ホースの膨張を抑え、油圧をダイレクトに伝達!
現代のスポーツバイクで一般的な油圧式ディスクブレーキは、ブレーキレバー(またはブレーキペダル)のマスターシリンダーで作った油圧で、ブレーキキャリパーのピストンがブレーキパッドをディスクローターに押し付けて発生する摩擦力によってブレーキが効きます。
【画像】そんなに違う? ブレーキホースの膨張を抑える「ステンレスメッシュホース」を見る
その油圧を伝えるのがブレーキホースで、大抵の市販バイクはゴム製が使われています。このホースを金属製の網で覆った「ステンレスメッシュホース」に交換すると、どんな効果があるのでしょうか?
油圧式ディスクブレーキはパスカルの原理によって油圧が伝達されますが、その際にはブレーキキャリパーだけでなくブレーキフルードが満たされたすべての部分、すなわちブレーキホースの内側にも均一の圧力が加わります。
するとゴム製のブレーキホースは、その油圧によってわずかですが膨張するため、その分ブレーキキャリパーに伝わる油圧が損失します。
そこで登場したのがステンレスメッシュホースです。ルックス的には金属(ステンレス)の網でできたホースですが、もちろんそれだけではブレーキフルードが網目から漏れてしまいます。重要なのはインナーホースの材質で、多くがPTFEなどのテフロン系の樹脂素材を使っており、ゴムと比べて膨張しにくく耐圧性に優れています。
そのインナーパイプをステンレスの網で保護しつつしっかりホールドすることで、ハードブレーキなどで高い油圧がかかった際に、より膨張を抑える効果があります。
そのため純正に多いゴム製のブレーキホースからステンレスメッシュホースに交換すると、ブレーキをかけた瞬間に油圧がダイレクトに伝わり、タッチ(ブレーキをかけた時のフィーリング)がカチッとしてハードブレーキングやシビアな減速コントロールに効果があります。
2輪のオンロードのレーシングマシンには1970年代後半頃から使われ始め、1990年代にはブレーキまわりのカスタムとしてメジャー化しました。
ちなみに、ステンレスメッシュホースはその名の通りステンレスの網(メッシュ)ですが、他にもテフロン系のホースをケブラーやカーボンの網(メッシュ)で包んだメッシュホースも存在します。
ステンレスメッシュホースを標準装備するバイクは、現在も少ない
ホースの膨張を抑えてブレーキのダイレクト感やタッチが向上するステンレスメッシュホースですが、純正(ノーマル)で採用している市販バイク(レーシングマシン除く)はごく一部です。
国産では過去にヤマハの「OW-01」こと「FZR750R」(1989年)に採用され、現在では「YZF-R1」(2015年以降のモデル)くらいではないでしょうか。
例外的なのはイタリアのドゥカティで、スーパーバイク系は初代の「851」(1988年~)から、他車種も1990年代後半頃からステンレスメッシュホースを装備する車両が多くありました。
なぜステンレスメッシュホースを純正装備する車両が増えないのでしょうか? 理由は諸説あるようですが、おそらくは高コストであることと、ゴム製ブレーキホースも進化して性能が高まったからではないでしょうか。
純正のブレーキホースは、ゴム製とは言っても単純なゴムホースではなく、高い油圧に対応するために膨張を抑える繊維とゴムを何層かに重ねた構造になっています。
そのため、一般的な公道での走行において「ホースが膨張してブレーキの効き具合やフィーリングが良くない」と感じることはまずありません。
そこでコストと性能のバランス、いわゆるコストパフォーマンス的に、ゴム製ブレーキホースが主流なのだと思われます。
カスタムの際は安全・確実に!
ダイレクトな操作フィーリングはもちろん、ルックス的にもカスタム効果の高いステンレスメッシュホースですが、ブレーキは重要保安部品なので、手軽なドレスアップパーツとは異なります。
また近年のバイクはABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備しているので、ブレーキホースの交換作業はかつてのABS非装備のバイクよりかなり難易度が高いと言えます。
なのでカスタムする際には、製品の安全性や交換作業の確実性を重視し、確かな技術を持ったショップに依頼するのが得策でしょう。(伊藤康司)
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みんなのコメント
度を超えた効き過ぎるブレーキも良くない事を身を以て知りました
125ccのFブレーキフルカスタムは公道では無用の長物です