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悩みは入手困難パーツ モーガン・エアロ8 UK版中古車ガイド(2) 実車の方がカッコイイ

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悩みは入手困難パーツ モーガン・エアロ8 UK版中古車ガイド(2) 実車の方がカッコイイ

入手困難パーツ多し オイルパンの凹みに注意

モーガン・エアロ8を維持する上で、最大の悩みとなっているのが独自開発の部品たち。入手困難なアイテムが多く、見つかっても修理は高額になりがち。少量生産のスポーツカーという性質上、避けられない事実ではある。

【画像】BMW V8で満ちる体験 エアロ8 プラス6に4 最新スーパー3とスーパースポーツも 全153枚

英国には熱心なマニアが存在し、スペアパーツを沢山ストックしている場合がある。壊れた部品の修理を請けてくれたり、新しく作ってくれる工房も少なくない。諦めず、時間を掛けて探す価値はあるだろう。

エンジンの搭載位置が低く、モーガン独自の浅いオイルパンは凹みやすい。後期型の4.8Lユニットの中には、路面へぶつかった衝撃でサンプが押し上げられ、潤滑不良で故障した例もあるという。サンプガードの装備は、賢明な選択といえる。

樹脂製のオイルフィルター・ハウジングも同様。割れるとオイル供給に支障をきたす。

サイドマフラーはシリーズ2以降のオプション

トランスミッションは堅牢。駆動系の僅かな異音などは、余り心配しなくて良いようだ。走行中は想像以上にうなりも聞こえるが、これは防音性が低いため。オートマティックの場合は、マニュアルモードやブリッピング機能の状態を確かめたい。

サスペンションのボールジョイントや、ハブベアリング、ステアリングラックは摩耗しがち。スプリングやダンパーは、SSL社製のアップグレード・アイテムへ交換可能。フロントタイヤの方が減りは遅いが、経年での硬化には注意したい。

シリーズ1には、マグネシウム製のセンターロック・ホイールが組まれていた。割れやすく、貴重なアイテムとなっている。入手できず、後期型の5ボルトハブへ交換されることも。サイドマフラーは、シリーズ2以降からオプションで設定された。

今回ご登場願った1台はシリーズ1。寄り目のフロントマスクは賛否両論あったが、クラシックカーとなった今では個性の1つとして馴染んだ様子。見る人を笑顔にしてくれる。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

前後のライト周辺、ボディパネルのエッジ部分、サイドのランニングボードなどが腐食しやすい。ソフトトップは経年劣化する。破れや雨漏りがないか観察したい。

エンジン

BMW由来のV8エンジンは、前部へみっちり収まる。整備時はボンネットだけでなく、フロントフェンダーやラジエターカウルを外す必要がある。エンジン自体は信頼性と耐久性に優れるが、モーガンが改良を加えた潤滑系や電気系統の不調には注意したい。

オイルパンやオイルフィルター・ハウジングの損傷を観察したい。樹脂製のタイミングチェーン・ガイドは割れがち。始動時のガラガラ音や、警告灯の点灯を確かめる。

可変バルブタイミング機構「ヴァノス」が不調になると、異音や出力低下を招く。オイル漏れや冷却水漏れ、ガソリン漏れにも要注意。

ブレーキとステアリング、サスペンション

リア・サスペンションは、マウントが破損しがち。ハブベアリングは劣化しやすい。パワーステアリングは、フルード漏れすることがある。ブレーキキャリパーの固着や、サイドブレーキの調子も確かめたい。

インテリアと電気系統

エアコンやパワーウインドウ、パワーシート、熱線入りガラスが正常に機能するか確かめる。警告灯の状態もチェックポイント。

シート表面の摩耗や、ステッチのほつれは想定できる。車内の不自然な湿りに要注意。ダッシュボードのエンジンターン模様は、プリント。一部の部品は入手が難しい。

モーガン・エアロ8のまとめ

見る人を笑顔にする個性的なボディと、運転する楽しさ、聴き応えのあるサウンドで、多くのオーナーが素晴らしい体験だと認めるエアロ8。信頼性にばらつきはあるが、基本的には悪くないようだ。

それでも中古車だから、最近まで調子良く走ってきた個体を探したい。ボディの腐食や電気系統の状態には、特に注意したい。

良いトコロ

実車の方が写真より格好良く、価格以上の注目を集められる。英国には熱心なマニアや、得意とするガレージも多い。高騰していない今が、買い時といえるかも。

良くないトコロ

信頼性が必ずしも高いわけではない。モーガン独自の部品は入手が難しい。ある程度の維持費は覚悟しておきたい。

モーガン・エアロ8(2000~2019年/英国仕様)のスペック

英国価格:6万2500ポンド(新車時)
生産数:約1200台
全長:4120-4147mm
全幅:1770mm
全高:1200-1250mm
最高速度:243-281km/h
0-97km/h加速:4.3~4.8秒
燃費:6.4-9.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:1135-1180kg
パワートレイン:V型8気筒4398・4619・4799cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:290ps/5400rpm-367ps/6300rpm
最大トルク:44.7g-m/3600rpm-51.6kg-m/3400rpm
ギアボックス:6速マニュアル/6速オートマティック/後輪駆動

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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