フレッド・バービシュは、フォード・マスタングGT3エボの鈴鹿デビューにおける最大の課題は、あらゆる「新しい」要素をうまくまとめ上げることだと考えている。もっとも、彼自身やチームメイトのクリス・ミース、デニス・オルセンは、自分たちがこのプログラムにもたらす経験には自信を持っている。
2025年のデイトナ24時間レースのGTDプロクラスをともに制したフォード・レーシングのファクトリードライバー3人は、現在開催されているIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第4戦の鈴鹿1000kmで再集結する。彼らが参戦するのは『ミーデッケ・モータースポーツ・バイ・チームMPC』であり、同チームにとって、マルチマチック製のこのマシンでの初レースとなる。
2026年IGTC第4戦『第50回鈴鹿1000km』 TV放送&タイムスケジュール/最新エントリーリスト
メルボルンを拠点とする同チームは、このマシンでの事前テストを行うことができなかった。マシンは日本へ直接輸送され、サーキットのパドックで組み立てられたため、バービシュによれば、克服すべき新たな要素がいくつも存在するという。
「新しいチームであり、新しいシャシーでもある。すべてを持ち寄る形になり、事前に顔を合わせることもなかったので、理想的な準備ができたとは言えないんだ」と彼はSportscar365に語った。
「それが最大の課題だと思う。ただ、フォード・マスタングは技術的に非常に信頼性の高いマシンなので、その点は素晴らしいベースになっていると言えるだろう」
「ヨーロッパでは、ピレリタイヤに関する経験も蓄積されているし、ヨーロッパの他のチームにも経験がある。僕らにも過去の経験はあるが、コースコンディションそのものよりも、そうした準備不足の状況をどう乗り越えるかの方が難しい課題になると思う」
「気温が高い方が好都合かもしれない。暑ければ他のチームにとっても厳しい状況になるし、我々が準備で少し遅れているというハンデを、そうした状況が補ってくれる可能性があるからだ」
「悪天候や雨といった厳しいコンディションを望んでいる。なぜなら、僕らのマシンはエアコンの性能が非常に優れているからね。以前別のブランドのマシンに乗っていた時は、それほど良くなかったと記憶している
バービシュは、トロイ・ラッセル率いるメルボルン・パフォーマンス・センター(MPC)のチームで以前ドライブした経験があり(ミースに至ってはチャンピオン獲得経験もある)、チームによる事前のシェイクダウンなしに新品のマシンをサーキットへ輸送するというプロセス自体は、決して珍しいことではないと述べている。
「過去に別のブランドでオーストラリアへマシンを輸送した経験はある」と彼は語った。
「簡単なことではないよね。でも、マルチマチックは素晴らしい仕事をしてくれるし、現地に届いたマシンは本当に良い出来栄えなんだ」
「したがって、その点は問題ないだろう。ただ、細かい課題は出てくるかもしれない。でも僕らには『エンジニア』と呼んでいるデニスがいるから、そうした細かな点でも大きな助けになってくれると思う」
「もちろん、僕ら自身にも知識や経験はある。間違いなく大きな挑戦になるだろうが、しっかりとした基盤はあるし、あとはそこからどう進めていけるかだね」
バービシュは、10時間レースとして開催された2019年に優勝チームの一員として参戦して以来、このイベントに復帰することになる。その前年には同じくアウディでミースと組み、4位という結果を残している。
そんなふたりのフォード・ドライバーは、今回のレースでの好成績に自信をのぞかせている。
「少なくとも表彰台、あるいは優勝を狙っている」とミースは語った。
「長いレース、つまり耐久レースだから、チームとしてどれだけうまくリズムを掴めるかが重要になる」
「このチームとは長年の付き合いがあるし、一緒にレースをしてきた仲だから、その点は問題ない。重要なのは、彼らがこのマシンを理解してくれるかどうかだ。アウディとはかなり特性が異なるからね」
「昨年、別のブランドが参戦して好成績を収めているから、僕らのベースとなるパッケージは非常に優れていると思う。あとはすべてをうまくまとめ上げられるか、そしてドライバーとしてピレリタイヤなどにどれだけ素早く適応できるかにかかっている」
「レギュレーションも異なるし、セーフティカーやフルコースイエロー(FCY)といった運用もある。それらを素早く理解し、学んでいく必要がある。それができれば、どんな結果も可能になるはずだ」
3人のドライバーの主戦場はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権だが、ミースはスケジュールの重複がない限り、IGTCのレースに参戦することには大きなメリットがあると感じているという。
「ドライバーとしては、ある程度のところまでは、レース数が多いほど良いものだ」とミース。
「でも、あまりに増えすぎると、かなり疲弊してしまうけどね。僕らにとって最優先なのは当然IMSAだが、そこに魅力的なレースをいくつか加えられるなら──IGTCのカレンダーにはバサースト、ニュルブルクリンク、スパ、鈴鹿、インディといった素晴らしいレースが組み込まれているから──それらは追加のレースとして完璧なラインアップだと思う」
「もしそこに、世界のどこか別の場所での選手権フル参戦まで加えるとなると、さすがに多すぎるだろう」
「でも、IMSAの活動にそうした特別で魅力的なレースを加えられるのであれば、ドライバーとしてプラスになるし、新しいことを学んだり、新しい人たちと出会ったりもできる。それはとても素晴らしいことだと思う」
[オートスポーツweb 2026年09月11日]
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