代いすゞ ピアッツァ/1981年)

いわずと知れた巨匠G・ジウジアーロ率いるイタルデザインにより生み出された「アッソ・ディ・フィオーリ」を原形にイメージを大きく崩すことなく量産化されたのがこの「ピアッツァ」。当時のFR「ジェミニ」をベースとしたため前後トレッドが狭かったことを除けば、まさにショーモデルさながらの近未来的なムードは当時の他の国産車とは一線を画した。デジタルメーターやサテライトスイッチなど、インテリアも斬新。だが、大人の粋を楽しむクルマとして、シニア感覚と謳われた。

ディープだ。(ブリヂストン レグノ)

今でも現役のモデルとしてラインアップされているが、「レグノ」はブリヂストンが打ち出した、静粛性の高さ、居住性のよさを商品特性としたタイヤ。その最初のモデル(60ならGR−03)は、正確な資料が手元にないのだが80年代初頭の発売で、当時、冠スポンサーだった土曜日深夜のTV番組「ベストヒットUSA」を見ていると、合間にCMが流れていた。バラード曲(この話を始めると長くなるので今回は割愛)とフェラーリ、アウディ「クワトロ」がランデブー走行する映像と、だたひとこと「ディープだ」とナレーションが入るCMは、見ていて惚れ惚れさせられた。

デュエットクルーザー(ホンダ バラードスポーツCR-X/1983年)

正式名「バラードスポーツCR−X」と言った同車は、1983年登場の「ワンダー シビック」(3代目シビック)と同時に登場。バラードそのものはシビックの兄弟車の位置づけだったが、同車はとびきりファンなライトウェイトスポーツとして誕生。2200mm足らずの短いホイールベース、コーダトロンカの特徴的なスタイルは2代目にも受け継がれた。クルマ的には走りの面白さが注目だったが、広告宣伝はポップかつソフトに若いカップルをフィーチャーし「デュエットクルーザー」と打った。

街の遊撃手(2代目いすゞ ジェミニ/1985年)

オペル「カデット」などとともにGM「Tカー」の日本版として1974年に登場したのが初代「ジェミニ」。一方で1985年に登場したこの2代目は、FF方式(初代はFR)採用の、まったくのいすゞオリジナルとして開発された。ハッチバックとノッチバックセダンの2タイプのボディを用意。グリーン、ピンクなどポップなボディ色も印象的だった。そして小気味よい走りのイメージを伝えたのが「街の遊撃手」のコピーとともに、アクロバティックな映像にハッとさせられたTV−CMだった。

インテリアイズム(マツダ ペルソナ/1988年)

人気を博したトヨタの「カリーナED」(1985年)の対抗馬としてマツダが作ったのがこの「ペルソナ」(と「ユーノス300」)。雰囲気重視(?)の4ドアハードトップである点はEDと共通だったが、このペルソナでは贅を尽くした室内空間をアピール。手縫いの本革内装を設定し、後席はラウンジのソファのようなラウンドした形状とし、置くだけのアームレストクッションを用意。灰皿はオプション設定というこだわりもみせた。

アートフォースシルビア(日産S13シルビア/1988年)

通算5代目として1988年に登場したS13型「シルビア」。「ART FORCE SILVIA」とコピーそのものは至ってプレーンだったが、とにかくスタイリッシュでしなやかな2ドアクーペのフォルムは、まさしくコピーどおりの仕上がり。プロコル・ハルムの名曲「青い影」を使い、砂浜を走るシルビアを横から追いかけた映像も見入ってしまうものだった。このCM(ともちろんクルマの出来のよさ)のおかげで、当時の宿敵、「プレリュード」を負かす、まさにアートの力を発揮したのだった。

美しい妻と一緒です(日産レパード J.フェリー/1992年)

「シーマ」と共通の4.1LのV8も搭載した「レパード J.フェリー」は、もともと北米市場で「インフィニティJ30」として展開していたモデル。車名こそレパードを踏襲するも、『あぶデカ』で有名な先代のクーペとはまったく別路線のラグジュアリーな4ドアサルーンだった。NDI(カリフォルニアにある日産のデザイン拠点)でまとめられたスタイルも特徴的で、さらにポルトローナ・フラウ社製の本革シートが用意されるなど、極上の上質さにも配慮された。だから、美しい妻と……だったのである。 

幸せづくり研究所(初代オデッセイ/1994年)

最初にコピーだけを単独で読むと「何のこっちゃ?」と思えた。けれどそれが、「アコード」と同じラインでホンダが作った、初の乗用車ベースのミニバンのことなのだとわかると「なるほど」と思わせられる仕掛けだった。アダムスファミリーが3列シートに座るカタログの絵柄もシュールといえばシュールだったが、それほどのインパクトのあったことは確か。子育て世代向けに「こどもといっしょにどこいこう」とやった「ステップワゴン」とは好対照だった。

21世紀に間にあいました(トヨタ初代プリウス/1997年)

トヨタが開発した記念すべき世界初の量産ハイブリッド車。1997年の登場だったから(開発の現場は壮絶なものだっただろうが)余裕で21世紀に間に合った。登場時には確か、広告展開では鉄腕アトムを起用し、過去から見た未来がまさに現実のものとなったことも表現していた。ちなみに最初の車両本体価格は215万円(ナビパッケージは227万円)、10・15モード燃費は28.0km/Lだった。

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