■軽すぎる「アルト」に日産「サクラ」の“ライバル”登場
2025年9月9日、スズキは「技術戦略説明会2025(技術戦略2025)」を開催しました。スズキが現在取り組んでいる技術や、未来に投入する技術が説明されたのですが、ここで語られた内容から未来のスズキ車の姿が見えてくるものもあります。
【画像】超カッコイイ! これが「次期型ハスラー」!? 画像で見る(67枚)
近い将来、果たしてスズキはどんな新型車を投入するのでしょうか。
まず、昨年(2024年)の技術戦略説明会でもあった、100kgの軽量化を目指す軽くて安全な車体「Sライト」について言及がありました。
今回はSライトと表現されていましたが、昨年は「次期アルトで100kgの軽量化を実現し、(車両重量)500kg台を目指す」と表現されていました。
今後、Sライトと呼ばれる設計思想もしくは新たなプラットフォームが、次期アルトから投入されるのではないかと思われます。
Sライトでは、古いアルトを研究し軽量化を徹底。4輪、2輪、船外機など部門を超えてアイデアを出し合い、現状80kgの軽量化までを達成できたとのこと。
ここから100kgを目指して部品一つ一つを見つめ直して、ボルト1本に至るまで軽量化の工夫を進めていくそうです。
Sライトと呼ばれる切り札が次期アルトで投入されるかどうかには注目したいところです。ただし、今回の資料では、Sライトの市場投入は2030年頃と書かれており、具体的に姿を現すのは少し先になるかもしれません。
また電動化技術に関する話題もありました。
現在軽自動車で唯一のマイルドハイブリッドシステムを採用しているスズキですが、将来的には現在の12ボルトから48ボルトへと進化させた「スーパーエネチャージ」を2028年頃から展開させる予定です。
これにより、さらに燃費性能に優れた軽自動車が誕生することが期待できるでしょう。
しかし、電動化に関する取り組みで見逃せないのが軽自動車のBEV(バッテリー電気自動車)です。
2026年1月の販売を予定している「eビターラ」で同社初のBEVを投入したスズキ。
eビターラはBセグメントに属しますが、今回の資料を見るとBEVではBセグメントの車種が登場した直後に「軽自動車」が登場することが表現されています。
この情報からも次のスズキのBEVモデルは軽自動車で登場するはずです。資料の図や表現を見ても2026年から2027年頃にかけて投入されるのではないかと思われます。
軽自動車は日本独自の規格なので、もしその姿を見せるならば日本の自動車ショー、つまり今後の「ジャパンモビリティショー」で何らかの姿を見せるのではないでしょうか。
日産の軽EV「サクラ」の登場を皮切りに、ホンダ「N-ONE e:」など徐々にその盛り上がりを見せている軽乗用車のBEV。
中国の自動車メーカーBYDもここに参入することを表明しており、軽の老舗であるスズキも参入するとなれば、その競争はさらに加速しそうです。(西川昇吾)
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