ツインリンクもてぎで行なわれたスーパーフォーミュラ第6戦の予選でポールポジションを獲得したのは、Red Bull MUGEN Team Gohの大津弘樹。Q3でただひとりドライタイヤを履くという選択が功を奏してのキャリア初PPとなった。
今回の予選は実に難解なコンディションとなった。Q1こそドライコンディションで行なわれたが、Q2からはウエット宣言が出されると、コースが目に見えるほど濡れている訳ではないものの、ウエットタイヤの方がラップタイムが速い、という状況に。ドライタイヤでのステイアウトを選択したドライバーは苦戦を強いられた。
■スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ予選:大津弘樹が初ポール獲得! 難コンディションでタイヤ選択が明暗分けた
そんな状況も踏まえてか、Q3では各車ウエットタイヤでコースに。しかし、ただひとり大津だけはドライタイヤでコースに出て行った。Q2までの状況を考えると傍目からはリスキーな選択にも見えたが、大津はウエットタイヤ勢を全く寄せ付けないタイムを記録。タイヤ選択が大当たりし、見事ポールを手中に収めた。
そんな大津も、Q2ではタイヤ選択が噛み合わず窮地に立たされていた。
Q2ではセッション途中にドライ→ウエットへと交換した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)と山下健太(KONDO RACING)が好タイムを記録する中、ドライタイヤを履くドライバーはウォームアップに苦戦。コースオフしたドライバーもいた。大津も何度もスピンしそうになったため、ピットインしたいという気持ちもあったようだが、担当エンジニアであるライアン・ディングルからの指示は「ステイアウト!」。結果的に大津は最終アタックで4番手に滑り込み、Q3にギリギリ駒を進めることになった。
「ライアンさんは残り時間なども考えてそういう無線を飛ばしたのだと思います」
大津はそう振り返る。
「あの雨量だと(ドライタイヤが)ほぼほぼ機能しない状況でした。僕としてはピットに入りたかったのですが、ステイアウトすることになりました。そんな雨量の多い状況でコースに留まって4番手に入れたことが(Q3のタイヤ選択に向けては)大きかったと思います」
Q3でのチームの判断について、大津はこう振り返る。
「まずはドライタイヤでアウトラップを走って、あまりにも厳しかったらウエットタイヤに換えよう、という話でした」
「最終的にはドライバー判断でしたが、『この状況でポールを獲るには相手を逆のことをしないと勝てない』ということで、スリック(ドライタイヤ)で走れるならスリックで走ろう、という話をしていました。そのために内圧などもアジャストしてもらっていたので、手応えもありました」
「走り出したら『意外と雨は降ってないな』と思いました」
記者会見では「今まで生きてきた中で一番嬉しいポールポジションでした」と話した大津。決勝に向けての意気込みを次のように語った。
「簡単なレースになるとは思っていませんし、天候もどうなるか分かりませんが、自信はあります。後ろには前年チャンピオンの山本選手(山本尚貴/TCS NAKAJIMA RACING)と今季チャンピオン候補の野尻選手(野尻智紀/TEAM MUGEN)がいますが、自分の走りを前面に出して強く戦いたいです。もちろん優勝を狙って頑張ります」
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