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落札予想はイチ、ジュウ、ヒャク…えっ、32億円!? ブルネイ王室に納車された「白いマクラーレンF1」がオークションに登場 31年前の“史上最高のロードカー”とは

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落札予想はイチ、ジュウ、ヒャク…えっ、32億円!? ブルネイ王室に納車された「白いマクラーレンF1」がオークションに登場 31年前の“史上最高のロードカー”とは

ボディにはMシューマッハとLハミルトンのサイン入り

 2025年12月にUAEアブダビで開催されるRMサザビーズのオークションに、1994年式マクラーレン「F1」が出品される予定です。

【写真】スゴッ、高騰を続ける「マクラーレンF1」を細かく見る(33枚)

 どんなクルマなのでしょうか。

 マクラーレンF1は、単に世界最速のロードカーを目指して生まれたわけではありませんでした。

 設計を率いたゴードン・マレー氏と彼のチームは、当時のスーパーカーに見られた制約や欠点を克服し、フォーミュラ1の技術とカーボンファイバー構造を公道車へと直接移植することを目標としていました。

 その結果として誕生したのが、最高速度391km/hという驚異的な記録を樹立した伝説的マシン、マクラーレンF1です。

 BMW製6.1リッターV12エンジンが生み出す627馬力を、極めて小さな正面投影面積のボディに収めたこのクルマは、ル・マン覇者アンディ・ウォレス選手のドライブにより、自然吸気車としては今なお破られていない最高速記録を打ち立てました。

 マクラーレンF1は、その革新性と走行性能の高さから、フェラーリ「250GTO」やアルファロメオ「8C 2900」などと並び、史上最高のロードカ一のひとつとして名を残しています。

 中央にドライバー席を配した三座レイアウト、エンジンルームの金箔断熱材、そして専用設計の超軽量ケンウッド製10連CDチェンジャーなど、細部に至るまで独創的な設計思想が貫かれていました。

 もともとこのクルマはレース参戦を目的としていなかったものの、開発段階で得た性能はレーシングフィールドでも十分に通用しました。

 ゴードン・マレー氏は当初、F1をレース仕様にすることを渋っていましたが、最小限の改良を施したGTR仕様として1995年のル・マン24時間レースに出場すると、初参戦ながら総合優勝を果たします。ヤニック・ダルマス選手、関谷正徳選手、JJ・レート選手のドライバー陣が駆るラザンテ運営の「ウエノクリニック」号が1位でゴールし、マクラーレンは1-3-4-5フィニッシュという圧倒的な結果を残しました。

 公道仕様のマクラーレンF1はわずか64台しか製造されませんでしたが、その中でも今回紹介するシャシナンバー014は特に注目すべき1台です。

 鮮やかなチタニウム・イエローの外装にブラックレザーとアルカンターラの内装を組み合わせたこのモデルは、当初ブルネイ王室に納車されました。その後、イギリスに戻され、マクラーレン・カーズ元ディレクターのデイビッド・クラーク氏を通じて新しいオーナーに渡り、マクラーレン本社でフルサービスを受けました。

 その後はアメリカに渡り、ニューヨークやカリフォルニアのコレクターによって所有され、BMW北米支社が整備を担当しました。

 2006年には新たなオーナーの手に渡り、当時の走行距離はわずか3224マイルでした。翌年、オーナーの要望によりマクラーレン本社で大規模なリビルドが行われ、ボディカラーはアイビスホワイトに変更。固定式リアウイングを備えた「ハイダウンフォースキット(HDK)」を装着し、GTR由来のフロントバンパーやスプリッター、LM仕様のフロントフェンダールーバーが追加されました。

 HDK仕様に改装されたF1は世界でわずか8台のみで、シャシ014はその最後の1台でした。

 さらに、ヘッドライトやエキゾースト、OZレーシング製のGTRスタイルホイールが新調され、内装もLM仕様へとアップデートされました。レース用シートやカーボンファイバーの多用により、よりスパルタンな雰囲気に仕上げられています。この改修費用は総額50万ドルを超え、作業工程は450枚以上の写真で記録されました。完成後、車両はノーマン・フォスター設計のマクラーレン・テクノロジーセンターで正式に引き渡されています。

 また、このクルマには興味深い逸話も残されています。再塗装前、ドアシルにはミハエル・シューマッハ選手のサインがありました。日付は1996年3月12日、彼がフェラーリでの初戦を終えた直後のことでした。

 その後の2007年、再塗装後にはもう一人の7度のF1王者、ルイス・ハミルトン選手がサインを残しています。ルーキーイヤーを戦っていた当時のハミルトンの署名は、左側のラゲッジコンパートメントに今も残されています。

 その後、このF1はアメリカ各地で実際に走らせながら楽しまれ、走行距離は1万2000マイルに達しました。2018年にはマクラーレン・フィラデルフィアでエンジンを降ろす大規模な整備が行われ、燃料タンクの交換などに5万ドル以上が投じられています。現在はデンマークのオーナーが所有しており、オリジナルのファコン製工具箱も付属しています。

 王室由来の希少な個体でありながら、マクラーレンによって公式にハイダウンフォースキットとLM仕様インテリアを与えられたこのシャシー014は、F1の歴史の中でも特別な存在です。

 アメリカの公道でも実際に走行を楽しんだことから、その名は世界中のファンに知られています。この一台は、まさに世界のどんなコレクションにも加える価値のあるマクラーレンF1といえるでしょう。

 1994年式マクラーレンF1、予想落札価格は2100万米ドル以上(1USドル154円換算で約32億3000万円以上!)とされています。(VAGUE編集部)

文:VAGUE VAGUE編集部
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みんなのコメント

8件
  • ano********
    “20世紀最高のスポーツカー”もはや伝説の域に達してるな。
  • tor********
    ロードゴーイングカーの先駆者。
    いまだに古さを感じさせないゴードンマレーの感性に惚れ惚れしますわ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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