この記事をまとめると
■乗用車には最大積載量の規定がない
危険な「横転」は意外にも「単独事故」で多かった! その発生原因とは
■タイヤの荷重指数は参考になる
■安全面や乗り心地の観点からも少なくとも55kg×乗車定員+αは想定している
タイヤの刻印を見ると負荷能力がわかる
バンやトラックといった商用車には最大積載量が定められている。
この数値を超えて荷物を載せてしまうことは「過積載」といって違反行為になる。たとえば、中大型トラックの場合、最大積載量を40%超過している過積載が見つかると、違反点数2点、反則金3万円が課されることになる。
さらに、企業として過積載を前提にビジネスをまわしていたと判断されると、車両使用停止や事業停止など、厳しい処分が下されることもある。規模の大小を問わず、物流事業者にとって過積載はNG行為だ。
では、乗用車においても積載量の制限はあるのだらうか? 結論からいえば、乗用車には最大積載量は規定されておらず、当然ながら過積載という概念もない。
ならば、乗用車には荷物が積み放題! と、考えてしまうのは間違いといえる。
最大積載量の数値は示されていなくとも、設計段階で安全に走ることのできる総重量は想定されているからだ。
設計段階での想定値を知るヒントはタイヤのサイズ・スペックにある。
ラジアルタイヤのサイズ表記の一例を挙げると、「215/50R17 91V」となっているが、最初の三桁はタイヤ幅、スラッシュの後の二桁は扁平率を示す。Rの後ろにある数字はタイヤ内径だ。そして、その次にある数字が「荷重指数(ロードインデックス)」と呼ばれるもの。最後のアルファベットはスピードレンジを示す。
ここで注目したいのは荷重指数だ。上記タイヤの場合、荷重指数は91なので空気圧が200kPaでの負荷能力は555kgとなる。4本の合計で、2220kgを支える能力を持っていると捉えることができる。
つまり、このタイヤを履いている乗用車であれば、車両重量+乗員+荷物で2220kgに収まっていれば設計値の範囲内であろうと想像できるわけだ。
タイヤの負荷能力は空気圧によっても変わる。例に挙げた荷重指数「91」の場合、空気圧を220kPaにすれば負荷能力は600kgとなり、4本合計で2400kgを支えられる計算になるのだ。その意味では、指定空気圧も含めてしっかり確認すれば乗用車の最大荷重の参考になるだろう。
サスペンション設計的には1人55kg×乗車人数+αと考えるのが正解
もっとも、クルマの荷重能力をタイヤの荷重指数だけで判断するのは間違いの元だ。サスペンションの設計が、どこまでの荷重を考慮しているかも考えなければいけない。
商用車では最大積載量をしっかり支えるだけのサスペンションを当たり前のように与えられているが、乗用車の場合は積載能力より乗り心地が優先されることもある。そうしたセッティングのクルマでは、荷物を載せ過ぎるとサスペンションが底付き状態になってしまう。
サスペンションのキャパシティを超えてしまっていては、安全かつ安心して運転することはできないのは自明。タイヤ荷重指数などのスペックだけでなく、そうしたトータルでの作り込みまで考えて判断する必要があるだろう。
具体的に、乗用車はどのくらいの重量までが対応できる目安なのだろうか。
公式的には大人1人55kgが基準であるとされているが、さすがに基準値ギリギリで設計されていることはない。少なくとも8人乗りのミニバンであれば、大人8名(=440kg)が乗った上でそれなりに荷物を載せても大丈夫なように設計されているといえる。
ちなみにセダンなどではゴルフのキャディバックが3~4個積めることがアピールされるが、キャディバックの重さはクラブを入れた状態で10kg程度。耐荷重的には、さほど負担になるわけではなかったりする。乗用車のラゲッジに商用車のようにギチギチに荷物を積むのは、過積載とは言わないまでも、キャパオーバーであることは間違いなく、おすすめはできない。
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